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私だけの可哀想なコルドちゃん♥️※閲覧注意!読み飛ばしても大丈夫です。

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 ※虐待、狂愛のエグい表現があります。
 ※苦手な方はこの話を飛ばして次の話へ行ってください。飛ばしても話が繋がるようにしています。

__________

「っ、リーシュっ!?」
「あぁ、やっぱりコルドちゃんだった…ねぇ、コルドちゃん。すごく、すっごく寂しかったのよ?」

 甘ったるい切なげな声と共に、背中に痩せた身体が押し付けられる。

「あの後、ローズがコルドちゃんにキスをして、私は娼館を追い出されて…」

 熱に浮かされたような口調。

「っ!?」

 襟のボタンが外され、ほっそりした指に優しく疵痕きずあとが撫でられる。

 ぶわっと一瞬で全身が粟立ち、身体がすくむ。

「ローズが私からコルドちゃんを奪ってから、ずっとずっと…寂しかったの」

 ぐっと指に力がこもり、

「っ、はっ!?」

 熱い吐息が続ける。

「コルドちゃんみたいに、大人しくて可愛い子。全然いなくて…っ!?」

 絞める手を爪で引っ掻くと、

「っ、ハァッ…!?」

 少し力が緩み、

「あらあら、私に反抗するの?随分と悪い子になったのね?コルドちゃんはっ!」

 またぎゅっと絞まった。

「っ、っ!?」
「コルドちゃんみたいに親に殺されて捨てられた子、誰も好きにならない。とても可愛い顔をしているのに、こーんな醜い…」

 ぐっと首に爪が立てられ、ザリザリと疵痕をえぐるように強く皮膚を引っ掻く。

のこぎりで切られた汚い疵痕だけ残されて捨てられた可哀想・・・な子。コルドちゃんはね、誰にも愛されないの。養子の件だって、この疵痕を見てみ~んないやがったのよね?赤ちゃんのときに親が首を切って殺すような子だもの。誰もが嫌って当然だわ。コルドちゃんは賢いから、ちゃあんと自分でわかってるのよね?私が丁寧に教えてあげたもの。丁寧に丁寧に丁寧に。こうして遊びながら、何度も何度も何度も教えてあげたわよね?コルドちゃんを好きになってくれる人なんていない。みんな同情しているだけだって。あぁ…なんて可哀想・・・なの?可哀想可哀想可哀想可哀想可哀想可哀想可哀想可哀想可哀想可哀想可哀想可哀想可哀想可哀想可哀想」

 毒々しい言葉を紡ぐ甘ったるい声。

「こんな、可哀想・・・可哀想・・・可哀想・・・可哀想・・・なコルドちゃんに比べたら、駆け落ち相手の男に捨てられて娼館に売られた私なんて、まだ全然マシに思えるわ。あぁ、なんて可哀想・・・なの?可哀想可哀想可哀想可哀想可哀想可哀想可哀想だから、好きよ?可哀想だから、私が構ってあげる♪可哀想なコルドちゃんが大好きよ?イジメてあげる♥️可愛がってあげる♥️愛してあげる♥️親に、こんな醜くて汚い疵痕しか貰えなかったコルドちゃんを、私が愛してあげる♥️私だけよ?私だけが」

 喋る合間に、手が緩められたり、強く絞められたりを何度も何度も繰り返す。

「ロ…ズ、ねー…っ、っ…」

 明滅する視界。

「っ!?なんでローズなんかを呼ぶのよっ!!私がこんなにコルドちゃんを愛してあげてるのにっ!?ローズになんて渡さないっ!コルドちゃんは返して貰うわっ!この淫魔がっ、私からなにもかも奪ってっ!?…ふ、ふふっ…あははははっ、ハハハハハハハハハハハハっ!!!いいザマね?死ねばいいわっ!」

 苦しい。首が、息が、頭が、痛む。
 胸が…痛くて苦しい。
 そんな、の…

「ヤっ…だっ!?」
「あら?泣いてるのコルドちゃん?ローズが死ぬのがそんなに悲しい?ふふっ、可哀想・・・なコルドちゃん。ローズに懐いてたものね?同情で優しくしてもらって、嬉しかったの?でもほら、どんどん血が流れて行く。このまま冷たくなって…死ぬの♪コルドちゃんの見てる前で♥️助けられない気分はどう?コルドちゃんが、ローズを見殺しにするのよ?…きゃっ!?」

 リーシュの手に爪を立てて滅茶苦茶に暴れる。

「本当に悪い子ねっ!昔は反抗なんてしなかったクセにっ…こんなのっ!許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さないわっ!?昔のコルドちゃんはとても大人しかったのにっ…大人しくて、誰にも助けを求めない、とてもいい子だったのにっ!?あぁ…そうだ、戻してあげる♪昔のいい子だったコルドちゃんにっ♪」

 指が首に、強く強く食い込む。

「っ!……っ……、…………」
「きっと、お薬を使えばすぐにいい子に戻るわ♥️お薬代は一緒に稼ぎましょうね?大丈夫♪やり方は全部私が教えてあげるから。コルドちゃん、顔は・・とっても可愛いもの♥️その汚くて醜いきずを見せなければ、きっとすぐにい~っぱいお客さんが付いてくれるわ♪」
「……………」
「いっぱいいっぱい、徹底的に汚して、もっとも~っと可哀想・・・にして、どん底に堕として、私が一生可愛がってあ・げ・る♪大好きよ?私はね、可哀想・・・なコルドちゃんを、愛してるの♥️」

 どろどろとした甘ったるい声の、

「愛してるわ♥️」

 毒々しい、

「私だけがコルドちゃんを愛してるの♥️」

 狂って、

「好きよ?大好き。コルドちゃんが好き♥️」

 歪んだ、

可哀想・・・だから、愛してあげる♥️」

 焼けただれる程に熱い愛の言葉…が…

「私だけの可哀想♥️♥️♥️なコルドちゃん♥️大好き♥️」

 オレの意識を、黒く塗り潰す・・・
 ・・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・
 ・・・
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