60 / 265
第3章 逃亡生活
内政不干渉
しおりを挟む
ようやくアグトリア法国からの使節団が到着した。
だが四ヵ国協議が、始まる前から荒れていた。
ジール大公が、ドレスタル枢機卿を言い放つ。
「枢機卿殿、そこまで余と顔を合わせるのが嫌であったか?それとも貴殿の国では約束事は、守らぬのが普通なのかな?文化として約束事を、反古にする風習でも有るのか?そうならばなんと素晴らしき風習よな!」
もちろんアグトリア法国に、そんな風習は無い。
これは、ジール大公の皮肉であった。
ドレスタル枢機卿が、再びジール大公に謝罪した。
「ジール大公様、決してそのような事はございません。この度は、ジール大公様の顔に泥を塗るような事になってしまい、誠に申し訳ございませんでした。」
ジール大公は更に遅れた原因を、ドレスタル枢機卿に尋ねた。
「それで枢機卿殿、なぜ遅刻されたのだ?まさかまたラクリファに繋がる幹線道路を、賊に占拠されたのではあるまいな?」
ドレスタル枢機卿は申し訳なさそうに、ジール大公に答えた。
「ジール大公様の仰るとおり、盗賊団がラクリファに繋がる幹線道路を占拠したので、ジール公国に向かう事が出来なかったのです。討伐がようやく完了し、ここへやって参りました。」
ジール大公は呆れて、ドレスタル枢機卿に言い放った。
「枢機卿殿!賊に幹線道路が占拠されるのは、一体これで何度目だ?しかもラクリファに繋がる幹線道路は、貴国の大動脈の一つであろう。賊に幹線道路が占拠されるなど、我が国では到底あり得ぬ!アグトリアでは一体どんな内政をやられておるのか!」
ドレスタル枢機卿は、下を向いてしまった。
するとクロエが、ジール大公に発言した。
「ジール大公様。他国の内政には干渉してはならないと四ヵ国協議で過去に決めております。他国の内政に関してとやかく言うのは、内政不干渉のルールに反するのではありませんか?」
しかしジール大公が、クロエに反論する。
「余とて、アグトリア法国の内政をとやかく言うつもりは無い。だがアグトリア法国の内政失敗のせいで、我が国にはアグトリア法国からの避難民が、大量に押し寄せておるのだ。なぜ我がジール公国がアグトリアの者達まで食べさせてやらねばならんのだ!もはやこれは外交問題だろう!」
そこへグラント大統領が、ジール大公に言った。
「ジール大公殿がお怒りになるのも分かりますが、まずはドレスタル枢機卿殿と、アグトリア法国の方々に座って頂いた方がよいと思いますな。」
そこにパストーレ伯爵も、ジール大公に進言した。
「ジール大公様、私もグラント大統領様と、同じ意見でございます。これではいつまで経っても、四ヵ国協議が始められません。」
ジール大公は少し考えて、ドレスタル枢機卿に言った。
「枢機卿殿、今後はこのような事が無いよう頼みたい!宜しいか?」
ドレスタル枢機卿はジール大公に返答した。
「はい、お約束致します。」
ドレスタル枢機卿が用意された席に着席した。
その後ろにアグトリア法国からやって来た関係者達も、着席した。
この後ようやく四ヵ国協議が始まった。
だが四ヵ国協議が、始まる前から荒れていた。
ジール大公が、ドレスタル枢機卿を言い放つ。
「枢機卿殿、そこまで余と顔を合わせるのが嫌であったか?それとも貴殿の国では約束事は、守らぬのが普通なのかな?文化として約束事を、反古にする風習でも有るのか?そうならばなんと素晴らしき風習よな!」
