55 / 179
ヴァンパイア編。
50.さあ、数百年振りの狩りを開始しようっ!
しおりを挟む
奴が目覚めたことは判っていた。が、その足取りは杳として知れず・・・だった。だが、とうとう奴の足取りを掴んだとの連絡が上がって来た。
緩く波打つ艶やかな黒髪に金色の瞳。白皙の美貌を持つ、妖艷な美少年の目撃情報。
そして同時に、その近辺で吸血鬼を灰も残さず燃やし尽くした業火の発生。
間違いない。奴だ。
子殺しの始祖・・・イリヤ。
奴が現れたその場所を聞いて、頭が痛くなった。
その場所は、アレクがいた場所だったからだ。
「・・・どう、思う。スティング」
「さぁて? 偶然、だと思いてぇとこだが、そんな楽観視できるような奴でもねぇだろ」
「・・・」
スティングの言葉に、強く拳を握り締める。
それは、奴がアレクを追っている・・・ということに、他ならないのだから。
意図的にか、無意識にか・・・
奴には、アレクが生きていることを徹底的に隠した。だから、意図的である可能性は低い。
低いが・・・
アレクを戻す、か?
それとも、このまま様子を見るか・・・
できれば手元に置いて、自分で守りたい。
だが、それはできない。
俺の手元に置くことは、奴とアレクの遭遇確率を高めるだけだ。それは絶対に避けたい。
アレクを、奴と遭わせて堪るか。
血に染まる月色の髪など、思い出したくもない。アレクの、呼吸と心臓が止まった瞬間など・・・
「・・・奴は、どう動くか・・・」
「なんで奴は、これまで動かなかったよ? いつもなら、もっと早い段階で動いてただろ」
スティングが言う。
それは俺も思っていたことだ。
今回の奴は、動きがいつもと違う。
アレクの後を追っているのか、違うのか・・・
「・・・アレクの動向は?」
「アルは今、聖女がいた街から動いてません」
レオンハルトが答えた。
「なぜ、動かない?」
一週間程前に、あの街へ入ったというが・・・
あの街は、アレクの母親…リュースと俺が出逢った…というか、リュースを拐った場所。
アマンダという聖女として、リュースが軟禁され、人間の権力者共に酷使されていた地。
アレクにとっても、面白い場所ではないだろう。
「そう言うなって。船の進路を決めンな、船の連中だろ。アルが口出しはできねぇんじゃねぇか?」
「だとしても、自分で移動はできる筈だ」
「俺に言うな。あ、そう言や、アルから消してほしい奴がいるって連絡来てたぜ?」
「? ・・・奴、ではないよな?」
判ってはいるが、確認する。
「応。全く別の奴だな。エレイスの抹殺リストの上位に入れてくれってよ」
「どんな奴だ?」
「名乗っている名前はトール。自称ギャンブラー。特徴、ストレートの紫がかった漆黒の髪。昏い蘇芳の瞳。垂れ目気味で、右目の下に泣き黒子。褐色の肌。ジプシー系。百八十以上の長身の男。花街の受けはかなり良い。度を越した女好き。人間ではない。種族不明。今すぐ抹殺リスト上位に望む。迅速な抹殺を希望する。アレクシア・・・以上です」
レオンハルトが手紙を読み上げる。
「・・・なんだ? それは」
「だから、俺に訊くなよ? ローレル」
「というか、アレクシア…と書かれていることが問題では? いつもの手紙はアル、ですから」
レオンハルトの指摘。
「アルがそう言って来たのは初めてだな? 愚息」
「ああ、問題になりそうな連中は、そもそもアルには近付けなかったからな」
アレク自身が、アレクシアと名乗ることはほぼ無い。ということは、それに相当する事態ということだろう。抹殺を望む、か・・・
アレクとアダマスとの関係に関して、なんらかの情報が漏れた…と、考えるべきか? だとするなら、アレクシアとの表記も頷ける。
「・・・スティング。動かせる者は?」
