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閑話 中学生の狐月湊①
しおりを挟む今日は入学式、桜の花びらが舞い、俺含む新入生達が真新しい制服を着て慣れない通学路を歩いている。
と言っても、俺はこの街事態が全く慣れていないのだけど
お察し通り、俺は今年の春からこの街に越してきた。名前は狐月 湊だ。
引っ越しの理由は両親の離婚。離婚の理由は母の浮気だとさ。
父さんは2年ほど前から海外赴任で家を留守にしていて、俺たちを驚かそうと休暇を貰って突然帰ってきたら、寝室で母さんと浮気相手がヤッてたんだと。
俺も母さんに何度襲われそうになったかな。全て逃げてきたけど、それももう終わり。母さんは浮気男とイチャラブ住んでるってTwitterに上がったのをたまたま見ちゃった。
そして、両親が別れて俺は父さんについて言ったという事。
今は父さんも海外に戻ったから俺は父さんの実家で暮らしてるんだけど……
あぁ、暗くなったな。ほら、そろそろ入学式が始まる。
「暖かい春の日差しを受けて、私達はこの木戸中学校に入学しました。……以上で新入生の言葉を終わります。」
その後もお偉いさんや上級生の長ったらしい挨拶が続き、1時間ほどかけて入学式は終わった。
その後、クラスの発表がされる。
俺は1年2組だ。因みにこの学校には5組まである。
階段を登り3階の一番奥の教室。ここがこれから1年間俺が通う教室だ。
ちらほらと生徒は集まっており、小学校の頃の友達なのか既にグループは出来ていた。
俺はそっと席に座る。一番後ろの窓側というなんとも最高な場所だ。
入学式の時に貰った部活の一覧を見ていると2人の男と2人の女がやって来た。
「なあ、お前どこの小学校?」
「俺? 俺はこの街に来たのがつい最近だからこの辺の小学校じゃないぞ?」
俺は普通に答えた。相手は納得したようで軽く頷く
「だからか、知らない顔だと思ったんだけど……名前は? 俺は|日下 康太(くさか こうた)」
「俺は|真野 隼人(まの はやと)だ。よろしくな。」
「私は|姫野 雪(ひめの ゆき)だよ! よろしくね」
「最後は私ね、私は|坂下 穂乃果(さかした ほのか)よ、よろしくね」
場に来た4人が自己紹介を済ませた。
「狐月 湊」
「湊か、よろしくな!」
康太が手を差し出して来たので俺も握り返した。
「なぁなぁ、それよりさ! 彼女とかいるの?」
康太が興味津々に聞いて来た。
「いないよ、なんで?」
すると驚いたように隼人が答える。
「え! お前知らないの? 湊既にこの学校の女子から大人気だぜ」
「そうそう、さっきも女子トイレでキャーキャー叫んでたよ。何が楽しいのかねぇ?」
雪がめんどくさそうにいう
「そうなんだ、全く知らなかったな。」
そんな会話から俺たちは仲良くなった。
それと、この4人は全員ハイスペックだ。
雪は可愛い系の美人で穂乃果は綺麗系の美人。
隼人も康太もなかなかのイケメンだ。
前にそんな事を言ったら「嫌味か?」と返された。
それから月日は経ち今は夏休み前の7月だ。
その間に俺は10回ほど告白を受けており全て断っているが、それでも諦めない子が沢山いる。だから俺は恋愛感情抜きでならなんでもするよと言っている。
その結果ほぼ毎日違う子と放課後遊ばないかと誘われるのでかなり苦労している。
さっきの4人は部活に入っていて、帰宅部は俺だけだ。だから遊びに行くことは滅多にない。だが、時々康太にはバスケ部の隼人にはサッカー部の助っ人として呼ばれる。
「ねぇねぇ! 湊くん、今日どっか行かない?」
確かこいつは……|由理(ゆり)だっけか? 最近遊んだりと関わることが多いな。
「うん、いいよ」
「やった! ねぇねぇ、なら湊の家に行きたい!」
確か今日は爺ちゃんも婆ちゃんも温泉旅行でいないからいいかな
「まぁ、いいよ。」
「じゃあ、放課後教室で待っててね!」
そう言って自分の教室に戻っていった。
すると、横から康太と隼人が来た。
「おいおい、湊くんはモテモテですねぇ!」
「湊、羨ましいぞ!」
「いや、めんどくさいだけだよ。家くらい一人で居たいのに」
「そうだったな、お前は一人の時間が好きなんだった。」
康太がいう。
「でさ、そんなモテモテな湊にお願いなんだけど、今週の土曜日バスケ部の助っ人に来てくんない?」
「また? まぁ、いいよ。俺バスケ好きだし。」
「じゃあ、このまま入部しちゃう?」
「しないよ」
「残念だな、せっかく強いのにもったいない」
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴ったのでみんな席に着く。勿論康太も隼人も。
それから授業が終わり、帰る用意をしていると由理が来た
「湊! 帰ろ!」
「うん」
二人で俺の家まで帰る。
俺の家は母さんと浮気相手からとった慰謝料でリフォームされているから、かなり綺麗で大きい。
「わぁ、ここが湊くんの家?」
「そうだよ、まぁ入って」
「お邪魔しまーす!」
玄関には綺麗に並べられた靴がある。
俺はそのまま二人で部屋に行き、キッチンからお茶を持ってきて渡す。
「ありがと、あ、これ作ってきたんだ!」
由理はそう言って鞄の中からクッキーを取り出す。
「うん、美味しそうだ。早速食べるね」
「美味しい。」
「良かったぁ」
ほっと胸を下ろした彼女は本当に安心したんだろう。
それにしても美味しいなこのクッキー。今まで何人かに貰った事はあるけど頭1つ抜いている。
それからクッキーを食べながら2時間ほど他愛もない話をしていた。
ガシャン!
「あ、湊くんごめん!」
由理がコップを倒してお茶をこぼしてしまう。それが俺の服に飛び散って冷たい。
「あらら、大丈夫だよ。」
俺はクローゼットからタオルを取り出して床と机を拭く。そして濡れた服を脱ぎ新しい服を着ようとした時由理が抱きついてきた。
「湊……///」
俺はそういう事なんだと察した。
でも、俺は肩を持って離そうとした。
「ダメ? 湊」
上目遣いで可愛い子に言われたら流石に断れない。幸いゴムはあるし……
俺は彼女をベッドに押し倒して耳元でいう。
「俺はお前と付き合えないけど本当にいいの?」
「うん、それでいい」
俺は彼女の唇に自分の唇を重ねる。
そして段々と熱く、濃くなっていく。
そして俺は中学入学3ヶ月にしておよそ13歳で童貞を卒業した。
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