最強勇者の物語2

しまうま弁当

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第3章 逃亡生活

事情聴取

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すでに空は真っ暗で夜のとばりがおりていた。

もっともマルディーヤの町は沢山の街灯によってかなり明るく照らされていたが。

オーエンと長身の男性は夜もふけたので、騎士団の兵舎の一階に場を移して事情聴取が行われていた。

騎士団の兵舎も一階の玄関ホールはとても広かった。

また壁もレンガ造りで白くピカピカだった。

玄関ホールには騎士団の紋章やジール大公らしき肖像画や、そして剣や鎧が飾られていた。

兵舎の出入口には騎士二人が見張りとして、立っていた。

その玄関ホールには、木の机とイスがいくつか置いてあり、そこで二人の聴取が行われていた。

僕とバルガスもオーエンの聴取に付き添った。

流石に騎士団の兵舎に入るのは少し勇気が必要だったが。

数時間後ようやく、オーエンの事情聴取が終わり避難村に帰る事が出来た。

僕達は避難村の玄関ホールの床に腰を下ろした。

バルガスがオーエンに話しかけた。

「全くオーエンお前は!行く先々で問題を起こさないと気が済まないのか?」

オーエンがゲンナリした顔で答える。

「バルガス兄貴、そう怒らないでくれ。もう騎士達にさんざん説教を食らったんだ。」

バルガスが続ける。

「当たり前だ!前の避難村でも問題を起こして出入禁止になっただろうが。今回だって騎士やクラークが来なかったらどうするつもりだったんだ?」

オーエンが平然とした顔で答えた。

「ただ喧嘩してただけだぜ。」

バルガスが大声を張り上げる。

「馬鹿野郎!手を出したうえに、あれだけ騒動になったんだぞ!周りの人達にどれだけ迷惑かけたか分かってんのか!独房に入れられても文句言えねえぞ!」

オーエンが申し訳なさそうに答えた。

「すまねえバルガス兄貴、ついカッとなっちまって。」

バルガスがハアーとため息をついて、答えた。

「だがオーエン、大事にならずに済んで良かった。」

オーエンが答えた。

「ああ本当にすまねえバルガス兄貴。」

そしてバルガスが僕の方を見てオーエンに言った。

「おいオーエン、クラークにも礼を言っておけ。お前の喧嘩を止めようとしてくれたんだぞ。」

オーエンは僕の方を見ると挨拶してくれた。

「すまねえな、クラーク迷惑かけちまって、俺はオーエンだ。宜しくな。」

僕はオーエンに答えた。

「いえこちらこそ宜しく。」

そう言えば、僕はオーエンに少し気になった事を聞いてみた。

「そう言えば、なんでさっき喧嘩しようとした時に、店の外でせずに、わざわざ町の西側出口を出て外まで出てったの?」

オーエンが答える。

「ああそれは西側出口はあの時間騎士が見回りでいないんだ。それであの時は西側出口に向かったのさ。」

僕は再度聞いてみた。

「いやそうじゃなくて喧嘩ならなんで路地裏でやらなかったのって事?わざわざ町の外まで出て移動しなくていいんじゃない?」

オーエンが答えてくれた。

「うん?だってそれは無理だろ。」


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