最強勇者の物語2

しまうま弁当

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第4章 ホルムス共和国

反発

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パルゲア歴701年7月4日、ホルムス王国は民主制への移行を宣言しました。

だが他の国はこのホルムス王国の民主化に反発しました。

特に当時最大国家であったアグトリア法国の反発が強かった。

当時アグトリア法国の国家元首であった第12代法王のアドルフォ・カパローニ法王は隣国の民主制への移行の報告を聞き激怒した。

そしてカパローニ法王はこう宣言しました。

「ホルムス王家も我が臣下であり、これを覆す事は我に対する反逆行為である。もし民主化などという愚かしい行為を実行するのなら総力をあげて攻め滅ぼす!」

当時はホルムス王国の国力はまだ小さく、逆にアグトリア法国の国力は強大でした。

実はかなり前からホルムス王国では民主化への移行は考えられてきました。

ですが君主制の周辺国が反発するのは目に見えており、攻め滅ぼされてしまう可能性すらありました。

ですので時期が来るのをひたすら待っていたのです。

そしてようやくチャンスが到来したのでした。

実はこの時アグトリア法国内では遷都を巡って大きな対立が起こっていました。

大きな影響力を有していたアッレスル・ジェンマ前法王が首都をアグトリアから始まりの地マルテムスへの遷都を強く主張していました。

そして遷都に反対のカパローニ現法王と真っ向から対立していたのです。

そしてアグトリア法国の運営方針を決める最高意思決定機関である聖職者集会がこの年の10月に開かれる予定であった。

当然ながら遷都問題が最大の議案になる予定であった。

しかもこの遷都については、若干反対派の優勢の状況でした。

そしてホルムス王家も聖職者集会への参加資格を持っていたのである。

つまり聖職者集会で遷都に反対する代わりに、ホルムス王国の民主化を認めてもらおうという事であった。

現に前法王のアッレスル・ジェンマ前法王はホルムス王国の民主化について理解を示しており、反対派の切り崩しを狙っているのは明らかであった。

こうなるとアドルフォ・カパローニ法王も譲歩せざるおえなくなった。

もし国家元首であるカパローニ法王が遷都に反対しているにも関わらず、遷都が決まってしまえば、カパローニ法王の面目丸潰れであった。

その事態だけは何としても避けなければならなかった。

結局アドルフォ・カパローニ法王は先の宣言を取り下げ、条件付きで民主化を承認する事とした。

その条件とは

聖職者集会で遷都案へ反対する事。

民主化への移行後も、これまでと同じようにアグトリア法国との友好関係を維持する事。

これまで通りアグトリア法国への献金を続ける事。

アグトリム教徒をこれまでと同じように扱う事。

等であった。

ホルムス王家はこの条件を快諾したため、ホルムス共和国は承認される運びとなった。

最大の国力を誇るアグトリア法国の承認を受けたため、他の国も民主化を認める流れに傾いた。
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