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第3章 逃亡生活
アホ勇者討伐
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アホ勇者が草原までやって来ると、そこに隠れていた騎士達が姿を現して、アホ勇者を完全取り囲んだ。
弓で少し離れた所からアホ勇者を攻撃した。
アホ勇者が接近してきたら、その部隊は後退して他の場所にいる騎士達が弓で遠くから攻撃する。
これを繰り返してアホ勇者の体力を消耗させる為である。
アホ勇者は弓矢を遠くいかけられて、大声で怒鳴りまっくていた。
「このクズどもめ!とっと近づいてこいー!」
そこにバングル王宮の方から、黒煙があがった。
騎士の一人が心配して指揮をとっていたゴルドーに尋ねた?
「バングル王宮で何かあったのでしょうか?」
ゴルドーは落ち着いた様子で、騎士に答えた。
「いやあれは、作戦成功の合図だ。どうやらバングル王宮は無事奪還できたようだ。」
それから一時間が経過して、アホ勇者にすでに三千本近い弓矢が放たれた。
だがアホ勇者に深手を与えるには至っていなかった。
アホ勇者は未だに元気で、大声で喚きたてていた。
「このクズども!いい加減にしろ!」
残りの弓矢の数も少なくなっていた。
ゴルドーが全騎士に号令を出す。
「よし、近接戦闘の準備をせよ!これより切り込みを行う。」
弓矢による遠距離攻撃でダメージを蓄積させた後で、騎士による直接攻撃を行い決着をつけるつもりであった。
まず包囲をしている第一部隊が、アホ勇者に近づいて攻撃しある程度戦ったら後退する。
第一部隊の騎士達がアホ勇者に近づいて、剣による攻撃を始めた。
その騎士の一人が、アホ勇者に近づいて剣を振り上げる。
「アホ勇者!食らえ!」
だがアホ勇者は剣が振り下ろされるよりも速く、剣を手で弾くと、今度はその騎士の頭上にアホ勇者の大剣が振り下された。
その騎士はかわせずに直撃を食らってしまった。直撃を食らった騎士が倒れた。
アホ勇者が大声で言った。
「何つ立ってるんだ?ニャハハ!」
そこへ後ろから一人の騎士がアホ勇者の背後に周り、剣でアホ勇者を後ろから背中を刺した。
アホ勇者が大声をあげる。
「おい!痛ぇえじゃねえか!」
アホ勇者は体に刺さった剣を自分で抜くと、凄い速さで後ろを向いた。
先ほどの剣を今度は後ろから刺してきた騎士に刺し返した。
その騎士は後ろに逃れようとしたが、間に合わなかった。剣はその騎士の体を貫通した。
第一部隊の騎士達は少したじろんだ。
第一部隊の隊長が大声を出す。
「複数人で囲んで攻撃しろ!」
騎士数人でアホ勇者を囲みながら、攻撃をしかける。
だがアホ勇者は大声で叫んだ。
「どんだけいようが、お前らはクズだ!クズ!」
騎士が数人がかりで攻撃をしかけた。
アホ勇者は正面からの剣での攻撃を紙一重でかわすと、持っていた大剣を手から離して、拳で後ろにいた騎士の脇腹を殴りつけた。
その騎士はその衝撃で数メートル吹き飛ばされた。その騎士は何とか立ち上がったが、その騎士の脇腹部分の鎧は砕け、脇腹から大量の血が流れ出た。
第一部隊の隊長が大声を出した。
「一旦下がるぞ!」
そう指示が出て第一部隊は後ろに後退した。
そして第一部隊が後退した後、隣にいた第二部隊がアホ勇者に近づいて攻撃を開始した。
そしてしばらく戦い、第二部隊も被害が大きくなってきので後退を始めた。
第二部隊が後退した後に隣にいた第三部隊がアホ勇者に近づいて攻撃を開始した。そしてある程度戦ったらまた後退する。
まず一つの部隊がアホ勇者に攻撃して、しばらくしたら後退する。
そして別の部隊がアホ勇者に攻撃を始める。
これをずっと繰り返すのである。
