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ドラゴン退治②
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そんなこんなで雪山観光を楽しんでいると、何やら不穏な風がローブを揺らした。
何かを察したようにウルは剣となり俺の手に収まる。
「あれ……思ったよりでかくね? 」
太陽の光を妨げるようにドラゴンは天を舞う。
「まさか、氷龍……」
空を見上げたシャルロットがポツリと呟く。
「何だ、知っているのか? 」
「えぇ。神に仕える十二の龍の一匹、氷龍グラシアです」
聞いた事は無いが、シャルロットの反応からしてヤバいやつってのは間違いないな。だがな……。
「シャルロット、離れていろ」
「御意に」
後ろに飛び退くシャルロット。その瞬間、ちょうどその場所に大きな氷の棘が突き刺さった。
「物騒なやつだな。もう少し優しく歓迎してくれてもいいんじゃないか? 」
俺に向かってきたその棘は、寸前で時の魔法で止めている。だが、周りの時間は経過している。なんとも不思議な魔法だが、こういう魔法だ。
だいたい魔法ってものは不思議なんだから、俺も理解はしていない。
まあ、少々不便なのがほんの一部分時を止めるだけで結構神経を使うからあんまり使いたくないってのが傷だが……。
グラシアはその光景を見て驚いているのか、雄叫びを上げる。
「何だ、偉く威勢が良いじゃないか。ご主人様を前にして態度がなっていないぞ? 」
神に仕える龍だと言うのならば、神の俺には仕えるべきであり、仕えるべき主には低頭してお出迎えするのが従者の礼儀であるはずだ。
「とりあえず、頭さげろ! 」
手を下に振り下ろすと、それに倣ってグラシアは空から落ちてくる。そして顔を地面に付けた。
「出番だぞ、ウル。これから龍を捌いていくっ! 」
一振。龍の腹が切り裂かれ、血が吹き出す。
二振り。龍の首がスパンと切れ落ち、龍の巨体が地響きを立てながらゆっくりと倒れた。
何かを察したようにウルは剣となり俺の手に収まる。
「あれ……思ったよりでかくね? 」
太陽の光を妨げるようにドラゴンは天を舞う。
「まさか、氷龍……」
空を見上げたシャルロットがポツリと呟く。
「何だ、知っているのか? 」
「えぇ。神に仕える十二の龍の一匹、氷龍グラシアです」
聞いた事は無いが、シャルロットの反応からしてヤバいやつってのは間違いないな。だがな……。
「シャルロット、離れていろ」
「御意に」
後ろに飛び退くシャルロット。その瞬間、ちょうどその場所に大きな氷の棘が突き刺さった。
「物騒なやつだな。もう少し優しく歓迎してくれてもいいんじゃないか? 」
俺に向かってきたその棘は、寸前で時の魔法で止めている。だが、周りの時間は経過している。なんとも不思議な魔法だが、こういう魔法だ。
だいたい魔法ってものは不思議なんだから、俺も理解はしていない。
まあ、少々不便なのがほんの一部分時を止めるだけで結構神経を使うからあんまり使いたくないってのが傷だが……。
グラシアはその光景を見て驚いているのか、雄叫びを上げる。
「何だ、偉く威勢が良いじゃないか。ご主人様を前にして態度がなっていないぞ? 」
神に仕える龍だと言うのならば、神の俺には仕えるべきであり、仕えるべき主には低頭してお出迎えするのが従者の礼儀であるはずだ。
「とりあえず、頭さげろ! 」
手を下に振り下ろすと、それに倣ってグラシアは空から落ちてくる。そして顔を地面に付けた。
「出番だぞ、ウル。これから龍を捌いていくっ! 」
一振。龍の腹が切り裂かれ、血が吹き出す。
二振り。龍の首がスパンと切れ落ち、龍の巨体が地響きを立てながらゆっくりと倒れた。
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