「アルが殺せなかった奴…となると、それなりに実力がある奴を出さねぇといけねぇンだが・・・」
アレクは弱い。それは事実だ。だが、決してアレクが無能ということではない。
アレクは弱いが、千年を生きたアンデッドの吸血鬼を、単独で狩れるだけの実力は備えている。
おそらく、装備を整えて手段を選ばなければ、傲った純血種の若いヴァンパイアを殺すことも可能だろう。
アレクは弱いからこそ、暗殺技術が高い。そういう風に、スティングが教育した。だが、地力が低い為、アレクの攻撃が通らない相手がいることも事実。暗殺技術が高くとも、その攻撃力自体が高いワケではないのだ。
暗殺は、基本的には一撃で仕留めるものだ。その一撃を外したり、相手に防がれてしまうと弱い。
この狼達が規格外なだけだ。
「無理だな。今、俺とレオンハルトとクレアは動けねぇ。その下の連中は、奴の捜索。ンで、奴が稼働中ンときは、ヴァンパイア、吸血鬼の使い勝手のいい連中は動かせねぇ。下手に動かすと、消される。実力の無い連中も同様。奴が稼働中は、使えンな少数精鋭のみ。毎度ながら、他に手ぇ回す余裕は無ぇよ」
「やはりそうか・・・」
ヴァンパイアやアンデッドの吸血鬼は総じて能力が高い。エレイスの仕事には欠かせない人材なのだが、周知の通り、奴は子殺しの始祖。
基本的には自分の血筋のモノしか殺さないが、それも気分次第。当てにはならないだろう。
奴の活動再開に伴い、奴の血筋のモノ達には避難勧告を出している。だから、報告にあった、消された吸血鬼達は、全て奴の血筋ではない筈なのだ。
気紛れにヴァンパイアや吸血鬼の命を刈り取る奴は、ヴァンパイアの天敵とも言える存在だ。
奴の血筋ではないと言っても、殺されないとは限らない。それは気休め程度にしかならない。
今回のことが、それを証明している。
「アルには悪いが、少し我慢してもらう」
「わかった」
「・・・」
「不満そうだな? 愚息」
「いつまで、アルを待たせるんだ?」
「あ? ンなの、奴を仕留めるか、奴が活動を停止するまでに決まってンだろ。俺らの働き次第だ。寝言言ってンじゃねぇぞ? 愚息が」
「なら、さっさと仕留めてやる」
レオンハルトの緑灰色の瞳がギラリと光る。
そう簡単に仕留められたら、数千年も俺ら子孫は奴に苦しめられていない。やれやれと、苦笑するスティングと目が合った。
「装備はどうなっている?」
「ああ、ビアンカの加護を付与している」
ビアンカは、シーフェイドの母親。イフリータという炎の聖霊だ。彼女の加護を得ることで、ある程度の炎熱耐性を付与することができる。
尤も、ビアンカの加護も、あの糞爺の業火にどこまで耐えられるかは不明だが・・・
「ンじゃ、装備が整い次第、出るぞ」
「わかった」
「呉々も、無茶はしないように」
「応」
「はい」
「ま、それはそれでいいンだがよ。フェンネルの方はどうすンだ? クレアも動くぜ?」
「リリアナイトの船にでも放り込んでおくさ」
「リリアン、納得しますか?」
「フェンネルがアレクに逢いに行くのを邪魔しろとでも言っておく。そうすれば、フェンネルを船に留めておくだろう? リリアナイトは」
海上の、人魚の領域である船の中なら、さすがの奴も手出しはできない筈だ。
「では、奴の追跡を頼む」
「応。手前ぇも装備整えてろ」
「ああ。存分に、奴を追え」
「ククッ・・・」
「アルの、為に・・・」
爛々と光る深緑と緑灰色の瞳。
滾る狼を、野に放とう。
「わたしも後で合流する。そして、この手で必ず、奴を殺してやる・・・」
さあ、数百年振りの狩りを開始しようっ!
狩るか狩られるか、互いのどちらかが死ぬまで永遠に終わらぬ狩りをっ!!
獲物は、我らが始まりの真祖にして、我らに仇なす子殺しの始祖・・・イリヤだっ!!!