数の有利に活かした戦術であった。
そんな時この戦場に近づいてくる者達の姿があった。
一万倍の大きな城を造るのに、駆り出されていたバングルの人々が、アホ勇者討伐作戦を聞きつけ加勢に来てくれたのだ。
「アホ勇者を今こそ倒すんだー!」
「バングル王国をアホ勇者から取り戻せ!」
その光景を見たアホ勇者を大声でわめいた。
「この偉大な勇者様が、絞り取ってやった恩を忘れやがって!」
するとアホ勇者は、バングルの人々に向かって突撃を開始した。
アホ勇者はバングル民達の所に来るとこう言った。
「百億万年の刑」
アホ勇者はそう言いながら、バングルの民の一人に大剣を振り下ろした。かわす事ができずにその場でその者は倒れた。
アホ勇者は百億万年の刑と怒鳴りながら、すごい速さで、バングルの人々を斬りつけていった。バングルの人々はあまりの速さに、対応できずに倒されていった。ほんの数分で、バングルの人々が十人以上も倒されてしまった。
この様子を見ていたゴルドーは指示を出した。
「第五部隊を突撃させろ!アホ勇者の注意をこちらに引き付けるんだ!」
直ちに第五部隊がアホ勇者に突撃を開始した。そしてゴルドーの指示通り、アホ勇者の注意を引き付ける事に成功した。
すでに討伐軍の損失も大きくなりつつあり、包囲網を維持する為の人数が厳しくなっていた。だから討伐軍にとって、バングルの人々の援軍はとても有り難たかった。
ただこの時アホ勇者がバングルの人々に突進してしまった為に、包囲網が崩れかかっていた。
だがゴルドーはすぐに各部隊の再配置を指示し、バングルの人々の部隊も含めたアホ勇者包囲網を、再度形成する事に成功した。
ゴルドーは大声で皆に叫んだ。
「バングルの方々!ご加勢感謝する!さあ我々も負けては、おれんぞ!」
周りの騎士達がオオー!と声をあげた。
それから数時間凄まじい激闘が繰り広げられた。
アホ勇者に絶え間なく激しい攻撃が加えられた。
アホ勇者の反撃も凄まじく、それで沢山の者達が倒れていった。
だが日没が近づいた頃、アホ勇者にようやく深手を与える事ができた。
さすがのアホ勇者も絶え間なく続けられた攻撃で消耗し、深手を負わされていた。
「くっ、くっそー!こんなクズどもに!!この勇者様が!!!」
動きが鈍くなってきたアホ勇者は、バングル王宮に向かって突撃を始めた。
そしてアホ勇者は包囲網を簡単に突破しバングル王宮の方角へ逃走を開始した。
騎士がゴルドーに報告した。
「大変です。アホ勇者が、我が討伐軍の包囲網を突破してバングル王宮へと向かっています。」
ゴルドーは騎士に答えた。
「構わない、予定通りだ。」
ゴルドーは尋ねた騎士に続けた。
「アホ勇者討伐で一番心配していたのは、アホ勇者に逃げられる事だった。深手を負ったアホ勇者は逃亡を図ると最初から考えていた。だから包囲網にわざと穴を作っておいたんだ。」
騎士がゴルドーに尋ねた。
「では、アホ勇者が逃げた先には?」
ゴルドーが騎士に言った。
「バングル王宮を奪取した別動隊が、何重にも待ち構えてアホ勇者を迎撃する手筈だ。深手を負ったアホ勇者では、突破は恐らく無理だ。」
ゴルドーの言った通り、バングル王宮を奪還した別動隊はバングル王宮に少しの守備隊を残し、バングル王宮へと向かうルートに布陣していた。
そしてアホ勇者が来るのを待ち構えていたのである。
バングル王宮へと向かったアホ勇者は、待ち構えていた討伐軍に激しい攻撃を加えられ、突破する事は出来なかった。
アホ勇者の最後の時が迫っていた。
「アホ勇者覚悟。」
そう言いながら、一人の騎士が斬りかかった。
アホ勇者は深手を負いながらも、斬りかかってきた騎士にすごい早さで一太刀浴びせた。
その騎士は倒されてしまった。
だがその時後ろから、アホ勇者に一人の騎士が斬りかかった。
