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第5章 アグトリア動乱
追撃
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午後2時になった。
ロイはドロメ盗賊軍の左翼本隊に退却命令を出して自らも後退を始めた。
ロイはジフロル軍のアルガスの部隊接近中の報を聞き、挟撃される事を恐れ退却命令を出して後退した。
だが退却命令を出す前から、すでに左翼部隊は混乱状態になっていた。
そこに突如の退却命令が出たのである。
加えて指揮官が一目散に逃げ出してしまったために混乱状態に拍車がかかった。
戦闘を行いながらの退却はとても難しいものであった。
通常であれば足止めの為に部隊を残したり、反撃しながら後退するのが普通であった。
だがロイは退却命令だけ出してすぐに逃げてしまったのである。
結果として左翼部隊はほぼ総崩れとなり、戦線が完全に崩壊してしまった。
左翼部隊は多大な犠牲を出しながら丘陵地帯より逃げていった。
戦況はジフロル軍有利に傾きつつあった。
ドロメ盗賊軍は主力である左翼部隊が崩壊してしまった。
ドロメ盗賊軍の中央部隊と右翼部隊はまだ健在であった。
だがどちらも朝から激しい戦いを続けており、戦力を出す余裕は乏しかった。
対するジフロル軍の方は大きな損害は出していなかったのである。
ロイの部隊は組織的な抵抗ができずただ逃げるばかりであった。
その頃ドロメ盗賊軍の右翼部隊を率いていた千人斬りのグロッケンは、最前線から少し離れた場所で指揮を執っていた。
グロッケンが部下に尋ねた。
「さて、作戦通りならそろそろロイの奴がバトロア鉱山を奪取した頃だ!鉱山奪取の連絡はまだ来ないのか?」
グロッケンの部下が答えた。
「はっ、まだ来ておりません。」
そこに伝令が走ってやって来た。
そしてその伝令がグロッケンに言った。
「グロッケン様、大変です。」
グロッケンが伝令に尋ねた。
「何がだ?」
伝令がグロッケンに言った。
「我が軍の左翼部隊が敗北し、丘陵地帯より撤退致しました!」
グロッケンが驚いて伝令に聞き返した。
「何?ロイの部隊が撤退したのか?」
伝令がグロッケンに言った。
「はい、ガブロ様も負傷され後退されました。左翼部隊には大きな犠牲が出ているようです。」
グロッケンが伝令に言った。
「ガブロの奴も負けて後退したのか?何やってやがるんだ!!あいつらは!!」
グロッケンが伝令に尋ねた。
「偽善者共の動きは?敵の右翼は動いてないだろうな?」
伝令がグロッケンに答えた。
「すいませんグロッケン様、そこまでは分かりません。」
グロッケンが伝令に言った。
「おい!敵の右翼が進撃してきたらヤバイぞ!ドロメ様の中央部隊も俺の右翼部隊も朝から戦い続けてるんだ!余力なんぞ残ってないぞ!もし偽善者共に反転攻勢に出られたら全滅させられるぞ!」
グロッケンはそう言うと地面を激しく踏みつけた。
グロッケンの懸念通りにレイドスはロイの部隊の追撃を始めようとしていた。
ドロメ盗賊軍の左翼の崩壊に乗じて攻勢に転じようとしていたのだ。
馬に乗ったレイドスが部下達に指示を出す。
「よし、反転攻勢に出るぞ!!ドロメの連中を追いかける!!みんな続け!!」
レイドスの部下達が声をあげた。
「おおー!!」
今度はレイドス率いる四千の部隊が丘陵地帯を駆け下りて逃走するロイの部隊に追撃を始めた。
一方その頃バトロア村より出撃しようとしている部隊があった。
カスパーが率いる部隊であった。
ロイはドロメ盗賊軍の左翼本隊に退却命令を出して自らも後退を始めた。
ロイはジフロル軍のアルガスの部隊接近中の報を聞き、挟撃される事を恐れ退却命令を出して後退した。
だが退却命令を出す前から、すでに左翼部隊は混乱状態になっていた。
そこに突如の退却命令が出たのである。
加えて指揮官が一目散に逃げ出してしまったために混乱状態に拍車がかかった。
戦闘を行いながらの退却はとても難しいものであった。
通常であれば足止めの為に部隊を残したり、反撃しながら後退するのが普通であった。
だがロイは退却命令だけ出してすぐに逃げてしまったのである。
結果として左翼部隊はほぼ総崩れとなり、戦線が完全に崩壊してしまった。
左翼部隊は多大な犠牲を出しながら丘陵地帯より逃げていった。
戦況はジフロル軍有利に傾きつつあった。
ドロメ盗賊軍は主力である左翼部隊が崩壊してしまった。
ドロメ盗賊軍の中央部隊と右翼部隊はまだ健在であった。
だがどちらも朝から激しい戦いを続けており、戦力を出す余裕は乏しかった。
対するジフロル軍の方は大きな損害は出していなかったのである。
ロイの部隊は組織的な抵抗ができずただ逃げるばかりであった。
その頃ドロメ盗賊軍の右翼部隊を率いていた千人斬りのグロッケンは、最前線から少し離れた場所で指揮を執っていた。
グロッケンが部下に尋ねた。
「さて、作戦通りならそろそろロイの奴がバトロア鉱山を奪取した頃だ!鉱山奪取の連絡はまだ来ないのか?」
グロッケンの部下が答えた。
「はっ、まだ来ておりません。」
そこに伝令が走ってやって来た。
そしてその伝令がグロッケンに言った。
「グロッケン様、大変です。」
グロッケンが伝令に尋ねた。
「何がだ?」
伝令がグロッケンに言った。
「我が軍の左翼部隊が敗北し、丘陵地帯より撤退致しました!」
グロッケンが驚いて伝令に聞き返した。
「何?ロイの部隊が撤退したのか?」
伝令がグロッケンに言った。
「はい、ガブロ様も負傷され後退されました。左翼部隊には大きな犠牲が出ているようです。」
グロッケンが伝令に言った。
「ガブロの奴も負けて後退したのか?何やってやがるんだ!!あいつらは!!」
グロッケンが伝令に尋ねた。
「偽善者共の動きは?敵の右翼は動いてないだろうな?」
伝令がグロッケンに答えた。
「すいませんグロッケン様、そこまでは分かりません。」
グロッケンが伝令に言った。
「おい!敵の右翼が進撃してきたらヤバイぞ!ドロメ様の中央部隊も俺の右翼部隊も朝から戦い続けてるんだ!余力なんぞ残ってないぞ!もし偽善者共に反転攻勢に出られたら全滅させられるぞ!」
グロッケンはそう言うと地面を激しく踏みつけた。
グロッケンの懸念通りにレイドスはロイの部隊の追撃を始めようとしていた。
ドロメ盗賊軍の左翼の崩壊に乗じて攻勢に転じようとしていたのだ。
馬に乗ったレイドスが部下達に指示を出す。
「よし、反転攻勢に出るぞ!!ドロメの連中を追いかける!!みんな続け!!」
レイドスの部下達が声をあげた。
「おおー!!」
今度はレイドス率いる四千の部隊が丘陵地帯を駆け下りて逃走するロイの部隊に追撃を始めた。
一方その頃バトロア村より出撃しようとしている部隊があった。
カスパーが率いる部隊であった。
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