緩く波打つ艶やかな黒髪に金色の瞳。白皙の美貌を持つ、妖艷な美少年の目撃情報。
そして同時に、その近辺で吸血鬼を灰も残さず燃やし尽くした業火の発生。
間違いない。奴だ。
子殺しの始祖・・・イリヤ。
奴が現れたその場所を聞いて、頭が痛くなった。
その場所は、アレクがいた場所だったからだ。
「・・・どう、思う。スティング」
「さぁて? 偶然、だと思いてぇとこだが、そんな楽観視できるような奴でもねぇだろ」
「・・・」
スティングの言葉に、強く拳を握り締める。
それは、奴がアレクを追っている・・・ということに、他ならないのだから。
意図的にか、無意識にか・・・
奴には、アレクが生きていることを徹底的に隠した。だから、意図的である可能性は低い。
低いが・・・
アレクを戻す、か?
それとも、このまま様子を見るか・・・
できれば手元に置いて、自分で守りたい。
だが、それはできない。
俺の手元に置くことは、奴とアレクの遭遇確率を高めるだけだ。それは絶対に避けたい。
アレクを、奴と遭わせて堪るか。
血に染まる月色の髪など、思い出したくもない。アレクの、呼吸と心臓が止まった瞬間など・・・
「・・・奴は、どう動くか・・・」
「なんで奴は、これまで動かなかったよ? いつもなら、もっと早い段階で動いてただろ」
スティングが言う。
それは俺も思っていたことだ。
今回の奴は、動きがいつもと違う。
アレクの後を追っているのか、違うのか・・・
「・・・アレクの動向は?」
「アルは今、聖女がいた街から動いてません」
レオンハルトが答えた。
「なぜ、動かない?」
一週間程前に、あの街へ入ったというが・・・
あの街は、アレクの母親…リュースと俺が出逢った…というか、リュースを拐った場所。
アマンダという聖女として、リュースが軟禁され、人間の権力者共に酷使されていた地。
アレクにとっても、面白い場所ではないだろう。
「そう言うなって。船の進路を決めンな、船の連中だろ。アルが口出しはできねぇんじゃねぇか?」
「だとしても、自分で移動はできる筈だ」
「俺に言うな。あ、そう言や、アルから消してほしい奴がいるって連絡来てたぜ?」
「? ・・・奴、ではないよな?」
判ってはいるが、確認する。
「応。全く別の奴だな。エレイスの抹殺リストの上位に入れてくれってよ」
「どんな奴だ?」
「名乗っている名前はトール。自称ギャンブラー。特徴、ストレートの紫がかった漆黒の髪。昏い蘇芳の瞳。垂れ目気味で、右目の下に泣き黒子。褐色の肌。ジプシー系。百八十以上の長身の男。花街の受けはかなり良い。度を越した女好き。人間ではない。種族不明。今すぐ抹殺リスト上位に望む。迅速な抹殺を希望する。アレクシア・・・以上です」
レオンハルトが手紙を読み上げる。
「・・・なんだ? それは」
「だから、俺に訊くなよ? ローレル」
「というか、アレクシア…と書かれていることが問題では? いつもの手紙はアル、ですから」
レオンハルトの指摘。
「アルがそう言って来たのは初めてだな? 愚息」
「ああ、問題になりそうな連中は、そもそもアルには近付けなかったからな」
アレク自身が、アレクシアと名乗ることはほぼ無い。ということは、それに相当する事態ということだろう。抹殺を望む、か・・・
アレクとアダマスとの関係に関して、なんらかの情報が漏れた…と、考えるべきか? だとするなら、アレクシアとの表記も頷ける。
「・・・スティング。動かせる者は?」
「アルが殺せなかった奴…となると、それなりに実力がある奴を出さねぇといけねぇンだが・・・」
