最強勇者の物語2

第４章 ホルムス共和国

地図

僕はロシェラ百貨店五階のリーズ書店にやって来た。

リーズ書店は五階フロア一面が本屋となっていた。

この階も明るく清潔であった。

ただ天井までの高さは、四メートルぐらいだった。

本棚と本棚の間隔が空いており通路は少し広めだった。

沢山の本棚が並べられ、本棚にはぎっしりと本が入っていた。

またお薦めの本が下に平積みされている所もあった。

五階フロアの北側に、リーズ書店のサービスカウンターが置かれていた。

僕は、リーズ書店のカウンターに向かった。

カウンターにいた店員さんに尋ねた。

「すいません、アグトリアの地図を探しているんですが？」

カウンターにいた、男性店員が答えた。

「アグトリア法国の地図で宜しいですか？」

僕は男性店員に言った。

「はい、アグトリア法国の地図です。」

男性店員はカウンターから出てきて、地図コーナーに案内してくれた。

ただアグトリア法国の詳細な地図は見当たらなかった。

僕は男性店員に尋ねた。

「あれ？アグトリア法国の詳細な地図は売ってないんですか？」

男性店員が僕に言った。

「申し訳ありません。アグトリア法国の詳細な地図は取り扱っておりません。」

僕は男性店員に尋ねた。

「あっそうなんですか？他の本屋さんなら有りますか？」

男性店員が僕に言った。

「いえ、恐らく取り扱ってないはずです。そもそもアグトリア法国の詳細な地図は出版されていませんから。」

僕は男性店員に尋ねた。

「そうなんですか？なぜ出版されていないんですか？」

男性店員が僕に言った。

「専門家では無いので断言は出来ませんが、測量ができないからじゃないでしょうか？あの国の治安状態はひどいですからね。盗賊達が国中にばっこして、誘拐事件や窃盗事件が毎日凄い数発生するらしいですからね。簡易地図で宜しければこちらにございます。」

そう言って男性店員は、簡易地図を指さした。

そうだな。まあ簡易地図があれば、アグトリアの地名ぐらい覚えられるだろう。

僕は男性店員に言った。

「それ頂けますか？」

男性店員が僕に言った。

「ありがとうございます。会計は南側のレジカウンターでお願いします。」

そう言うと男性店員は、五階フロアの南側にあるレジカウンターを指さした。

男性店員が指さした先には大きなカウンターがあった。

そこに五台の金銭登録機(レジスター)が置かれており、その一台ごとに店舗スタッフが一人配置されていた。

そしてその上の所に会計場所と表示されていた。

僕は早速レジカウンターに向かった。

レジは空いていたので、すぐに会計できた。

レジカウンターにいる、女性スタッフが僕に言った。

「800ルーンになります。」

僕は500ルーン硬貨一枚と百ルーン硬貨三枚で、合計800ルーンをレジカウンターに出した。

女性スタッフが僕に言った。

「ちょうどお預かりします。ありがとうございました。」

女性スタッフはそう言った後、簡易地図を紙袋に入れて僕に渡してくれた。

僕はそれを受け取り本屋を後にした。

そういえばこのロシェラ百貨店一階に、休憩スペースがあったな。

そこなら簡易地図を見れそうだ。

僕はそう考えてエスカレーターで一階まで降りて行った。