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ギルドへ

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 依頼のため冒険者達が集まる朝を避け、冒険者ギルドに人が集まらない昼頃に俺達2人はギルドへと向かった。

「なあシャルロット、今回の報酬で新しい武器を買おうと思ってるんだけど、どうかな?」
「あ、主様は、妾では不足だと申すのですか? 」

 少しだけ目に涙をうかべ、俺の服の裾を掴みながらシャルロットは言う。

「いや、そういう訳では無くてだな……。お前が擬人化して動くことはこれからも増えるだろう?」
「ええ。主様のお傍に立ち、主様の従者としてこれからも過ごしたいと思っております」
「なら、俺も俺で武器を持って置かなければ、俺は素手で戦うことになる」
「妾が付き従う限り、主様が直接手を下すということは殆どありませんよ? 」
「だが、今回のように分担作業の時にはどうしても必要になるだろ? 」
「でしたら、2つとも妾がやればいいだけの事ではありませんか! 」

 それほどまでにも俺が別の得物を使う事が嫌なのか。だが、そうは言っても俺も武器を持たないわけには行かない。

「だが、万が一と言う時もあるだろ?」
「主様は、妾だけではご不満なのですか? 」
「そういう訳じゃない。シャルロット、しつこいぞ」
「うぅっ……。でしたら、とてつもなく不服ではありますが、仕方ありません。本当は嫌ですが、承諾致しましょう」

 物凄く不服そうな表情で、渋々とシャルロットは折れてくれた。

「ありがとうシャルロット。礼と言ってはなんだが、帰りに好きな物を買ってやる」
「ほ、本当でございますか! えへへ、嬉しいです」

 少し気分が良くなったのか、鼻歌を響かせながらギルドへの道のりを進んだ。
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