アレクは弱い。それは事実だ。だが、決してアレクが無能ということではない。
アレクは弱いが、千年を生きたアンデッドの吸血鬼を、単独で狩れるだけの実力は備えている。
おそらく、装備を整えて手段を選ばなければ、傲った純血種の若いヴァンパイアを殺すことも可能だろう。
アレクは弱いからこそ、暗殺技術が高い。そういう風に、スティングが教育した。だが、地力が低い為、アレクの攻撃が通らない相手がいることも事実。暗殺技術が高くとも、その攻撃力自体が高いワケではないのだ。
暗殺は、基本的には一撃で仕留めるものだ。その一撃を外したり、相手に防がれてしまうと弱い。
この狼達が規格外なだけだ。
「無理だな。今、俺とレオンハルトとクレアは動けねぇ。その下の連中は、奴の捜索。ンで、奴が稼働中ンときは、ヴァンパイア、吸血鬼の使い勝手のいい連中は動かせねぇ。下手に動かすと、消される。実力の無い連中も同様。奴が稼働中は、使えンな少数精鋭のみ。毎度ながら、他に手ぇ回す余裕は無ぇよ」
「やはりそうか・・・」
ヴァンパイアやアンデッドの吸血鬼は総じて能力が高い。エレイスの仕事には欠かせない人材なのだが、周知の通り、奴は子殺しの始祖。
基本的には自分の血筋のモノしか殺さないが、それも気分次第。当てにはならないだろう。
奴の活動再開に伴い、奴の血筋のモノ達には避難勧告を出している。だから、報告にあった、消された吸血鬼達は、全て奴の血筋ではない筈なのだ。
気紛れにヴァンパイアや吸血鬼の命を刈り取る奴は、ヴァンパイアの天敵とも言える存在だ。
奴の血筋ではないと言っても、殺されないとは限らない。それは気休め程度にしかならない。
今回のことが、それを証明している。
「アルには悪いが、少し我慢してもらう」
「わかった」
「・・・」
「不満そうだな? 愚息」
「いつまで、アルを待たせるんだ?」
「あ? ンなの、奴を仕留めるか、奴が活動を停止するまでに決まってンだろ。俺らの働き次第だ。寝言言ってンじゃねぇぞ? 愚息が」
「なら、さっさと仕留めてやる」
レオンハルトの緑灰色の瞳がギラリと光る。
そう簡単に仕留められたら、数千年も俺ら子孫は奴に苦しめられていない。やれやれと、苦笑するスティングと目が合った。
「装備はどうなっている?」
「ああ、ビアンカの加護を付与している」
ビアンカは、シーフェイドの母親。イフリータという炎の聖霊だ。彼女の加護を得ることで、ある程度の炎熱耐性を付与することができる。
尤も、ビアンカの加護も、あの糞爺の業火にどこまで耐えられるかは不明だが・・・
「ンじゃ、装備が整い次第、出るぞ」
「わかった」
「呉々も、無茶はしないように」
「応」
「はい」
「ま、それはそれでいいンだがよ。フェンネルの方はどうすンだ? クレアも動くぜ?」
「リリアナイトの船にでも放り込んでおくさ」
「リリアン、納得しますか?」
「フェンネルがアレクに逢いに行くのを邪魔しろとでも言っておく。そうすれば、フェンネルを船に留めておくだろう? リリアナイトは」
海上の、人魚の領域である船の中なら、さすがの奴も手出しはできない筈だ。
「では、奴の追跡を頼む」
「応。手前ぇも装備整えてろ」
「ああ。存分に、奴を追え」
「ククッ・・・」
「アルの、為に・・・」
爛々と光る深緑と緑灰色の瞳。
滾る狼を、野に放とう。
「わたしも後で合流する。そして、この手で必ず、奴を殺してやる・・・」
さあ、数百年振りの狩りを開始しようっ!
狩るか狩られるか、互いのどちらかが死ぬまで永遠に終わらぬ狩りをっ!!
獲物は、我らが始まりの真祖にして、我らに仇なす子殺しの始祖・・・イリヤだっ!!!
