最強勇者の物語2

第４章 ホルムス共和国

成果発表

今日はパルゲア歴752年6月24日である。

ジール公国政府による公式発表が行われ、勇者討伐が成功したと発表された。

その報はすぐにパルゲア大陸中を駆け巡った。

ここはホルムス共和国の首都エルスタにある高層ビルのリテイザビルである。

リテイザビルは四十二階建てで高さが210メートルもあった。

首都エルスタでは二番目に高い建物で、最近建てられた高層ビルであった。

ビルの外観はコンクリート造りで白色を基調としていた。

リテイザビルの壁面にには大きな大画面の映像装置が設置されており、絶え間なく映像と音声が流されていた。

リテイザビルの前は大通りとなっていた。

たくさんの蒸気自動車が走行しており、たくさんの人々が歩道を行き交っていた。

その大画面に勇者討伐成功のニュースが流れた。

行き交う通行人達は足を止めてこのニュースを見た。

そして通行人達の話題は勇者一色になった。

「そうか勇者狩りが成功したか。そいつは吉報だな。」

「ふう、一安心ね。勇者がやって来たなんて考えるだけで怖いわ！」

「少し可愛そうね？そのやって来た勇者は何もしてないだし。」

「あんな害悪しかない連中殺されて当然だ。どうせ今度の勇者もそんな奴だ。」

「危ないから殺すっていうのは乱暴すぎだ。殺された勇者も気の毒にな。」

「勇者は危険な存在だ。殺しておかないと後が怖い。」

人々は勇者狩りのニュースついてあちこちで話していた。

そんな中に映像装置を複雑な思いで見つめる白髪の男性がいた。

白髪の男性はその後、東に向かって歩道を歩いて行った。

白髪の男性はしばらく東に向かって歩いて行った。

そして彼はとある工場現場にやって来た。

その工場現場では小さなビルの建設途中であった。

そしてちょうど昼休憩の時間だったようで、作業員達は日陰で腰を下ろして休んでいた。

すると大柄の男性が白髪の男性に言った。

「いやすまないね。ソルディさん、弁当を買ってきて貰って。」

ソルディさんと呼ばれた男性が大柄の男性に答えた。

「いえ、僕は入ったばかりですしこの位はしないと。はいリックさん大盛ダーグ弁当です。」

リックがソルディに言った。

「ああ、やっぱり弁当と言ったら、大盛りダーグ弁当よ。これ以外なんてあり得ねえな。」

すると後ろから若い男性がリックさんに言った。

「またダーグ弁当ですか？毎日同じ物ばかりで飽きませんか？それに同じ物食べていたら栄養が偏ってしまいます。いいですか！毎日バランス良く色々な物を。」

するとリックさんが若い男性の会話を遮って言った。

「いちいち細けえんだよフランク！昼飯ぐらい好きな物食わせろ！」

するとフランクさんがリックさんに言った。

「ですからそういう考え方が危険なんです。小さな不摂生の積み重ねが数年後十年後に大きな災いとなるんです。」

リックさんがフランクさんに答えた。

「昼飯の時ぐらいその説教じみた会話を止めろ！」