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一章
下山
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ここは九木礼町の近くの山中にある封木(ふうき)神社である。
夕暮れ時の封木(ふうき)神社の境内で少女達が話をしていた。
その少女達は晴南の同級生である麻衣子、美咲、由香の三人だった。
麻衣子はスマホを操作していた。
横にいた美咲が麻衣子のスマホを覗きながら麻衣子に尋ねた。
「携帯はどう?三緒さん出ない?」
麻衣子が美咲に言った。
「やっぱりダメだね。つながらない。圏外表示になってる。」
美咲が麻衣子に言った。
「なんでつながらないの?」
麻衣子が美咲に言った。
「さあ?なんでだろうね?」
美咲が麻衣子に言った。
「もう一度かけてみてよ?」
麻衣子が美咲に言った。
「もう何度もかけてるでしょ?」
美咲が麻衣子に言った。
「もう一回だけ、もしかしたら繋がるかもしれないじゃない?」
麻衣子が美咲に言った。
「まあ、別にいいけど。」
麻衣子は再び自分のスマホを操作した。
だが画面にはやはり圏外の表示がされていた。
通話ができるかも試したが通話もできなかった。
麻衣子が美咲に言った。
「壊れちゃったのかな?まだ買ってもらったばっかりなのに?」
美咲が麻衣子に言った。
「それじゃあ仕方ないわ、下山しましょ。」
麻衣子が驚いた様子で美咲に言った。
「ちょっと美咲?まさか今から下山する気なの??もうすぐ日没よ?下山してる途中で真っ暗になっちゃうわよ。この上社(かみやしろ)で明日の朝まで待ってた方がいいわ。」
美咲が麻衣子に言った。
「もちろん下山するつもりよ。はやく行きましょ?」
麻衣子が美咲に言った。
「いや、だから!下山しない方がいいって!」
美咲が麻衣子に言った。
「麻衣子は心配症ね?急いで下山すれば間に合うわ!だから下山しましょう?」
麻衣子が美咲に言った。
「もう午後6時過ぎてるんだよ?下山してる途中で真っ暗になるに決まってるわ!」
美咲が麻衣子に言った。
「何としても今日中に下山したいの!!お願いよ、麻衣子!!」
結局美咲に押しきられる形で下山する事になった。
麻衣子達は下山をすぐに始めたが、麻衣子の心配通りすぐに日が暮れてしまった。
そして夜のとばりに包まれた。
麻衣子達の周囲はすでに真っ暗で、進むのは難しい状況になっていた。
麻衣子がため息をしながら美咲に言った。
「だから途中で真っ暗になるって言ったでしょ?」
美咲が麻衣子に言った。
「あの時は下りれると思ったのよ!」
麻衣子が美咲に言った。
「真っ暗な中を進むのは危ないわ、やっぱり戻らない?」
美咲が麻衣子に言った。
「嫌よ!あそこには戻らないわ!」
麻衣子が美咲に言った。
「なんでよ?」
美咲が麻衣子に言った。
「早く下社(しもやしろ)戻ってマドレーヌを食べたいからよ!!」
美咲が強い口調で麻衣子に言った。
「マドレーヌよ!!マドレーヌを食べたいの!!三緒(みお)さんがベリエのマドレーヌを用意してくれるって言ってたでしょ?」
麻衣子が思い出したように美咲に言った。
「ああ、そういえばそうだったわね。」
美咲が麻衣子に言った。
「だから何としても戻りたいのよ!!」
麻衣子が少し呆れて美咲に言った。
「全く、スイーツの事となると目の色を変えるんだから。」
美咲が麻衣子に言った。
「それに晴南が私達の分を食べちゃうかもしれないでしょ?」
麻衣子が美咲に言った。
「美咲じゃないんだから、大丈夫でしょ?」
美咲が麻衣子に言った。
「何よそれ?まるで私が食いしん坊みたいな言い方じゃない?」
麻衣子が美咲に言った。
「その通りでしょ?」
美咲が麻衣子に言った。
「私は食いしん坊じゃないの!スイーツ愛好家なの!一緒にしないで?!!」
麻衣子が美咲に言った。
「どっちも似たようなもんでしょ?」
美咲が大きな声で麻衣子に言った。
「食いしん坊はいじきたなく目の前にある物を何でも食べるの。スイーツ愛好家はスイーツにたくさんの情熱を注いでいるのよ!どう??麻衣子??全然違うでしょ?」
