最強勇者の物語2

しまうま弁当

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第4章 ホルムス共和国

ホルムス共和国警察

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僕は警察手帳を見てびっくりした。

僕は落ち着くよう自分に言い聞かせた。

キングスレー巡査部長がサランジ社長に言った。

「これでお分かりでしょう?」

サランジ社長が、警察手帳を見せたキングスレー巡査部長に言った。

「なるほど、違法駐車の取り締まりに来たんじゃな?あんたらは勘違いしとるようじゃ。わしは違法駐車なんぞしとらんぞ。わしはここに用事があってこの駐車場に車を停めとるんじゃ。建設技能研修所の職員に確認してくれればすぐに分かるはずじゃ。」

すると警察手帳を見せたキングスレー巡査部長がサランジ社長に言った。

「違います。我々は違法駐車の取り締まりにきたのではありません。我々の所属部署は交通課ではありませんからな。」

サランジ社長がキングスレー巡査部長に尋ねた。

「それならあんたらは何をしにきたんじゃ?」

僕はドキドキしながら、二人の会話を聞いていた。

キングスレー巡査部長がサランジ社長に言った。

「実は我々はとある逃亡犯を追っておりましてな。その為に少々お話を伺いたいのです。二人とも車から降りて頂けますかな。」

キングスレー巡査部長はそう言うと僕の方を見た。

サランジ社長がキングスレー巡査部長に尋ねた。

「逃亡犯というのは何をやらかしたんじゃ?盗みでもやったのか?」

キングスレー巡査部長はサランジ社長に言った。

「逃亡犯と言っても盗賊とかとは少し違うんですよ。我々は大陸犯罪捜査部所属の刑事でしてね。勇者対策本部の捜査員なんですよ。逃亡犯というのは勇者の事です。さあ早く車から降りてください。」

この話を横で聞いていた僕はかなり焦っていた。

これはかなりやばそうだ。もしかして僕が共和国に密入国した事がばれたのだろうか?

ばれたらとしたらどこまでばれたんだ?

僕がソルディとしてアグトリア法国からの避難民を装っているところまでばれているのだろうか?

僕の生活を調べあげた上で、怪しいと判断したのだろうか?そうであれば、すぐに逃げた方がいい。

だが片っぱしからしらみ潰しに捜査していて、今たまたま僕を聴取しているだけだとしたら?

その場合ならむしろ素直に取り調べを受けた方がいいだろう。

逃げたら自分は勇者ですって自白するようなものだ。

うーん、どうする?

うーん、どうする?

キングスレー巡査部長が僕達に言った。

「さあ早く車から降りてきてください。」

よし決めた、逃げよう。

事情聴取に応じるふりをして、そのまま走って逃げてしまおう。

状況が分からない以上逃げた方が無難だろう。

僕が勇者だとばれてしまうが仕方ない、それよりも逮捕されてしまったらもうどうしようもなくなる。

僕はそう考えて車のドアを開けようとした。

まさにその時、車が急に動き出した。

僕を乗せた赤い車はあっという間に加速して、すでに凄いスピードになっていた。

サランジ社長がアクセルを目一杯踏んで、車を急発進させたのだった。
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