アホ勇者はこの攻撃を受けるとついにその場に倒れ込んだ。
アホ勇者は「百億万年の」と最後に言って力尽きた。
周囲の騎士がアホ勇者を確認した。
倒した事を確認した周囲の騎士達が一斉に喜びだした。
「アホ勇者を倒したんだ!」
「やったぞー!」
この報告はゴルドーやルンパイア、そして各地へと伝えられた。
バングル王国は歓喜の渦に包まれていた。
バングルの者達は各地で大喜びしていた。
「やったー!アホ勇者が倒された!」
「これで解放されたんだ!」
「もうあのアホ勇者の事で、思い悩まなくてもいいんだ!」
こうしてアホ勇者討伐作戦は終了した。
この作戦での死者は騎士が百十人、バングルの民の死者は二百五十人に達し、合計三百六十人が戦死した。
バングルの民の方が被害が大きくなったのは、騎士と比べて装備が貧弱であった事、バングルの民が加勢した事にマジギレしたアホ勇者が、バングルの民に反撃を集中させた事が原因であった。
アホ勇者討伐軍の犠牲は決して小さいものでは無かった。
だがこれにより、バングル王国はアホ勇者から解放されたのである。
それからしばらくして、バングル王国の国王となったルンパイアがバングル王宮前で、バングル王宮の民を集めて演説を行った。
「先代のダグド国王が亡くなり、余がバングル国王となった。余では至らぬ点も、いや至らぬ点ばかりだろう。だから是非とも皆の力を貸して欲しい。お願いする。」
そう言うとルンパイア国王は頭を下げた。
それを聞いていたバングルの民達が答えた。
「もちろんです、ルンパイア国王様。」
「できるだけの事はやらせて貰います。」
するとルンパイアが、顔を上げて再び聴衆に語った。
「ただこれだけは皆に約束したい。余は決してアホ勇者のような愚行はせぬと!」
すると聴衆から拍手が起こった。
それから、バングル王国はグルエル王国との関係も良くなった事もあり、堅実な国家運営により発展していった。
バングル王国の人々は、ようやく安息を手に入れたのである。
弓で少し離れた所からアホ勇者を攻撃した。
アホ勇者が接近してきたら、その部隊は後退して他の場所にいる騎士達が弓で遠くから攻撃する。
これを繰り返してアホ勇者の体力を消耗させる為である。
アホ勇者は弓矢を遠くいかけられて、大声で怒鳴りまっくていた。
「このクズどもめ!とっと近づいてこいー!」
そこにバングル王宮の方から、黒煙があがった。
騎士の一人が心配して指揮をとっていたゴルドーに尋ねた?
「バングル王宮で何かあったのでしょうか?」
ゴルドーは落ち着いた様子で、騎士に答えた。
「いやあれは、作戦成功の合図だ。どうやらバングル王宮は無事奪還できたようだ。」
それから一時間が経過して、アホ勇者にすでに三千本近い弓矢が放たれた。
だがアホ勇者に深手を与えるには至っていなかった。
アホ勇者は未だに元気で、大声で喚きたてていた。
「このクズども!いい加減にしろ!」
残りの弓矢の数も少なくなっていた。
ゴルドーが全騎士に号令を出す。
「よし、近接戦闘の準備をせよ!これより切り込みを行う。」
弓矢による遠距離攻撃でダメージを蓄積させた後で、騎士による直接攻撃を行い決着をつけるつもりであった。
まず包囲をしている第一部隊が、アホ勇者に近づいて攻撃しある程度戦ったら後退する。
第一部隊の騎士達がアホ勇者に近づいて、剣による攻撃を始めた。
その騎士の一人が、アホ勇者に近づいて剣を振り上げる。
「アホ勇者!食らえ!」
だがアホ勇者は剣が振り下ろされるよりも速く、剣を手で弾くと、今度はその騎士の頭上にアホ勇者の大剣が振り下された。
その騎士はかわせずに直撃を食らってしまった。直撃を食らった騎士が倒れた。
アホ勇者が大声で言った。
「何つ立ってるんだ?ニャハハ!」
