後宮一の美姫と呼ばれても、私の想い人は皇帝(あなた)じゃない

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とある役人の娘は、大変見目麗しかった。

けれど美しい娘は自分の見た目が嫌で、見た目を褒めそやす人たちは嫌いだった。

そんな彼女が好きになったのは、彼女の容姿について何も言わない人。

密かに想いを寄せ続けていたけれど、想い人に好きと伝えることができず、その内にその人は宦官となって後宮に行ってしまった。

想いを告げられなかった美しい娘は、せめてその人のそばにいたいと、皇帝の妃となって後宮に入ることを決意する。

「そなたは後宮一の美姫だな」

後宮に入ると、皇帝にそう言われた。

皇帝という人物も、結局は見た目か……どんなに見た目を褒められようとも、私が好きなのはあなたじゃない。
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