美咲が麻衣子に続けて言った。
「いい、私は人気の洋菓子専門店のベルガやラトレのメニューや栄養成分それにどんなパテシィエさんが働いてるかまでちゃんと把握してるのよ?食いしん坊がここまでやるかしら?やらないでしょ?」
麻衣子はめんどくさくなりそうなので美咲にあわせる事にした。
「ええ、そうなのね。よく分かったわ。」
美咲が麻衣子に言った。
「だからスイーツ愛好家としては下社(しもやしろ)に戻ってマドレーヌを食べる事しか考えられないの!」
美咲が後ろにいた由香に尋ねた。
「ねえ、由香もそう思うでしょ?」
だが由香は美咲の言葉に返事を返さなかった。
「・・・・」
美咲が再び由香に尋ねた。
「ねえ、由香?」
だが由香は美咲の言葉には何も答えなかった。
「・・・・。」
美咲は再度、由香に言った。
「ねえ由香ったら!!」
だがやはり由香からの返事は無かった。
「・・・・・。」
美咲は由香に近づいて顔を見ながら言った。
「ちょっと由香!!無視しないでよ!!」
由香はずっと下を向いたまま何も言わない。
「・・・・」
由香は下を向きながら、美咲と麻衣子の話にも一切加わらずに、ここに来るまでずっと無言で歩いていた。
由香は何かに怯えているようだった。
すると由香がその場にうずくまってしまった。
美咲が大きな声で由香に言った。
「ちょっと由香!!こんな所で座り込まないでよ!!」
やはり由香からの返事はなかった。
「・・・・。」
由香はその場にへたりこんで下を見つめていた。
美咲はさらにイライラを募らせていった。
「いい加減にして由香!!早く立って!!早く山を下りるわよ!」
すると次の瞬間、由香がふいに美咲の腕を掴んだ。
そして急に顔を上げて美咲の顔を見つめた。
その瞳は恐怖に支配されており、今にも泣き出しそうだった。
何かに怯えた様子なのが美咲にもすぐに分かった。
美咲が由香に言った。
「ちょっと何?そんなに怖そうにしないで!!何か言ってよ!!」
由香が重かった口をようやく開いた。
「あっ・・・、あっ・・・」
由香が美咲に何かを喋ろうとしていた。
「あ、・・・あ・・・・あれは・・・何だったんですか?」
由香が精一杯絞り出した声だった。
夕暮れ時の封木(ふうき)神社の境内で少女達が話をしていた。
その少女達は晴南の同級生である麻衣子、美咲、由香の三人だった。
麻衣子はスマホを操作していた。
横にいた美咲が麻衣子のスマホを覗きながら麻衣子に尋ねた。
「携帯はどう?三緒さん出ない?」
麻衣子が美咲に言った。
「やっぱりダメだね。つながらない。圏外表示になってる。」
美咲が麻衣子に言った。
「なんでつながらないの?」
麻衣子が美咲に言った。
「さあ?なんでだろうね?」
美咲が麻衣子に言った。
「もう一度かけてみてよ?」
麻衣子が美咲に言った。
「もう何度もかけてるでしょ?」
美咲が麻衣子に言った。
「もう一回だけ、もしかしたら繋がるかもしれないじゃない?」
麻衣子が美咲に言った。
「まあ、別にいいけど。」
麻衣子は再び自分のスマホを操作した。
だが画面にはやはり圏外の表示がされていた。
通話ができるかも試したが通話もできなかった。
麻衣子が美咲に言った。
「壊れちゃったのかな?まだ買ってもらったばっかりなのに?」
美咲が麻衣子に言った。
「それじゃあ仕方ないわ、下山しましょ。」
麻衣子が驚いた様子で美咲に言った。
「ちょっと美咲?まさか今から下山する気なの??もうすぐ日没よ?下山してる途中で真っ暗になっちゃうわよ。この上社(かみやしろ)で明日の朝まで待ってた方がいいわ。」
美咲が麻衣子に言った。
「もちろん下山するつもりよ。はやく行きましょ?」
麻衣子が美咲に言った。
「いや、だから!下山しない方がいいって!」
美咲が麻衣子に言った。
「麻衣子は心配症ね?急いで下山すれば間に合うわ!だから下山しましょう?」
麻衣子が美咲に言った。
「もう午後6時過ぎてるんだよ?下山してる途中で真っ暗になるに決まってるわ!」
美咲が麻衣子に言った。
「何としても今日中に下山したいの!!お願いよ、麻衣子!!」