0
お気に入りに追加
212
あなたにおすすめの小説
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
【完結】白い結婚で生まれた私は王族にはなりません〜光の精霊王と予言の王女〜
白崎りか
ファンタジー
「悪女オリヴィア! 白い結婚を神官が証明した。婚姻は無効だ! 私は愛するフローラを王妃にする!」
即位したばかりの国王が、宣言した。
真実の愛で結ばれた王とその恋人は、永遠の愛を誓いあう。
だが、そこには大きな秘密があった。
王に命じられた神官は、白い結婚を偽証していた。
この時、悪女オリヴィアは娘を身ごもっていたのだ。
そして、光の精霊王の契約者となる予言の王女を産むことになる。
第一部 貴族学園編
私の名前はレティシア。
政略結婚した王と元王妃の間にできた娘なのだけど、私の存在は、生まれる前に消された。
だから、いとこの双子の姉ってことになってる。
この世界の貴族は、5歳になったら貴族学園に通わないといけない。私と弟は、そこで、契約獣を得るためのハードな訓練をしている。
私の異母弟にも会った。彼は私に、「目玉をよこせ」なんて言う、わがままな王子だった。
第二部 魔法学校編
失ってしまったかけがえのない人。
復讐のために精霊王と契約する。
魔法学校で再会した貴族学園時代の同級生。
毒薬を送った犯人を捜すために、パーティに出席する。
修行を続け、勇者の遺産を手にいれる。
前半は、ほのぼのゆっくり進みます。
後半は、どろどろさくさくです。
小説家になろう様にも投稿してます。
【完結】元婚約者であって家族ではありません。もう赤の他人なんですよ?
つくも茄子
ファンタジー
私、ヘスティア・スタンリー公爵令嬢は今日長年の婚約者であったヴィラン・ヤルコポル伯爵子息と婚約解消をいたしました。理由?相手の不貞行為です。婿入りの分際で愛人を連れ込もうとしたのですから当然です。幼馴染で家族同然だった相手に裏切られてショックだというのに相手は斜め上の思考回路。は!?自分が次期公爵?何の冗談です?家から出て行かない?ここは私の家です!貴男はもう赤の他人なんです!
文句があるなら法廷で決着をつけようではありませんか!
結果は当然、公爵家の圧勝。ヤルコポル伯爵家は御家断絶で一家離散。主犯のヴィランは怪しい研究施設でモルモットとしいて短い生涯を終える……はずでした。なのに何故か薬の副作用で強靭化してしまった。化け物のような『力』を手にしたヴィランは王都を襲い私達一家もそのまま儚く……にはならなかった。
目を覚ましたら幼い自分の姿が……。
何故か十二歳に巻き戻っていたのです。
最悪な未来を回避するためにヴィランとの婚約解消を!と拳を握りしめるものの婚約は継続。仕方なくヴィランの再教育を伯爵家に依頼する事に。
そこから新たな事実が出てくるのですが……本当に婚約は解消できるのでしょうか?
他サイトにも公開中。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
【完結】「父に毒殺され母の葬儀までタイムリープしたので、親戚の集まる前で父にやり返してやった」
まほりろ
恋愛
十八歳の私は異母妹に婚約者を奪われ、父と継母に毒殺された。
気がついたら十歳まで時間が巻き戻っていて、母の葬儀の最中だった。
私に毒を飲ませた父と継母が、虫の息の私の耳元で得意げに母を毒殺した経緯を話していたことを思い出した。
母の葬儀が終われば私は屋敷に幽閉され、外部との連絡手段を失ってしまう。
父を断罪できるチャンスは今しかない。
「お父様は悪くないの!
お父様は愛する人と一緒になりたかっただけなの!
だからお父様はお母様に毒をもったの!
お願いお父様を捕まえないで!」
私は声の限りに叫んでいた。
心の奥にほんの少し芽生えた父への殺意とともに。
※他サイトにも投稿しています。
※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
※「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」
※タイトル変更しました。
旧タイトル「父に殺されタイムリープしたので『お父様は悪くないの!お父様は愛する人と一緒になりたくてお母様の食事に毒をもっただけなの!』と叫んでみた」
【完結】虐待された少女が公爵家の養女になりました
鈴宮ソラ
ファンタジー
オラルト伯爵家に生まれたレイは、水色の髪と瞳という非凡な容姿をしていた。あまりに両親に似ていないため両親は彼女を幼い頃から不気味だと虐待しつづける。
レイは考える事をやめた。辛いだけだから、苦しいだけだから。心を閉ざしてしまった。
十数年後。法官として勤めるエメリック公爵によって伯爵の罪は暴かれた。そして公爵はレイの並外れた才能を見抜き、言うのだった。
「私の娘になってください。」
と。
養女として迎えられたレイは家族のあたたかさを知り、貴族の世界で成長していく。
前題 公爵家の養子になりました~最強の氷魔法まで授かっていたようです~
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる