【完結】愛されていた。手遅れな程に・・・

婚約してから長年彼女に酷い態度を取り続けていた。

けれどある日、婚約者の魅力に気付いてから、俺は心を入れ替えた。

謝罪をし、婚約者への態度を改めると誓った。そんな俺に婚約者は怒るでもなく、

「ああ……こんな日が来るだなんてっ……」

謝罪を受け入れた後、涙を浮かべて喜んでくれた。

それからは婚約者を溺愛し、順調に交際を重ね――――

昨日、式を挙げた。

なのに・・・妻は昨夜。夫婦の寝室に来なかった。

初夜をすっぽかした妻の許へ向かうと、

「王太子殿下と寝所を共にするだなんておぞましい」

という声が聞こえた。

やはり、妻は婚約者時代のことを許してはいなかったのだと思ったが・・・

「殿下のことを愛していますわ」と言った口で、「殿下と夫婦になるのは無理です」と言う。

なぜだと問い質す俺に、彼女は笑顔で答えてとどめを刺した。

愛されていた。手遅れな程に・・・という、後悔する王太子の話。

シリアス……に見せ掛けて、後半は多分コメディー。

設定はふわっと。
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