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また、わたしを子供あつかい……です、か?

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「シエロ王子。少々お話を宜しいでしょうか?」
「おう、なんだ?」

 と、ネロ様を待つつもりだったのか、ドアの前に留まっていたシエロ王子へ声を掛けます。

 ここは少々人目がありますが……まあ、どうせわたしは監視されていますし、先程のネロ様の宣言も王妃殿下に筒抜けでしょうから、して変わらないでしょう。

「ネロ様は、シエロ王子と生き残る為に協定を結んだそうですが……」
「なんだ、そんなことまで話したのか」
「ええ。それで、シエロ王子には失礼な質問だと思うのですが。シエロ王子は、例えば……ご自分の命が懸かっている場合に、ネロ様を裏切ったりしますか?」

 じっと、シエロ王子の反応を見逃すまいと見詰めます。

「ん~……俺は基本、ネロとネリーを裏切るつもりは無い。一蓮托生。アイツになにかあったら、俺の方も困るからな? 但し」
「但し、なんでしょうか?」
「俺は、アイツらの身の安全を図る為なら、アイツらを騙すこともする。その言動が、ネロには裏切りだと思われることもあるだろうな」
「それは……」
「現に、そういう意味では俺は既にネロとネリーを裏切っている」
「差し支えなければ、仔細をお伺いしても?」
「ああ。アイツらを自由にしてるとなにするかわからないからな? アイツらの自由にできる時間を奪った」

 あっさりと答えるシエロ王子。

「時間を? どのようにして、でしょうか?」
「アイツらさ、王族としての教育全く受けてなかったんだよ」
「それは……少々お聞きしました」
「んで、アイツらの自由時間を奪う為に、勉強する時間をアストレイヤ様に進言して、アイツらに王族としての教育を施すことに成功した、ってとこか? 若干、アイツに『この裏切りめ!』って目で見られたぞ? ま、王族として教育を受けていないことの方がデメリットが大きいと納得したようだがな」
「それは……ネロ様とネレイシア姫様には必要なことなので、裏切りとは言えないのではありませんか?」
「やー、それは違うだろ? 本人が裏切られたと感じたら、裏切りだからな。ま、そういう意味で、俺はアイツらを裏切ることはあるだろうよ」
「そう、ですか……ネロ様とネレイシア姫様のことを慮ってくださり、感謝致します」
「別に。礼を言われる程のことじゃねぇよ。つか、さっきはお前に考え直せっつったけどさ? 考え直す気が無いってンなら……俺の方こそ、お前みたいな奴がアイツの側にいてくれると助かる」

 少し困ったようにわたしを見上げる水色の瞳。

「? どういう意味でしょうか?」
「アイツさ、すっげー頭良いだろ? 正直、あの頭には敵う気がしない」
「そうですか」

 ネロ様が天才なのは判り切っています。今更のことではないでしょうか? そのネロ様を出し抜いたという実績のあるシエロ王子も大したものだと思いますが。

「んで、アイツらは使用人達に滅茶苦茶慕われてる」
「ええ、そうですが……? なにか問題が?」
「崇拝って言っても過言じゃないくらいに、な?」

 どこか剣呑さの漂うシエロ王子の口調。

「ネロとネリーの言うことならなにも疑わず、なんでも聞くような連中ばっか側にいるような気がしてさ? それって、あんまりよくないと思ってたんだ。アイツのやろうとすることに唯々諾々と従うだけじゃなくて、それを諫められるような奴がいてくれると、正直助かる。アイツ、目的の為なら割と手段選ばないこととかあるし。その上、かなり口が上手いからな? なんだかんだ理屈ねて周囲は言い包められちまう。俺としては、無茶なことや危険なことはなるべくしてほしくないんだよ。アイツはまだ子供なんだからさ? あんな風に守ってばっかじゃなくて、アイツ自身がもっと守られてていい筈なんだよ」

 ああ、この少し悔しそうで心配そうな表情はきっと本物だ。シエロ王子は、本気でネロ様のことを案じているのですね。

「ってワケで、どこぞの王子に煙たがれて疎まれる程、諫めようとしたお前に期待してる」
「……随分と重たい期待を掛けられてしまったような気がしますが。わたしに出来得る限りは、そのご期待にお応えしたいと思います」
「それじゃあ、これからよろしくな? シュアン」

 と、差し出された小さな手を、確りと握り返しました。それはまだ柔らかいけれど、ネロ様の手とは違って少し硬い……鍛え始めの少年の手でした。

「はい」
「あ、言っとくけど。お前がアイツらに振り回されるんのは目に見えてるから。せいぜい気張れよ?」
「……はい」

 わたしがネロ様とネレイシア姫様に振り回されるのは確定ですか。

「それと……アイツらを裏切ったら、それこそ俺もお前を許さない。覚悟しとけ」

 少女と見紛う程の美貌が鋭くわたしを見据え、低く宣言しました。

「……ええ。お互いに」
「はっ、なかなか言うじゃねぇか?」

 ニヤリと笑う顔は、顔に似合わずどこか獰猛さを秘めているように見えます。これが、シエロ王子の本質なのでしょうか? 血は半分しか繋がっておらずとも、やはりネロ様のご兄弟ということでしょう。ネロ様とネレイシア姫様をお守りする為なら、そのようなお顔もされるのですね。

「ま、とりあえずアイツらのことは任せたぜ。これかもよろしく頼むわ」

 一瞬前とは打って変わって、からりと爽やかな笑顔。

 どうやら、シエロ王子もネロ様同様。一筋縄では行かない方のようです。

「やー、助かったわ。今んとこ、俺がアイツに一番仕事振られるからさ? 他に任せられる奴ができてマジよかったぜ。これから、ガンガン仕事振ってくから。そっちも対応よろしく~」
「え?」
「ん? だってお前、優秀なんだろ?」

 ニヤリと、なんだか挑発を受けたような気がします。

 えっと? わたしにネロ様をお支えし、ネロ様が無茶をしないように諫め、無茶するようなら全力で止めろ、と? 更には、通常業務としても仕事をガンガンわたしに振って行く、と?

