最強勇者の物語2

第４章 ホルムス共和国

技能試験

今日は六月三日だ。

僕は再びスタルビークにあるサランジ建設の事務所の前にやって来た。

今日やって来たのはサランジ建設の最終選考を受ける為だ。

僕はサランジ建設事務所の扉をノックした。

すると中から入ってくれという声が聞こえてきた。

僕はサランジ建設の事務所の中に入っていった。

するとサランジ社長が出入口の前に立っていた。

僕はサランジ社長に言った。

「サランジ社長、今日は宜しくお願いします。」

するとサランジ社長が僕に言った。

「ソルディさんこちらこそ宜しくの。あっそうそう、実は今日は面談の他に技能試験も予定しててのう。今から技能試験の会場まで移動するからの。」

僕はサランジ社長に尋ねた。

「技能試験はここでやらないんですか？」

するとサランジ社長が僕に答えてくれた。

「ここはただの事務所じゃからの。建設技能研修所でやる予定じゃ。」

僕はサランジ社長に尋ねた。

「建設技能研修所ですか？」

サランジ社長が僕に答えた。

「ああ各施工会社が共同で運営している技能研修所じゃ。わしが蒸気自動車で技能研修所まで送るから交通費は心配せんでええぞ。ではさっそく向かおうかの。このジュラックビルの前で待っててくれるかの？車を持ってくる。」

僕はサランジ社長に分かりましたと答えた。

そして事務所から出ていった。

そして階段を降りてジュラックビルの外に出た。

僕が外に出た時たくさんの蒸気自動車や蒸気トラックが、ジュラックビルの前の道路を走っていた。

だが歩道を歩いている歩行者はそれほど多くはなかった。

僕はジュラックビルの前で少し待った。

少し経ってサランジ社長が蒸気自動車に乗ってやって来た。

サランジ社長が乗ってきた車は、赤いスタイリッシュな蒸気自動車で四人乗りだった。

サランジ社長は脇道に車を止めて僕を呼んだ。

「おーい、こっちじゃ。」

僕はサランジ社長が蒸気自動車を止めた、脇道へ歩いていった。

そして助手席のドアを開けて赤い蒸気自動車に乗り込んだ。

助手席に乗り込んだ僕にサランジ社長が言った。

「安全ベルトを締めてくれるか？」

僕はサランジ社長に答えた。

「あっはい、分かりました。」

安全ベルトというのは、恐らくシートベルトの事だろう。

僕は少し戸惑ったが何とか座席についていたシートベルトを締めた。

サランジ社長が僕に言った。

「では発進するからの。」

そして僕を乗せた赤い蒸気自動車が発進した。

僕を乗せた赤い蒸気自動車がスタルビークの街中を進んで行った。

レインは町の中心部のみにビルが建ち並んでいるけど、スタルビークは町全体にビルが建ち並んでいるようだった。

しばらく走るとスタルビークの市街地を抜けて急に建物が減ってきた。

どうやらエルスタ盆地の端まで来たようだ。

エルスタ盆地を囲む山々が大きくそびえ立っていた。

その後僕を乗せた赤い蒸気自動車は山道を進んでいった。