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教室

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「リャオです、失礼します」

部屋に入ってきたのは、白色のローブを纏った髪の長い女性。恐らく、この学園の教師だろう。

「リャオくん、よく来てくれた。紹介しよう、彼は例の依頼を受けてくれた者だ」
「どうも、ソウです」
「シャルロットと申します」

学園長の紹介にあわせ、俺とシャルロットは頭を下げる。

「私は、この学園で魔法を教えているリャオよ。それと、貴方の担任にを請け負うことになっているわ。よろしく」

差し出された手を握り返す。

思ったより細いな。冒険者だから、もう少しがっちりしていると思っていたのだが。

「じゃあ、一度寮に帰って着替えてから教室に来て貰おうかな」

場所はここ。
そう言って、学園内の地図を渡される。

やっぱりこの学園は広いな、校舎が5つに寮が2棟か。

「君達は、第1棟の3外の16号室と17号室ね。鍵は寮にあるから受付でもらってちょうだい」
「分かりました」


着替えを済ませ、地図の通りに教室へと向かう。
思ったより丁寧に書かれていた地図は、迷うこと無く俺達を教室へと届けてくれた。

教室の前には、リャオ先生が待機している。

「先生、お待たせしました」
「あぁ、早かったな」
「急ぎましたから」
「そうか、じゃあ早速教室に入ろうか。転校生が来ることは伝えてある、自己紹介だけしてくれればいい」
「分かりました」

リャオ先生が扉を開く。

やべ、今になって緊張してきた。
というか、護衛の身で虐められでもしたらどうしよう。

「主様、行きましょう」

教室の前で立ちつくしていた俺に、シャルロットが後ろから声をかける。

そうだ、俺はもう1人じゃない。
善意で優しくしてくれる偽物ではなくて、俺の事を主と慕ってくれる者がいる。

そんな主が、こんな不甲斐ない人間でどうするか。

「そうだな、行こうか」

俺は、1歩を踏み出した。
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