 なぜでしょうか? クラウディオ殿下の下で仕事をしていたときより、なんだか非常に激務が待っている予感がひしひしとするのですが……?

「身体壊さないよう気ぃ付けろ」
「……善処します」

 そうお答えしたらドアが開き、

「ふふっ、いつの間にそんなに仲良くなったんですか?」

 部屋から出て来たネロ様が、握手しているわたし達へにこりと微笑んだ。

「ああ、これからガンガン仕事振ってくから覚悟しろって話してたんだ」
「そうですか。まあ、わたしもシュアンには期待していますからね。やりたいことがまだまだ山程あるので、一緒に頑張りましょうね?」
「まあ、なんだ。手加減してやれよ?」

 水色の気の毒そうな視線がわたしへ注がれています。

「ふふっ」

 あれ? なぜでしょうか? ネロ様は無邪気な笑顔を浮かべている筈なのに、悪魔の微笑みに見えるような気、が……?

「ちょっ、おいシュアンっ!?」
「キャーっ!? シュアンが倒れるっ!?」

 なんだか焦ったような高い声が重なって・・・

 ふつりと目の前が、暗く・・・?

 傾いだ身体が、誰かに支えられたような気がして――――

 ・・・・・・・・・
 ・・・・・・
 ・・・

「……過労でしょう。安静にしていれば、問題はないかと」

 低い声が聞こえ――――

「まあ、今日までのシュアンの境遇を考えると、めっちゃストレスフルな状況だったもんなぁ。むしろ、よく頑張ったな」
「そうだねぇ……精神的にもかなりキツかっただろうし、環境の変化も大きかったでしょうし。ご両親のことを聞いて、気が緩んじゃったのかな?」
「ぁ~……納得。気ぃ抜けて、一気に身体に来た感じか」

 高い子供の声が案じるように話をしている。

「さっき手ぇ握ったとき、ちょっと熱いかもって思ったんだが……これ、もしかして熱出してね?」
「ん~……どうだろ? シュアン、ちょいおでこ触るね?」

 声が掛けられると、前髪が掻き分けられてぺとりと小さな手が触れる。

「ちょっと熱いかも? もしかしたら、後でもっと熱上がる、かな?」
「う~ん……ちとプレッシャー与え過ぎたか」
「ん? わたしがいない間、シュアンになんか言ったの?」
「まあ……書類仕事ガンガン任せるからよろしく~的な?」
「ああ……それは仕方ない。わたしも期待してるし」
「……っ、ネロ、様?」

 重たい瞼を開けると、頭上で話しているのはネロ様とシエロ王子でした。

「申し訳、ござ……ませ……」

 掠れる声で謝罪すると、

「いえ、シュアンは悪くないですよ。無理をさせてしまったようで、すみません」

 謝られて居た堪れなくなる。

「そんな、こと、は……」
「シュアンががんばっているのは、よくわかっていますよ。ですが、無理をしてはいけません。身体を壊しては元も子もありませんからね?」
「それ、お前が言うかよ?」
「そう、ですよ……ネロ様……」

 茶々を入れるシエロ王子の言葉に、思わず同意してしまう。

「シエロ兄上はちょっと黙っててください。シュアンも、まずはゆっくり休んで確り治しましょうね?」
「ですがっ……」

 起き上がろうとした身体が、小さな手に押し返される。

「いい子だから、ゆっくりお休みなさい」
「また、わたしを子供あつかい……です、か?」
「ふふっ、自分の体調悪化を判らないで無茶をするのは、子供がやりがちなことですよ? ほら、シュアン。いい子だから、寝ましょうね? よしよし、いい子いい子」

 掛け直された毛布の上からぽんぽんと胸元がゆったりとしたリズム叩かれ……なんだか、子供の頃母上に看病してもらったことを思い出してしまいました。

 ネロ王子はわたしより十も年下の、男の子なのに――――

 ・・・・・・・・・
 ・・・・・・
 ・・・

❅❆❅❆❅❆❅❆❅❆❅❆❅❆❅


 茜「あらあら、蒼が体調崩しちゃったときのこと思い出すわねぇ……」(*´ー`*)

 蒼「ああ……ねーちゃん料理全くできなくて、治るまで毎日冷凍うどんやレトルト食品食わされたやつなぁ」(  ̄- ̄)

 茜「ふっ、料理ができなくてもそれ意外の家事や看病はできるわ!」( ・`д・´)

 蒼「あれで、俺が体調崩すとねーちゃんの飯がやべぇことになるから、体調崩さんとこって決意したんだよなぁ」( ̄~ ̄;)

 茜「蒼の作るごはんが懐かしいわねぇ……」(*´﹃`*)ジュルリ…

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