結局美咲に押しきられる形で下山する事になった。
麻衣子達は下山をすぐに始めたが、麻衣子の心配通りすぐに日が暮れてしまった。
そして夜のとばりに包まれた。
麻衣子達の周囲はすでに真っ暗で、進むのは難しい状況になっていた。
麻衣子がため息をしながら美咲に言った。
「だから途中で真っ暗になるって言ったでしょ?」
美咲が麻衣子に言った。
「あの時は下りれると思ったのよ!」
麻衣子が美咲に言った。
「真っ暗な中を進むのは危ないわ、やっぱり戻らない?」
美咲が麻衣子に言った。
「嫌よ!あそこには戻らないわ!」
麻衣子が美咲に言った。
「なんでよ?」
美咲が麻衣子に言った。
「早く下社(しもやしろ)戻ってマドレーヌを食べたいからよ!!」
美咲が強い口調で麻衣子に言った。
「マドレーヌよ!!マドレーヌを食べたいの!!三緒(みお)さんがベリエのマドレーヌを用意してくれるって言ってたでしょ?」
麻衣子が思い出したように美咲に言った。
「ああ、そういえばそうだったわね。」
美咲が麻衣子に言った。
「だから何としても戻りたいのよ!!」
麻衣子が少し呆れて美咲に言った。
「全く、スイーツの事となると目の色を変えるんだから。」
美咲が麻衣子に言った。
「それに晴南が私達の分を食べちゃうかもしれないでしょ?」
麻衣子が美咲に言った。
「美咲じゃないんだから、大丈夫でしょ?」
美咲が麻衣子に言った。
「何よそれ?まるで私が食いしん坊みたいな言い方じゃない?」
麻衣子が美咲に言った。
「その通りでしょ?」
美咲が麻衣子に言った。
「私は食いしん坊じゃないの!スイーツ愛好家なの!一緒にしないで?!!」
麻衣子が美咲に言った。
「どっちも似たようなもんでしょ?」
美咲が大きな声で麻衣子に言った。
「食いしん坊はいじきたなく目の前にある物を何でも食べるの。スイーツ愛好家はスイーツにたくさんの情熱を注いでいるのよ!どう??麻衣子??全然違うでしょ?」
美咲が麻衣子に続けて言った。
「いい、私は人気の洋菓子専門店のベルガやラトレのメニューや栄養成分それにどんなパテシィエさんが働いてるかまでちゃんと把握してるのよ?食いしん坊がここまでやるかしら?やらないでしょ?」
麻衣子はめんどくさくなりそうなので美咲にあわせる事にした。
「ええ、そうなのね。よく分かったわ。」
美咲が麻衣子に言った。
「だからスイーツ愛好家としては下社(しもやしろ)に戻ってマドレーヌを食べる事しか考えられないの!」
美咲が後ろにいた由香に尋ねた。
「ねえ、由香もそう思うでしょ?」
だが由香は美咲の言葉に返事を返さなかった。
「・・・・」
美咲が再び由香に尋ねた。
「ねえ、由香?」
だが由香は美咲の言葉には何も答えなかった。
「・・・・。」
美咲は再度、由香に言った。
「ねえ由香ったら!!」
だがやはり由香からの返事は無かった。
「・・・・・。」
美咲は由香に近づいて顔を見ながら言った。
「ちょっと由香!!無視しないでよ!!」
由香はずっと下を向いたまま何も言わない。
「・・・・」
由香は下を向きながら、美咲と麻衣子の話にも一切加わらずに、ここに来るまでずっと無言で歩いていた。
由香は何かに怯えているようだった。
すると由香がその場にうずくまってしまった。
美咲が大きな声で由香に言った。
「ちょっと由香!!こんな所で座り込まないでよ!!」
やはり由香からの返事はなかった。
「・・・・。」
由香はその場にへたりこんで下を見つめていた。
美咲はさらにイライラを募らせていった。
「いい加減にして由香!!早く立って!!早く山を下りるわよ!」
すると次の瞬間、由香がふいに美咲の腕を掴んだ。
そして急に顔を上げて美咲の顔を見つめた。
その瞳は恐怖に支配されており、今にも泣き出しそうだった。
何かに怯えた様子なのが美咲にもすぐに分かった。
美咲が由香に言った。
「ちょっと何?そんなに怖そうにしないで!!何か言ってよ!!」
由香が重かった口をようやく開いた。
「あっ・・・、あっ・・・」
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