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偽りのステータス
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「では、次はどなたが? 」
「じゃあ、俺が行こう」
村見勇士は手を挙げて名乗り出る。
彼は、既に診断の終わった生徒達と話していた為、列に入れずに後回しになってしまったようだ。
「では、こちらに」
「おう」
鑑定機に手をかざすと、光を放ち皆と同じようにステータスを出現させる。
ステータス
名前 ユウシ・ハタムラ
種族人族
Lv1
HP80
MP200
攻撃80
防御40
俊敏50
知力50
魔法適性
火 水 風 光
スキル身体強化Lv2
聖剣召喚Lv1
聖具召喚Lv1
剣技Lv4
魔法防御Lv3
称号 勇者
「凄い、凄いです! まさに勇者……救世主です」
「いや、それ程でもないよ」
「いえ、それほどでございます! 」
そうだ、と思い出したかのように手を合わせて嬉しそうにして言う。
それほどにこの国は切羽詰まって居たのだろうか。
「至急、お父様に報告しなければ」
ギシィ
ずっしりとした大きな扉が、年季の入った扉が軋む音を響かせながら両端にいるたりの使用人によって開けられた。
そこには、白い髭を靡かせた中年程度の年齢の男が現れた。
「何を報告するのだ、エレスティア」
「お、お父様! どうしてここへ? 」
「いやな、待ち遠しくて来てしもうた」
「すみません。手間取って」
肩を竦め、目線を下にして目に見えて落ち込む王女に、父は気にするなと頭を撫でる。
そうすると王女はみるみると顔に笑顔がもどる。
やけに依存し過ぎではないかと、ソウは違和感を感じた。
それに、先程から疑問点が多すぎる。
俺達への対応や、ステータスを開示させる意味。それに先程の依存。
そもそも、ステータスなど容易に開示していいものなのだろうか。
平和な日本でさえ、個人情報には五月蝿い世の中だ。警備が整い、争いは禁じられている世界でだ。
それが、この世界はどうだろう。
異界から人を連れ去ってまで、争いが置き、切羽詰まっているような他国に個人情報の開示などありえない。
それに、個人情報のレベルも違いすぎる。
身体的なものから、今自分が出来ることなどの全てが晒される。
まだ何もわからないが、取り敢えず注意はしておかないとな。
俺は、診断を終えた遙日と入れ違うように診断へと向かった
「ではここに」
俺は鑑定機に手をかざす。
今までと同じように露顕する。ふと、目線を上にあげて確認すると、しっかりと偽りのステータスが表記されていることに胸を撫で下ろす。
どうやら、正常にスキルが発動しているようだな。
「勇者様と比べれば劣りますが……バランスがあって良いものですよ」
「あ、あぁそうか」
俺は皆がいる場所……ではなく、人があまりいない隅の方に行く。
下手に人の多いところより、人がいない方が楽でいいと学校で再三思い知らされたからだ。
「ねぇ、ソウ君はどうだった? ステータス」
友達と話していたのだろう、俺のステータスを見ていなかった遙日は訊ねてきた。
「あぁ、普通だよ普通。それよりさ、あっちに行けよ」
「え? 」
俺が指さすほうを遙日が確認する。
そこには、村見含む所謂''クラスで目立ってる軍団''がこちらを見ていた。
彼らに関わるのは面倒だ。
遙日が居なければ俺に話しかけてくることは無いだろうと、遙日を彼らの元へ送り出す。
「ほら、行ってこい」
「で……でも」
「俺は1人でいいから」
そ言って背中を押すと、数度振り返りながらも彼らの元へ向かった。
それからなんの説明もなく、俺達は個人部屋に案内され、一夜を過ごした。
「じゃあ、俺が行こう」
村見勇士は手を挙げて名乗り出る。
彼は、既に診断の終わった生徒達と話していた為、列に入れずに後回しになってしまったようだ。
「では、こちらに」
「おう」
鑑定機に手をかざすと、光を放ち皆と同じようにステータスを出現させる。
ステータス
名前 ユウシ・ハタムラ
種族人族
Lv1
HP80
MP200
攻撃80
防御40
俊敏50
知力50
魔法適性
火 水 風 光
スキル身体強化Lv2
聖剣召喚Lv1
聖具召喚Lv1
剣技Lv4
魔法防御Lv3
称号 勇者
「凄い、凄いです! まさに勇者……救世主です」
「いや、それ程でもないよ」
「いえ、それほどでございます! 」
そうだ、と思い出したかのように手を合わせて嬉しそうにして言う。
それほどにこの国は切羽詰まって居たのだろうか。
「至急、お父様に報告しなければ」
ギシィ
ずっしりとした大きな扉が、年季の入った扉が軋む音を響かせながら両端にいるたりの使用人によって開けられた。
そこには、白い髭を靡かせた中年程度の年齢の男が現れた。
「何を報告するのだ、エレスティア」
「お、お父様! どうしてここへ? 」
「いやな、待ち遠しくて来てしもうた」
「すみません。手間取って」
肩を竦め、目線を下にして目に見えて落ち込む王女に、父は気にするなと頭を撫でる。
そうすると王女はみるみると顔に笑顔がもどる。
やけに依存し過ぎではないかと、ソウは違和感を感じた。
それに、先程から疑問点が多すぎる。
俺達への対応や、ステータスを開示させる意味。それに先程の依存。
そもそも、ステータスなど容易に開示していいものなのだろうか。
平和な日本でさえ、個人情報には五月蝿い世の中だ。警備が整い、争いは禁じられている世界でだ。
それが、この世界はどうだろう。
異界から人を連れ去ってまで、争いが置き、切羽詰まっているような他国に個人情報の開示などありえない。
それに、個人情報のレベルも違いすぎる。
身体的なものから、今自分が出来ることなどの全てが晒される。
まだ何もわからないが、取り敢えず注意はしておかないとな。
俺は、診断を終えた遙日と入れ違うように診断へと向かった
「ではここに」
俺は鑑定機に手をかざす。
今までと同じように露顕する。ふと、目線を上にあげて確認すると、しっかりと偽りのステータスが表記されていることに胸を撫で下ろす。
どうやら、正常にスキルが発動しているようだな。
「勇者様と比べれば劣りますが……バランスがあって良いものですよ」
「あ、あぁそうか」
俺は皆がいる場所……ではなく、人があまりいない隅の方に行く。
下手に人の多いところより、人がいない方が楽でいいと学校で再三思い知らされたからだ。
「ねぇ、ソウ君はどうだった? ステータス」
友達と話していたのだろう、俺のステータスを見ていなかった遙日は訊ねてきた。
「あぁ、普通だよ普通。それよりさ、あっちに行けよ」
「え? 」
俺が指さすほうを遙日が確認する。
そこには、村見含む所謂''クラスで目立ってる軍団''がこちらを見ていた。
彼らに関わるのは面倒だ。
遙日が居なければ俺に話しかけてくることは無いだろうと、遙日を彼らの元へ送り出す。
「ほら、行ってこい」
「で……でも」
「俺は1人でいいから」
そ言って背中を押すと、数度振り返りながらも彼らの元へ向かった。
それからなんの説明もなく、俺達は個人部屋に案内され、一夜を過ごした。
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