そこへ後ろから一人の騎士がアホ勇者の背後に周り、剣でアホ勇者を後ろから背中を刺した。
アホ勇者が大声をあげる。
「おい!痛ぇえじゃねえか!」
アホ勇者は体に刺さった剣を自分で抜くと、凄い速さで後ろを向いた。
先ほどの剣を今度は後ろから刺してきた騎士に刺し返した。
その騎士は後ろに逃れようとしたが、間に合わなかった。剣はその騎士の体を貫通した。
第一部隊の騎士達は少したじろんだ。
第一部隊の隊長が大声を出す。
「複数人で囲んで攻撃しろ!」
騎士数人でアホ勇者を囲みながら、攻撃をしかける。
だがアホ勇者は大声で叫んだ。
「どんだけいようが、お前らはクズだ!クズ!」
騎士が数人がかりで攻撃をしかけた。
アホ勇者は正面からの剣での攻撃を紙一重でかわすと、持っていた大剣を手から離して、拳で後ろにいた騎士の脇腹を殴りつけた。
その騎士はその衝撃で数メートル吹き飛ばされた。その騎士は何とか立ち上がったが、その騎士の脇腹部分の鎧は砕け、脇腹から大量の血が流れ出た。
第一部隊の隊長が大声を出した。
「一旦下がるぞ!」
そう指示が出て第一部隊は後ろに後退した。
そして第一部隊が後退した後、隣にいた第二部隊がアホ勇者に近づいて攻撃を開始した。
そしてしばらく戦い、第二部隊も被害が大きくなってきので後退を始めた。
第二部隊が後退した後に隣にいた第三部隊がアホ勇者に近づいて攻撃を開始した。そしてある程度戦ったらまた後退する。
まず一つの部隊がアホ勇者に攻撃して、しばらくしたら後退する。
そして別の部隊がアホ勇者に攻撃を始める。
これをずっと繰り返すのである。
数の有利に活かした戦術であった。
そんな時この戦場に近づいてくる者達の姿があった。
一万倍の大きな城を造るのに、駆り出されていたバングルの人々が、アホ勇者討伐作戦を聞きつけ加勢に来てくれたのだ。
「アホ勇者を今こそ倒すんだー!」
「バングル王国をアホ勇者から取り戻せ!」
その光景を見たアホ勇者を大声でわめいた。
「この偉大な勇者様が、絞り取ってやった恩を忘れやがって!」
するとアホ勇者は、バングルの人々に向かって突撃を開始した。
アホ勇者はバングル民達の所に来るとこう言った。
「百億万年の刑」
アホ勇者はそう言いながら、バングルの民の一人に大剣を振り下ろした。かわす事ができずにその場でその者は倒れた。
アホ勇者は百億万年の刑と怒鳴りながら、すごい速さで、バングルの人々を斬りつけていった。バングルの人々はあまりの速さに、対応できずに倒されていった。ほんの数分で、バングルの人々が十人以上も倒されてしまった。
この様子を見ていたゴルドーは指示を出した。
「第五部隊を突撃させろ!アホ勇者の注意をこちらに引き付けるんだ!」
直ちに第五部隊がアホ勇者に突撃を開始した。そしてゴルドーの指示通り、アホ勇者の注意を引き付ける事に成功した。
すでに討伐軍の損失も大きくなりつつあり、包囲網を維持する為の人数が厳しくなっていた。だから討伐軍にとって、バングルの人々の援軍はとても有り難たかった。
ただこの時アホ勇者がバングルの人々に突進してしまった為に、包囲網が崩れかかっていた。
だがゴルドーはすぐに各部隊の再配置を指示し、バングルの人々の部隊も含めたアホ勇者包囲網を、再度形成する事に成功した。
ゴルドーは大声で皆に叫んだ。
「バングルの方々!ご加勢感謝する!さあ我々も負けては、おれんぞ!」
周りの騎士達がオオー!と声をあげた。
それから数時間凄まじい激闘が繰り広げられた。
アホ勇者に絶え間なく激しい攻撃が加えられた。
アホ勇者の反撃も凄まじく、それで沢山の者達が倒れていった。
だが日没が近づいた頃、アホ勇者にようやく深手を与える事ができた。
さすがのアホ勇者も絶え間なく続けられた攻撃で消耗し、深手を負わされていた。
