最強勇者の物語2

しまうま弁当

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第3章 逃亡生活

舞台挨拶

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白日の間で行われていたレセプションも終盤に入った。

このレセプションは、ジール大公の挨拶で締める予定であった。

白日の間の中央の場所に数段高いステージが、用意されていた。

ステージの中央には、机が置かれており、その上には音響増幅装置が、置かれていた。

この音響増幅装置は、周辺の音を拾って、増幅させる装置であった。

パストーレ伯爵や公爵家の関係者達が、慌ただしく準備をしていた。

そして白日の間の照明が落とされ、ジール大公が壇上へと上がった。

そしてステージだけ照明が照らされた。

中央のステージに注目が集まった。

そしてジール大公はやって来た来賓達に語り始めた。

その声は音響増幅装置によって、白日の間全体に響き渡る。

「あっはっはー!この度はご多忙の中公爵家主宰のレセプションに、御出席頂き有り難うございます。今宵は沢山の方々と親睦を深められれば幸いでございます。本日の試写会に参加して頂いた方も、ここで合わせて御礼申し上げる。映画の方は楽しんで頂けましたかな?」

すると会場から声があがった。

「とっても面白かったです。」

「もう一度見たいです。」

するとジール大公の声が、再び白日の間に響き渡る。

「あっはっはー!ありがとう。あの映画は余が脚本を担当していてね。ゴルドー役で出演もしている。アホ勇者の脅威は時代と共に、忘れ去られていくのではないか?と危惧してあの映画を制作した訳だ。あの映画は大陸中で公開される予定だ。良ければ是非また見に来て欲しい。」

ジール大公の話は、舞台挨拶へと変わった。

ジール大公の話は続く。

「さて話が脱線してしまったが、本日は我が公爵家のレセプションにご足労頂いた事、再度御礼申し上げる。おなごり惜しくはあるが、終了時間がやって参りました。最後は六笑(ろくしょう)にて締めさせて頂く。」

白日の間にいたティアは、横にいたクロエに小さな声で話しかけた。

「ああ、いつものあれだね。」

クロエも、ティアに小さい声で答えた。

「はい。いつものあれです。」

ティアが、再び小さな声でクロエに言った。

「もはや外交儀礼になってるね。」

そして再びクロエとティアは中央のステージに視線を向けた。

少しの間会場は静寂に包まれた。

静寂の後でジール大公の声が響く。

「あっはっはー!」

すると今度は、出席者一同が大きな声を出す。

「あっはっはー!」

再びジール大公の声が響く。

「あっはっはー!」

今度は出席者一同が大きな声を出す。

「あっはっはー!」

もう一度ジール大公の声が響く。

「あっはっはー!」

そしてもう一度出席者一同の声が響く。

「あっはっはー!」

六笑が無事に終わり、レセプションは終了した。

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