最強勇者の物語2

しまうま弁当

文字の大きさ
上 下
133 / 265
第4章 ホルムス共和国

格差

しおりを挟む
30代の男性三人が、テーブル席で会話を続いていた。

トレヴァーがジョセフに言った。

「魔導師様が配属されてきたんだよ!うちの部署にな!」

ジョセフがトレヴァーに答えた。

「なるほど、それで愚痴ってたわけか。」

それに続いてルークがトレヴァーに言った。

「まあ、魔導師じゃしょうがないよな。そりゃ愚痴の一つも言いたくなるよ。」

二人ともトレヴァーに同情したようだった。

トレヴァーがルークに言った。

「なんで魔導師ってあんなんなんだ?場の空気を読むとかしないのか?あいつらは!いちいち突っかかってきやがる。」

トレヴァーがヒートアップしていった。

するとジョセフがトレヴァーに言った。

「トレヴァー気持ちは良く分かるけど、もう少し声を小さくしろ。周りのお客さんに迷惑だぞ。」

トレヴァーは自分が熱くなり大声を出しているのに気づいて、周囲のお客に頭を下げた。

少しトーンを落としてトレヴァーが、ルークに再び話し始めた。

「まあ、でも一番ムカつく事ったら、魔導師の性格どうこうじゃないんだよな。」

ルークがトレヴァーに尋ねた。

「性格じゃないなら何だ?」

トレヴァーがルークに言った。

「そりゃもちろん待遇に決まってるだろう。なんで十年以上同じ会社で働いている俺より、先月入ってきたばっかりの魔導師の給料の方が高いんだよ!しかも新人として入ってきてるんだぞ!」

ルークがトレヴァーに言った。

「まあ、それは俺も思う。魔導師ってだけですごく優遇されるからな。」

トレヴァーがルークに言った。

「全くだ!なんで俺より給料の高い新人に、仕事教えなきゃならないんだよ!」

ジョセフはトレヴァーに尋ねた。

「それで、お前の上司もお前と同じ意見なのか?」

トレヴァーはジョセフに答えた。

「それが、その逆でさ。部長はうちの部署に魔導師が来たって大喜びしてるんだよ。」

ジョセフがトレヴァーに言った。

「そうなのか?」

トレヴァーがジョセフに言った。

「ああそのせいで、俺が部長から度々注意されるんだよ。新人の魔導師をいじめるんじゃないってな!」

ジョセフがトレヴァーに言った。

「それはやってられないな。」

トレヴァーがジョセフに言った。

「本当だよ、全く。」

するとルークがトレヴァーに言った。

「でもまだその魔導師は、かわいげがあっていいじゃないか。」

トレヴァーがルークに言った。

「どこがだ?」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

Boy meets girl

ひろせこ
恋愛
誰もが持っている色を、その少年も当然ながら持っていた。 にも拘らず持っていないと馬鹿にされる少年。 金と青。 この世界で崇められている光の女神の貴色。 金髪に青い瞳。 綺麗な色ほど尊ばれる世界の片隅で、 こげ茶の髪に限りなく黒に近い濃い青の瞳のその少年は、 黒にしか見えない瞳が見えないよう、 俯きひっそりと暮らしていた。 そんな少年が、ある日、1人の異質な少女と出会った。 「常世の彼方」の外伝です。 本編はこちら(完結済み)⇒https://www.alphapolis.co.jp/novel/584038573/446511345 本編未読でも…いける…はず。

王が気づいたのはあれから十年後

基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。 妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。 仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。 側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。 王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。 王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。 新たな国王の誕生だった。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

宮廷の九訳士と後宮の生華

狭間夕
キャラ文芸
宮廷の通訳士である英明(インミン)は、文字を扱う仕事をしていることから「暗号の解読」を頼まれることもある。ある日、後宮入りした若い妃に充てられてた手紙が謎の文字で書かれていたことから、これは恋文ではないかと噂になった。真相は単純で、兄が妹に充てただけの悪意のない内容だったが、これをきっかけに静月(ジンユェ)という若い妃のことを知る。通訳士と、後宮の妃。立場は違えど、後宮に生きる華として、二人は陰謀の渦に巻き込まれることになって――

もう死んでしまった私へ

ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。 幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか? 今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!! ゆるゆる設定です。

悪役令嬢にざまぁされた王子のその後

柚木崎 史乃
ファンタジー
王子アルフレッドは、婚約者である侯爵令嬢レティシアに窃盗の濡れ衣を着せ陥れようとした罪で父王から廃嫡を言い渡され、国外に追放された。 その後、炭鉱の町で鉱夫として働くアルフレッドは反省するどころかレティシアや彼女の味方をした弟への恨みを募らせていく。 そんなある日、アルフレッドは行く当てのない訳ありの少女マリエルを拾う。 マリエルを養子として迎え、共に生活するうちにアルフレッドはやがて自身の過去の過ちを猛省するようになり改心していった。 人生がいい方向に変わったように見えたが……平穏な生活は長く続かず、事態は思わぬ方向へ動き出したのだった。

仔猫殿下と、はつ江ばあさん

鯨井イルカ
ファンタジー
魔界に召喚されてしまった彼女とシマシマな彼の日常ストーリー 2022年6月9日に完結いたしました。

処理中です...