「くっ、くっそー!こんなクズどもに!!この勇者様が!!!」
動きが鈍くなってきたアホ勇者は、バングル王宮に向かって突撃を始めた。
そしてアホ勇者は包囲網を簡単に突破しバングル王宮の方角へ逃走を開始した。
騎士がゴルドーに報告した。
「大変です。アホ勇者が、我が討伐軍の包囲網を突破してバングル王宮へと向かっています。」
ゴルドーは騎士に答えた。
「構わない、予定通りだ。」
ゴルドーは尋ねた騎士に続けた。
「アホ勇者討伐で一番心配していたのは、アホ勇者に逃げられる事だった。深手を負ったアホ勇者は逃亡を図ると最初から考えていた。だから包囲網にわざと穴を作っておいたんだ。」
騎士がゴルドーに尋ねた。
「では、アホ勇者が逃げた先には?」
ゴルドーが騎士に言った。
「バングル王宮を奪取した別動隊が、何重にも待ち構えてアホ勇者を迎撃する手筈だ。深手を負ったアホ勇者では、突破は恐らく無理だ。」
ゴルドーの言った通り、バングル王宮を奪還した別動隊はバングル王宮に少しの守備隊を残し、バングル王宮へと向かうルートに布陣していた。
そしてアホ勇者が来るのを待ち構えていたのである。
バングル王宮へと向かったアホ勇者は、待ち構えていた討伐軍に激しい攻撃を加えられ、突破する事は出来なかった。
アホ勇者の最後の時が迫っていた。
「アホ勇者覚悟。」
そう言いながら、一人の騎士が斬りかかった。
アホ勇者は深手を負いながらも、斬りかかってきた騎士にすごい早さで一太刀浴びせた。
その騎士は倒されてしまった。
だがその時後ろから、アホ勇者に一人の騎士が斬りかかった。
アホ勇者はこの攻撃を受けるとついにその場に倒れ込んだ。
アホ勇者は「百億万年の」と最後に言って力尽きた。
周囲の騎士がアホ勇者を確認した。
倒した事を確認した周囲の騎士達が一斉に喜びだした。
「アホ勇者を倒したんだ!」
「やったぞー!」
この報告はゴルドーやルンパイア、そして各地へと伝えられた。
バングル王国は歓喜の渦に包まれていた。
バングルの者達は各地で大喜びしていた。
「やったー!アホ勇者が倒された!」
「これで解放されたんだ!」
「もうあのアホ勇者の事で、思い悩まなくてもいいんだ!」
こうしてアホ勇者討伐作戦は終了した。
この作戦での死者は騎士が百十人、バングルの民の死者は二百五十人に達し、合計三百六十人が戦死した。
バングルの民の方が被害が大きくなったのは、騎士と比べて装備が貧弱であった事、バングルの民が加勢した事にマジギレしたアホ勇者が、バングルの民に反撃を集中させた事が原因であった。
アホ勇者討伐軍の犠牲は決して小さいものでは無かった。
だがこれにより、バングル王国はアホ勇者から解放されたのである。
それからしばらくして、バングル王国の国王となったルンパイアがバングル王宮前で、バングル王宮の民を集めて演説を行った。
「先代のダグド国王が亡くなり、余がバングル国王となった。余では至らぬ点も、いや至らぬ点ばかりだろう。だから是非とも皆の力を貸して欲しい。お願いする。」
そう言うとルンパイア国王は頭を下げた。
それを聞いていたバングルの民達が答えた。
「もちろんです、ルンパイア国王様。」
「できるだけの事はやらせて貰います。」
するとルンパイアが、顔を上げて再び聴衆に語った。
「ただこれだけは皆に約束したい。余は決してアホ勇者のような愚行はせぬと!」
すると聴衆から拍手が起こった。
それから、バングル王国はグルエル王国との関係も良くなった事もあり、堅実な国家運営により発展していった。
バングル王国の人々は、ようやく安息を手に入れたのである。
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