もちろんアグトリア法国に、そんな風習は無い。
これは、ジール大公の皮肉であった。
ドレスタル枢機卿が、再びジール大公に謝罪した。
「ジール大公様、決してそのような事はございません。この度は、ジール大公様の顔に泥を塗るような事になってしまい、誠に申し訳ございませんでした。」
ジール大公は更に遅れた原因を、ドレスタル枢機卿に尋ねた。
「それで枢機卿殿、なぜ遅刻されたのだ?まさかまたラクリファに繋がる幹線道路を、賊に占拠されたのではあるまいな?」
ドレスタル枢機卿は申し訳なさそうに、ジール大公に答えた。
「ジール大公様の仰るとおり、盗賊団がラクリファに繋がる幹線道路を占拠したので、ジール公国に向かう事が出来なかったのです。討伐がようやく完了し、ここへやって参りました。」
ジール大公は呆れて、ドレスタル枢機卿に言い放った。
「枢機卿殿!賊に幹線道路が占拠されるのは、一体これで何度目だ?しかもラクリファに繋がる幹線道路は、貴国の大動脈の一つであろう。賊に幹線道路が占拠されるなど、我が国では到底あり得ぬ!アグトリアでは一体どんな内政をやられておるのか!」
ドレスタル枢機卿は、下を向いてしまった。
するとクロエが、ジール大公に発言した。
「ジール大公様。他国の内政には干渉してはならないと四ヵ国協議で過去に決めております。他国の内政に関してとやかく言うのは、内政不干渉のルールに反するのではありませんか?」
しかしジール大公が、クロエに反論する。
「余とて、アグトリア法国の内政をとやかく言うつもりは無い。だがアグトリア法国の内政失敗のせいで、我が国にはアグトリア法国からの避難民が、大量に押し寄せておるのだ。なぜ我がジール公国がアグトリアの者達まで食べさせてやらねばならんのだ!もはやこれは外交問題だろう!」
そこへグラント大統領が、ジール大公に言った。
「ジール大公殿がお怒りになるのも分かりますが、まずはドレスタル枢機卿殿と、アグトリア法国の方々に座って頂いた方がよいと思いますな。」
そこにパストーレ伯爵も、ジール大公に進言した。
「ジール大公様、私もグラント大統領様と、同じ意見でございます。これではいつまで経っても、四ヵ国協議が始められません。」
ジール大公は少し考えて、ドレスタル枢機卿に言った。
「枢機卿殿、今後はこのような事が無いよう頼みたい!宜しいか?」
ドレスタル枢機卿はジール大公に返答した。
「はい、お約束致します。」
ドレスタル枢機卿が用意された席に着席した。
その後ろにアグトリア法国からやって来た関係者達も、着席した。
この後ようやく四ヵ国協議が始まった。
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
転生王女は異世界でも美味しい生活がしたい!~モブですがヒロインを排除します~
ちゃんこ
ファンタジー
乙女ゲームの世界に転生した⁉
攻略対象である3人の王子は私の兄さまたちだ。
私は……名前も出てこないモブ王女だけど、兄さまたちを誑かすヒロインが嫌いなので色々回避したいと思います。
美味しいものをモグモグしながら(重要)兄さまたちも、お国の平和も、きっちりお守り致します。守ってみせます、守りたい、守れたらいいな。え~と……ひとりじゃ何もできない! 助けてMyファミリー、私の知識を形にして~!
