最強勇者の物語2

第３章 逃亡生活

国境ゲート

僕達は、カルヤーンに到着した。

カルヤーンの出入り口には、相変わらず看板が建っていた。

「ようこそカルヤーンへ。輝かしきジール大公様に栄光あれ！」

きっとジール公国の町の出入り口には、全てこれが建っているのだろう。

僕はそんな事を考えながら、町中に進んでいった。

カルヤーンは町の中心部に三階建ての建物が数十あるだけで、他は普通の家が建っていた。

カルヤーンの町の北側に、大きな倉庫が林立していた。

縦横百メートルはあり、高さも十メートルぐらいある大きな倉庫だ。

それがいくつも建ち並んでいる。

南側に民家が建ち並んでいた。

また町の中心部を通っているカルヤーン街道が、そのまま国境の壁まで続いていた。

壁をくり貫いて道の所に、国境ゲートが設置されていた。

カルヤーンの町のすぐ後ろが、国境になっており国境に沿って高い壁が続いていた。

正に国境の町であった。

僕達は、町の中心部にある騎士団の詰所に行った。

騎士団の詰所はいつかの建物に分かれており、他の町の詰所より規模が大きかった。

最も建物自体は小さく複数の建物を詰所として使っていた。

カルヤーンの中心部の通行人は、制服姿の人が多かった。

外国から来ている人達だろうか？

そう思って眺めていると、国境ゲートに向かって歩いて行った。

僕は騎士団の詰所前で、待たされている間に考えていた。

国境までは来る事が出来たけど、ここからどうするかな？

どうやって国境を越えるか？

あまり目立つ事はしない方がいいだろうし。

考えが纏まらないまま、騎士達が詰所から戻って来た。

騎士の一人が僕達に指示を出す。

「ではこれから荷下ろしを行う。小麦の麻袋を倉庫に運んでくれ。」

それから騎士の指示通りに倉庫まで行って荷下ろしを始めた。

倉庫の広さは他の倉庫と同じ縦横百メートルぐらいだったが、この倉庫少し変わっていた。

国境の壁ギリギリに、建っていたのである。

だが中に入って更に驚いた。

横幅は外観通りだったが、縦幅が百五十メートルはあった。

外観よりも中が広いなんてあり得ない。

とすれば国境の壁をくり貫いて建っているという事だ。

変な倉庫だと僕は考えた。

まあ今はそれよりも越境方法だな。

僕達は騎士の指示通りに小麦の麻袋を馬車から倉庫内に下ろしていった。

およそ一時間経過した頃、ようやく全てを運び終わった。