最強勇者の物語2

しまうま弁当

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第4章 ホルムス共和国

推理

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笹岡警部の指示により、関係者全員が保管倉庫に集められた。

そして笹岡警部を含めた刑事達も保管倉庫に集まった。

すぐに笹岡警部によって推理が始められた。

「本日この保管倉庫の事務部屋で古森製菓の社長である古森広正(こもりひろまさ)さんが首を吊っている状態で発見されました。」

吉崎部長が笹岡警部に尋ねた。

「広正社長が死んだとは聞いていましたが、それじゃあ広正社長は自殺したんですか?」

笹岡警部が吉崎部長に答えた。

「いえ現場の状況から何者かに首を絞められて殺されたようです。広正社長の首には、首を絞められた時にできる引っかき傷がありました。その後自殺に見せかけるためにこの事務部屋で広正社長の遺体の首にロープを括って吊るしたんです。そして我々はこの中に犯人がいると考えています。」

すると富城課長が笹岡警部に尋ねた。

「そ、そんな?だ、誰が広正社長を殺したんです?もう分かっているんですか?」

すると島内部長が笹岡警部に言った。

「でも私達は広正社長に会いましたよ。ねえ富城課長?」

富城課長は島内部長の投げ掛けに頷いた。

「ああ。」

島内部長が笹岡警部に言った。

「もしこの中に犯人がいて、かつ犯行可能なのは一人しかいないんじゃない?そうでしょ照之君?」

すると照之が島内部長に答えた。

「言っとくが俺じゃないぞ。」

島内部長が照之に言った。

「そうかしら?私が生きた社長を見ているんだから、犯行可能なのは照之君あなただけでしょ?」

笹岡警部が島内部長に言った。

「いや犯人は照之君ではない。別の人間だ。なぜなら防犯カメラに映った時間から彼が消防に通報するまでの時間が短かすぎるんだ。コンビニの防犯カメラに映っていたのが、午後1時25分、消防への通報が午後1時39分。たった14分の間に、コンビニから保管倉庫までの移動と広正社長の殺害、それに自殺に見せかけた偽装工作を全てやらなければならない。しかも彼にとってここは不慣れな場所です。」

すると黒岩刑事が大きな声で言った。

「そうか分かった!犯人は島内部長ですね!広正社長に最後に会った島内部長なら、広正社長を殺害する事が可能だ。広正社長を殺した後でなに食わぬ顔で富城課長の所に戻ったんだ。」

すると島内部長が黒岩刑事に言った。

「いい加減な事を言わないで!私が広正社長に会っていたのは数分よ!照之君の犯行が無理だと言うなら私にも犯行は無理でしょ!」

すると富城課長が黒岩刑事に言った。

「島内部長の言う通りで、彼女は事務部屋に向かってからすぐに帰ってきましたよ。数分だったと思います。そのあと積み降ろし作業を手伝ってくれました。照之君と同様に偽装工作をする時間は無いと思います。島内部長はその後ずっと本社棟事務所にいましたし。」

すると糸沼刑事が黒岩刑事に反論した。

「それに彼女は華奢な体格です。島内部長が広正社長を吊るすなんて力業出きないと思いますけど?」

すると笹岡警部が糸沼刑事に言った。

「確かに富城課長と糸沼刑事の言う通りだ。」

島内部長が安堵したように笹岡警部に言った。

「そうよね。」

すると黒岩刑事が笹岡警部に尋ねた。

「では一体だれが犯人なんですか?」

すると笹岡警部が犯人を指差して言った。

「広正社長殺害の犯人はあなたです。総務部部長の吉崎敏弘さん!」
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