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第5章 アグトリア動乱
軍議2
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ドロメ団長が部下達に大声で怒鳴った。
「いいか!あの偽善者共を叩き潰しバトロワ鉱山を奪還する策だ。それを頭絞って考えろ!」
するとロイがドロメ団長に言った。
「ドロメ様、それでしたら良い策がございます。」
ドロメ団長がロイに言った。
「どんなだ?」
ロイがドロメ団長に言った。
「今我々の手元には一万七千の戦力がございます。そこでこのバトロワ村周辺に千人だけ残して残りの一万六千で今夜中に丘陵地帯の西まで進みます。明日の夜明けとともに攻撃を仕掛けるのです。」
するとまたカスパーがロイに言った。
「わざわざ敵が待ち構えている所に攻め込むのか?」
だがロイはカスパーの問いかけを無視した。
するとドロメ団長も同じ事をロイに尋ねた。
「偽善者共に高地を取られてるんだぞ?」
ロイはドロメ団長にはちゃんと答えた。
「ドロメ様、兵力差を生かした戦いをすれば、勝利する事は可能です。」
ドロメ団長がロイに言った。
「詳しく話せ。」
ロイがドロメ団長に答えた。
「まず全軍を左翼部隊と中央部隊と右翼部隊の三つに分けます。そして左翼部隊に戦力を集中させて丘陵地帯の西に布陣します。」
ドロメ団長はロイの話に聞き入っていた。
「それで?」
ロイはドロメ団長に話を続けた。
「まず夜明けと共に中央部隊と右翼部隊で敵に攻撃を仕掛けます。さすれば敵の右翼部隊は味方を救援するために中央と左翼に戦力を向かわせるはずです。」
「ですがこれは囮です。その後温存していた左翼部隊で敵陣突破を狙い攻撃を仕掛けます。敵は我が軍より数で劣ります。さすれば勝利する事ができるでしょう。」
ドロメ団長は納得したようで、ロイに言った。
「うむ、良き案だ。」
するとカスパーがドロメ団長に言った。
「ドロメ様、ここは動くべきではないと具申致します。」
するとドロメ団長がカスパーに尋ねた。
「何?どういう事だ?」
カスパーがドロメ団長に言った。
「敵が待ち構えている所を攻撃しても苦戦は必須でしょう。それよりもバトロワ村周辺に堅固な陣地を構築するのです。その上でここで敵を待ち構えるのです。さすれば敵に大損害を与えられます。」
だがこれを聞いたドロメ団長は不機嫌そうな顔をしながら言った。
「うーむ?」
するとロイが笑いながらカスパーに言った。
「おいおい、それでは敵に陣地構築する時間を与えるだけだぞ?敵に堅固な陣地を構築されたらバトロワ鉱山の奪取は不可能になる。そんな事も分からないか?」
カスパーがロイに言った。
「もちろん分かっている。だが敵が準備をして待ち構えている所に飛び込むなど無謀だ。わざわざこちらから不利な戦いをすべきではない。」
だが今度はロイがカスパーに言った。
「だから敵が準備を完了させる前に叩こうって言ってるんだろうが!お前ドロメ様のさっきの言葉を忘れたみたいだな!」
カスパーがロイに言った。
「何?」
ロイがカスパーに言った。
「ドロメ様は、偽善者共を叩き潰しバトロワ鉱山を奪還する方法を考えろって言われただろ?」
そしてロイがドロメ団長に言った。
「ドロメ様、カスパーめバトロワ鉱山を取り返す気はないようですぞ?武芸もできず頭を回すだけが取り柄の奴がついに頭も回せなくなったようです。カスパーめをこの村に残してはどうでしょう?この村から出たくないようですし!」
ドロメ団長もロイに同調してカスパーに言った。
「カスパー、お前はこの村に残っておれ!良いな!」
カスパーはドロメ団長に言った。
「ですが?」
ドロメ団長が再度大声でカスパーに言った。
「良いな!!!」
カスパーは渋々ながら了承した。
「はっ、了解しました。ドロメ様!」
続けてドロメ団長が側近達に作戦を伝えた。
「ロイの策を是とする。今夜中に全軍を丘陵地帯の西に移動させ、明日の早朝より偽善者共に攻撃を仕掛ける!」
ドロメ団長の部下達が一斉に返事をした。
「はっ!」
ドロメ団長が続けて大声で言った。
「中央の部隊はこのドロメ様が指揮を執る。」
ドロメ団長は続けて大声で言った。
「右翼部隊はグロッケン!」
ドロメ団長の側近の一人であるグロッケンが答えた。
グロッケンは大柄の男で背中には大きな剣を装備していた。
人を斬り殺す事を何よりも好んでおり、千人斬りのグロッケンと呼ばれていた。
「ドロメ様、偽善者共をたくさん殺してやります!」
するとドロメ団長がグロッケンに言った。
「先陣もお前に任せる。良いな!」
グロッケンがドロメ団長に答えた。
「はっ!」
ドロメ団長は続けて言った。
「左翼部隊はロイそしてガブロだ。」
鉄槌のガブロがドロメ団長に言った。
「うっしゃ!派手に暴れてやるぜ!」
ロイがドロメ団長に言った。
「ドロメ様、必ずやご期待に沿います。」
そしてドロメ団長が大声で皆に言った。
「いいか野郎共!偽善者共に遅れを取るんじゃねーぞ!!」
ドロメ団長の部下達が一斉に声をあげた。
「おおー!」
バトロワの戦いが始まろうとしていた。
「いいか!あの偽善者共を叩き潰しバトロワ鉱山を奪還する策だ。それを頭絞って考えろ!」
するとロイがドロメ団長に言った。
「ドロメ様、それでしたら良い策がございます。」
ドロメ団長がロイに言った。
「どんなだ?」
ロイがドロメ団長に言った。
「今我々の手元には一万七千の戦力がございます。そこでこのバトロワ村周辺に千人だけ残して残りの一万六千で今夜中に丘陵地帯の西まで進みます。明日の夜明けとともに攻撃を仕掛けるのです。」
するとまたカスパーがロイに言った。
「わざわざ敵が待ち構えている所に攻め込むのか?」
だがロイはカスパーの問いかけを無視した。
するとドロメ団長も同じ事をロイに尋ねた。
「偽善者共に高地を取られてるんだぞ?」
ロイはドロメ団長にはちゃんと答えた。
「ドロメ様、兵力差を生かした戦いをすれば、勝利する事は可能です。」
ドロメ団長がロイに言った。
「詳しく話せ。」
ロイがドロメ団長に答えた。
「まず全軍を左翼部隊と中央部隊と右翼部隊の三つに分けます。そして左翼部隊に戦力を集中させて丘陵地帯の西に布陣します。」
ドロメ団長はロイの話に聞き入っていた。
「それで?」
ロイはドロメ団長に話を続けた。
「まず夜明けと共に中央部隊と右翼部隊で敵に攻撃を仕掛けます。さすれば敵の右翼部隊は味方を救援するために中央と左翼に戦力を向かわせるはずです。」
「ですがこれは囮です。その後温存していた左翼部隊で敵陣突破を狙い攻撃を仕掛けます。敵は我が軍より数で劣ります。さすれば勝利する事ができるでしょう。」
ドロメ団長は納得したようで、ロイに言った。
「うむ、良き案だ。」
するとカスパーがドロメ団長に言った。
「ドロメ様、ここは動くべきではないと具申致します。」
するとドロメ団長がカスパーに尋ねた。
「何?どういう事だ?」
カスパーがドロメ団長に言った。
「敵が待ち構えている所を攻撃しても苦戦は必須でしょう。それよりもバトロワ村周辺に堅固な陣地を構築するのです。その上でここで敵を待ち構えるのです。さすれば敵に大損害を与えられます。」
だがこれを聞いたドロメ団長は不機嫌そうな顔をしながら言った。
「うーむ?」
するとロイが笑いながらカスパーに言った。
「おいおい、それでは敵に陣地構築する時間を与えるだけだぞ?敵に堅固な陣地を構築されたらバトロワ鉱山の奪取は不可能になる。そんな事も分からないか?」
カスパーがロイに言った。
「もちろん分かっている。だが敵が準備をして待ち構えている所に飛び込むなど無謀だ。わざわざこちらから不利な戦いをすべきではない。」
だが今度はロイがカスパーに言った。
「だから敵が準備を完了させる前に叩こうって言ってるんだろうが!お前ドロメ様のさっきの言葉を忘れたみたいだな!」
カスパーがロイに言った。
「何?」
ロイがカスパーに言った。
「ドロメ様は、偽善者共を叩き潰しバトロワ鉱山を奪還する方法を考えろって言われただろ?」
そしてロイがドロメ団長に言った。
「ドロメ様、カスパーめバトロワ鉱山を取り返す気はないようですぞ?武芸もできず頭を回すだけが取り柄の奴がついに頭も回せなくなったようです。カスパーめをこの村に残してはどうでしょう?この村から出たくないようですし!」
ドロメ団長もロイに同調してカスパーに言った。
「カスパー、お前はこの村に残っておれ!良いな!」
カスパーはドロメ団長に言った。
「ですが?」
ドロメ団長が再度大声でカスパーに言った。
「良いな!!!」
カスパーは渋々ながら了承した。
「はっ、了解しました。ドロメ様!」
続けてドロメ団長が側近達に作戦を伝えた。
「ロイの策を是とする。今夜中に全軍を丘陵地帯の西に移動させ、明日の早朝より偽善者共に攻撃を仕掛ける!」
ドロメ団長の部下達が一斉に返事をした。
「はっ!」
ドロメ団長が続けて大声で言った。
「中央の部隊はこのドロメ様が指揮を執る。」
ドロメ団長は続けて大声で言った。
「右翼部隊はグロッケン!」
ドロメ団長の側近の一人であるグロッケンが答えた。
グロッケンは大柄の男で背中には大きな剣を装備していた。
人を斬り殺す事を何よりも好んでおり、千人斬りのグロッケンと呼ばれていた。
「ドロメ様、偽善者共をたくさん殺してやります!」
するとドロメ団長がグロッケンに言った。
「先陣もお前に任せる。良いな!」
グロッケンがドロメ団長に答えた。
「はっ!」
ドロメ団長は続けて言った。
「左翼部隊はロイそしてガブロだ。」
鉄槌のガブロがドロメ団長に言った。
「うっしゃ!派手に暴れてやるぜ!」
ロイがドロメ団長に言った。
「ドロメ様、必ずやご期待に沿います。」
そしてドロメ団長が大声で皆に言った。
「いいか野郎共!偽善者共に遅れを取るんじゃねーぞ!!」
ドロメ団長の部下達が一斉に声をあげた。
「おおー!」
バトロワの戦いが始まろうとしていた。
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