【1章】飯テロ/スイーツテロ・局地戦争・飢饉回避
【2章】王国発展・vs.ヒロイン
【予定】全面戦争回避、婚約破棄、陰謀?、養い子の子育て、恋愛、ざまぁ、などなど。
※〈私〉=〈わたし〉と読んで頂きたいと存じます。
※恋愛相手とはまだ出会っていません(年の差)
イラストブログ https://tenseioujo.blogspot.com/
Pinterest https://www.pinterest.jp/chankoroom/
※作中のイラストは画像生成AIで作成したものです。
ハッピーおじさん~不幸のどん底に落ちた男、幸運値が限界突破して姪っ子の配信でバズるも、気づかないままモフモフ幼女達とスローライフ~
ミポリオン
ファンタジー
ある日、関内巫光(せきうちみつる)は解雇、彼女の浮気、家の火事、交通事故という不幸の四重奏に見舞われた。
目覚めた時に下半身不随になっていると知ってさらに絶望。しばらく無気力に生活していた彼は、姪っ子の誘いでVRゲームをやることに。しかし開始直後、そのゲームに世界が侵食された。
世界のあちこちにモンスターが現れ、ゲームをやっていた人達が力に目覚める中、とある称号を得た巫光は、奇跡を連発してうっかりルールや法則を捻じ曲げ、姪っ子の配信で大バズり。
しかし、巫光は全く気がつかないまま、マイペースにスローライフを謳歌していく。
ただ、彼は理解していなかった。
共に住む仲間が、最高ランクを超える幻のモフモフ召喚獣の幼女や、誰もテイムしたことのない最高の防御力を持つぷにぷにモンスターであることを。食糧庫代わりにしている庭の穴が最強を超える裏ダンジョンであることを。
そして、自分がやっていることが何もかもおかしいということを。
【完結】あたしはあたしです
ここ
ファンタジー
フェリシアは気がついたら、道にいた。
死にかかっているところに、迎えがやってくる。なんと、迎えに来たのは公爵。
フェリシアの実の父だという。
平民以下の生活をしていたフェリシアの運命は?
スローライフ 転生したら竜騎士に?
梨香
ファンタジー
『田舎でスローライフをしたい』バカップルの死神に前世の記憶を消去ミスされて赤ちゃんとして転生したユーリは竜を見て異世界だと知る。農家の娘としての生活に不満は無かったが、両親には秘密がありそうだ。魔法が存在する世界だが、普通の農民は狼と話したりしないし、農家の女将さんは植物に働きかけない。ユーリは両親から魔力を受け継いでいた。竜のイリスと絆を結んだユーリは竜騎士を目指す。竜騎士修行や前世の知識を生かして物を売り出したり、忙しいユーリは恋には奥手。スローライフとはかけ離れた人生をおくります。
この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。
美しくも残酷な世界に花嫁(仮)として召喚されたようです~酒好きアラサーは食糧難の世界で庭を育てて煩悩のままに生活する
くみたろう
ファンタジー
いつもと変わらない日常が一変するのをただの会社員である芽依はその身をもって知った。
世界が違った、価値観が違った、常識が違った、何もかもが違った。
意味がわからなかったが悲観はしなかった。
花嫁だと言われ、その甘い香りが人外者を狂わすと言われても、芽依の周りは優しさに包まれている。
そばに居るのは巨大な蟻で、いつも優しく格好良く守ってくれる。
奴隷となった大好きな二人は本心から芽依を愛して側にいてくれる。
麗しい領主やその周りの人外者達も、話を聞いてくれる。
周りは酷く残酷な世界だけれども、芽依はたまにセクハラをして齧りつきながら穏やかに心を育み生きていく。
それはこの美しく清廉で、残酷でいておぞましい御伽噺の世界の中でも慈しみ育む人外者達や異世界の人間が芽依を育て守ってくれる。
お互いの常識や考えを擦り合わせ歩み寄り、等価交換を基盤とした世界の中で、優しさを育てて自分の居場所作りに励む。
全ては幸せな気持ちで大好きなお酒を飲む為であり、素敵な酒のつまみを開発する日々を送るためだ。
雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜
霞杏檎
ファンタジー
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」
回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。
フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」
暗黒騎士物語
根崎タケル
ファンタジー
召喚された主人公が暗黒騎士となって、勇者から魔王を守るお話です。
突然異世界に召喚されたクロキ。クロキを召喚したのは魔王モデス。そして、現在魔王の支配する国は勇者によって滅ぼされようとしていた。
凶悪な外見をした魔王モデスがクロキに頭を下げる。
「お願い助けて! 救世主殿!!」
クロキは成り行きで暗黒騎士となって魔王を助ける事になるのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる