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クラウン・ラプソディー♪後日談。

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 ロディウスが出て行って後。

「全く・・・」

 姫は一人、深く溜息を零す。

 無駄に波風を立てるのを好む道化らしい手口。

 道化がするのは、ほんの少しの後押しだけ。アレは、自分で手を下すことはしない。

 始めは馬鹿馬鹿しい騒ぎから小さな波紋を投じ、徐々に亀裂やほころびが大きくなり、やがて連鎖的に切り崩されて行く。土台が揺らげば、どうしようもない。

 綻びが致命的なこと・・・・・・でなければ、立て直すことは可能だが・・・そうでなければ勝手に破綻し、自滅へと向かって行く。

 気付いたときには既に遅く、なぜ・・そうなって・・・・・しまったのか・・・・・・を把握できぬまま、加速度的に状況が混沌として行き、手遅れとなっている。

 ドミノ崩しのようなもの。

 破綻の芽が育たなければ・・・既に・・身の内で・・・・育って・・・いなければ・・・・・、奴の仕掛けたことは、ただの馬鹿騒ぎで終わること。

 しかし、破綻の芽は、様々な要因に拠って育て上げられ、やがて大きく花開く。

 もう、止められない。

 これより、中央の勢力図が大きく書き変わる。

 没落、または転落しそうな貴族達は、その穴埋めや補填をしようと躍起になって奔走することだろう。

 商人達は、貴族へ取り入ろうと動く。

 取り入ろうとする商人達と、取り込もうとする貴族達の化かし合い。

 空いた上のポストを狙って、野心ある中堅貴族達が這い上がって来る。

 そして、派閥争いが始まる。

 地方も無関係ではいられない。

 貴族間の、手っ取り早い同盟の方法は、家同士の結び付きを作ること。つまり、婚姻だ。
 堕ちた中央の貴族が、財力のある地方の家へとたかり、動き出す。

 没落した貴族との婚約破棄と、新しい婚約へ向けて、申し込みのラッシュ・・・考えるだけで、面倒くさい。

 道化の、「他国へ戦争は仕掛けてないよー? だ・か・ら、ボクを怒らないで♥️ ま、政争をするように仕向けはしたけどねっ☆ さあっ! このお祭騒ぎを一緒にたのしもうゼ☆」と笑う様が目に浮かび、姫は非常に腹立たしい気分になった。

「あんのうつけはまた、面倒なことばかりしてくれよって・・・!」

 道化の、なによりの性質の悪さは、事態の収拾を全く図ろうとしないことだ。

 面白おかしく騒ぎを眺め、もっとやれっ! と煽り、自滅して行く様を見るのが大好きという、非常にはた迷惑で、かなりイイ性格をしている。

「中央が安定するのに、何年掛かるのやら・・・全く」
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