最強勇者の物語2

しまうま弁当

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第5章 アグトリア動乱

次の仕事

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パルゲア歴752年7月15日午前9時、アグトリア法国の首都アグトリアにある果てなき絶望のアジトでモニカとスリラが話をしていた。

モニカがスリラに言った。

「スリラ、次の仕事を頼めるかしら?」

スリラがモニカに尋ねた。

「次は誰を騙すんだ?」

モニカがスリラに言った。

「違うわ、今回の仕事は詐欺じゃないの。」

スリラがモニカに言った。

「そうか、それは良かった。果てなき絶望に入ってから詐欺ばっかりやらされていたからな。気が滅入ってたんだ。」

モニカがスリラに言った。

「あらスリラ?また詐欺の素晴らしさを教える必要があるかしら?」

スリラが慌ててモニカに言った。

「いや詐欺の仕事が下らないという意味じゃない。詐欺の素晴らしさはよく分かってる。」

するとモニカが少し残念そうにスリラ言った。

「そう?それならいいけど。」

スリラがモニカに尋ねた。

「それで次の仕事は何だ?」

モニカがスリラに言った。

「簡単な仕事よ。勧誘をしてきて欲しいの。デーロ・スコルチという名前の男よ。大神殿関係者(アグトリア法国関係者)で助祭をしているわ。」

スリラがモニカに言った。

「その男を果てなき絶望に入れる新しいメンバーとして勧誘してこいって事か?」

モニカがスリラに言った。

「果てなき絶望のメンバーに入れるつもりはないわ。果てなき絶望の名前も出さないでちょうだい。」

スリラがモニカに尋ねた。

「俺たちの時みたいに試験をする訳じゃないのか?」

モニカがスリラに言った。

「ええ違うわ。試験はしなくていいから、とにかく確保するのよ。」

スリラがモニカに尋ねた。

「つまり誘拐してこいって事か?」

モニカがスリラに尋ねた。

「まあそれでもいいんだけど、今回は穏便に勧誘でいいわよ?」

スリラがモニカに言った。

「話が全く見えない。いつも思うんだがモニカの話は重要な説明が抜けている。」

するとモニカがスリラに言った。

「あのね、いつも充分な情報を得られるとは限らないわ。むしろ限られた情報の中で判断しなければならない時の方が多いわ。判断力や洞察力を磨くのも詐欺師にとって重要な事よ。それに貴方なら多分会えば解るわ。どうスリラやってくれる?」

スリラはため息をしてモニカに言った。

「ああ分かった、引き受ける。」

モニカが笑みを浮かべながらスリラに言った。

「ふふ、ありがとう。彼はこの首都アグトリアのレイズ酒場にいると思うわ。大のウメール(この世界のお酒)好きらしいから。」

スリラがモニカに言った。

「レイズ酒場か、分かった。」

スリラは果てなき絶望のアジトを出てレイズ酒場へと向かった。
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