最強勇者の物語2

しまうま弁当

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第4章 ホルムス共和国

ハンデ

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俺はビード男爵との戦いを面白くするために、ビード男爵にハンデをあげる事にした。

俺は剣を鞘に収めて、ビード男爵が攻撃するのを待った。

するとビード男爵が俺に言った。

「いいだろう、とっときのを見せてやる!」

するとビード男爵が何かを唱え始めた。

「破滅を望む闇の眷属達よ、今その力によりて闇に染まりし稲妻で敵をなぎ払いたまえ!」

そしてビード男爵は剣を天井へ向けて掲げた。

すると黒い稲妻のような物が大広間中を縦横無尽に走った。

そしてその黒い稲妻はビード男爵が掲げた剣へと集まっていった。

おびただしい黒い稲妻がビード男爵の剣先へと集まった。

その剣は黒色とも紫色とも分からぬ色で不気味に輝いていた。

そしてビード男爵が大きな声で言った。

「秘技死屍滅殺(ひぎししめっさつ)」

ビード男爵はそう言い終わると、不気味に黒く輝いた剣で俺に斬りかかってきた。

俺は約束どおり何もしなかった。

なかなか格好いい技だな、これは必殺技か何かか? 

俺はビード男爵の攻撃を一身に受けた。

そしておびただしい黒色の稲妻が、俺の全身を貫いて何度も駆け巡った。

えっ?何だ?

頭からつま先まで強い衝撃を受け、身体中に激痛が走った。

い、痛い!痛い!痛い!

なんだこの痛みは?

痛みに耐え兼ねて、俺は倒れ込んだ。

何とか立ち上がろと身体を動かそうとした。

だがまるで自分の体ではないように、ほとんど動かせなかった。

一体どういう事だ?

するとビード男爵がまた剣を掲げて何かを唱え始めた。

「崇高なる神々達よ、今その力によりて闇を切り裂く光の刃を与えたまえ!」

すると大広間に神々しい光の束が至る所に現れた。

大広間全体が凄い明るさとなり、目を明けているがつらいほどの輝きだった。

そしてその輝きがビード男爵の剣へと集まった。

ビード男爵の掲げた剣に大広間の至る所から光の束が集まっていった。

ビード男爵が掲げた剣はとても神々しく輝いていた。

ビード男爵が大きな声で言った。

「秘技天撃満願(ひぎてんげきまんがん)」

そしてビード男爵が再びこちらに斬りかかってきた。

俺は避けようと体を動かそうとしたが、まったく動く事ができなかった。

神々しく輝く光の刃が容赦なく俺の全身を貫いた。

更に俺のいる所に光の柱が現れ、全身を聖なる光で焼かれた。

俺は再びビード男爵の攻撃をもろに食らった。

再び身体中に激痛が走った。

俺は凄まじい激痛に溜まらずに叫んだ。

「ぎゃああー!!痛い!!痛い!!」

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