最強勇者の物語2

第４章 ホルムス共和国

魔法は使えますか？

僕は少しの間小部屋で待っていた。

そして採用担当の人が、小部屋に入ってきた。

採用担当の人は、緑色の作業着姿の年配の男性だった。

作業着には、フルディク工業という会社のロゴが入っていた。

たぶんこの会社の制服なのだろう。

僕は席から立ち上がって、採用担当の人に話しかけた。

「本日面接に伺わせて頂いた、ロベルト・ソルディと申します。宜しくお願いします。」

そして僕は採用担当の人にお辞儀をした。

すると採用担当の人は僕に言った。

「私はこのレイン工場の工場長を務めております、アドウェール・アイオンズと申します。今日の面接を担当させて頂きます。さあどうぞおかけください。」

僕はそれを聞いた後で席に座った。

僕はアイオンズさんが、座った席の向かい側に座った。

僕は仕事用カバンから、作成した履歴書をアイオンズさんに渡した。

アイオンズさんは、僕から履歴書を受け取り僕に言った。

「拝見させてもらいます。」

アイオンズさんは履歴書の内容を確認していった。

そして一通り確認が終わると、僕に話しかけた。

「ではまず仕事内容を簡単に説明させてもらいます。ここレイン工場での、蒸気自動車部品であるナットの製造部門での仕事になります。配属部署は鍛造部(たんぞうぶ)になります。」

僕はアイオンズさんに挙手をした。

アイオンズさんが僕に尋ねた。

「何かご質問ですか？」

僕はアイオンズさんに尋ねた。

「はい、すいません。その鍛造部(たんぞうぶ)というのはどういう部署なんですか？」

アイオンズさんが僕に言った。

「そうですね、簡単に言うと金属を成形する部署だと考えてもらえれば。」

僕はアイオンズさんに答えた。

「なるほど、分かりました。」

アイオンズさんが僕に尋ねた。

「ではいくつか質問させて頂きますが、宜しいですか？」

僕はアイオンズさんに言った。

「はい、大丈夫です。」

僕は面接に少し緊張しながらも、考えていた。

異世界に来た後も、やってる事はあまり元いた世界と変わらないな。

求人に応募して、履歴書を書いて面接を受ける。

面接の流れにしても、元いた世界とかなり似ている。

ここが異世界だという事を忘れてしまいそうだ。

そしてアイオンズさんが僕に尋ねた。

「ではソルディさん、魔法は使えますか？」

魔法？？、やっぱりここは異世界だ！

僕はアイオンズさんに答えた。

「申し訳ありません。魔法は使えないんです。」

アイオンズさんが僕に答えた。

「そうですか、分かりました。魔法は使えない方も多いですからね。お気になさらないでください。」

この世界の魔導師事情は詳しくは分からないけど、魔法を使える人の方が少数派のようだ。

アイオンズさんが僕に尋ねた。

「では次に今までの職歴を教えて頂けますか？」

僕はアイオンズさんに答えた。

「長い間木こりをしていました。ただ本職としてではなく、副業としてですが。」

アイオンズさんが僕に言った。

「そうですか木こりですか、全員が本職を持てる訳ではありませんからね。本職か副業かは大した問題ではありません。大事なのは何をやってきたかです。」

僕は木こりがアグトリア法国では一般的な本職という事を知り、使わせてもらう事にしたのだ。

するとアイオンズさんが僕に言った。

「それにしても木こりですか、それは珍しい職ですね。ああそういえばソルディさんは、アグトリア法国からいらっしゃったんでしたね。」

僕はアイオンズさんに答えた。

「はい、そうです。」

アイオンズさんが僕に尋ねた。

「では次はアグトリア法国から、ホルムス共和国にいらっしゃった理由を教えて頂けますか？」

この後もしばらく面接は続いた。