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第二章 協力してくれませんか?
第六話
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さて、あくまでもガーデニングから得た知識ではあるけれど、作物の育ちが悪い原因として考えられるのは環境の問題・土壌の問題などでしょうか。
空を見上げて、ハシャラはしばし考え込む。
最近の天候や気温は比較的安定していて、作物の育ちに悪影響を与えるような環境であるとは考えにくかった。
とすれば、土壌の問題でしょうか……。
土壌の問題を解決してくれる虫と言えば……ミミズですね。
問題解決の方向性が決まったことで、ハシャラは領民の方を向いて注意喚起をすることにした。
「これから蟲神様の加護の力を使って、虫魔物を呼び出します。危害は与えないので、どうか驚かないでくださいね」
そう告げると、不安そうな顔をする領民が多かった。
無理もない、と……そのままハシャラはミミズの魔物を呼び出すことにした。
「蟲神様の加護を受けし者よりお願い申し上げる。ミミズの魔物よ。どうか私の下まで参られよ」
手を組み合わせて、天に祈るような気持ちでそう呼びかけた。
加護の力の使い方、使役の呪文は学園で学んでいたので、スムーズに呼びかけることができていた。
しばらくその状態が続いたかと思うと、ゴゴゴ……と地響きのような揺れが、森のある方角からハシャラの方に向けて強くなりながら響き渡った。
領民は地響きから逃れるように走り出し、ハシャラから距離をとった。
残されたハシャラが目を開けて周囲を確認すると、目の前に巨大な何かが天にそびえ立つように現れた。
目も手足もなく、深みのあるピンクがかった紐状のミミズだった。
それがハシャラを見下ろすように立つ。
「姫様。お呼び出しありがとうございますだ。ミミズの魔物、ただいま参上いたし「キャーーーーーーーーーーーッ!」
少し訛り口調で話しだしたミミズの魔物を呆然と見つめていたハシャラは、震えていたかと思うと、突然大きな悲鳴を上げて倒れ込んでしまった。
あまりにも巨大な虫型の魔物を間近で見てしまったために、虫が苦手なハシャラは倒れ込んでしまったらしかった。
領民には事前に伝えていたこともあってか、驚いてはいるものの悲鳴を上げたり逃げ惑っているような者はいなかった。
ただ困惑しながら、倒れ込んだハシャラと、呼び出した主が倒れたことに困惑するミミズの魔物を眺めていた。
そんな状況で動いていたのはハシャラを抱きかかえるようにしているナラと、メイドの蟻魔物たちだけだった。
「姫様は虫が苦手でいらっしゃるので、人間の姿に化けて屋敷までお越しください。――領民の皆様。申し訳ありませんが、日を改めてまた参ります。本日はこれで失礼いたします」
メイドにそう告げられたミミズの魔物は「あい、分かっただ」と言って人間の姿に化けた。
麦わら帽子に質素な材質でできたシャツとズボン、足元は長靴と……農民のような格好になったミミズの魔物は、ナラたちに続いて屋敷へと向かった。
残された領民は、えー……と声にならない困惑の表情を浮かべていたが、気絶しているハシャラにはそれを見ることは叶わなかった。
――翌日。
ハシャラはまた自室のベッドで目覚めた。
「……はっ! ミミズ!?」
ぼんやりと目を開けたかと思うと、そう叫びながら勢いよく飛び起きた。
「ミミズ様ですか? 今は客間にお泊りいただいていますよ。お呼びしますか?」
タイミング良く部屋に入ってきたナラがそう言いながら、洗面の準備を始めていた。
戸惑いつつも「大丈夫です……」と力なく伝えて、ナラの整えてくれた洗面をありがたく使わせてもらってハシャラは身支度を整えた。
寝起き姿からいつもどおりの姿になったハシャラは、ナラと共に食堂に向かった。
「おっ、姫様。お目覚めですだか? いんやぁ、昨日は驚かせちまってすんませんだ」
食堂では先に来ていたミミズの魔物が、人間に化けた姿で待っていた。
ハシャラは最初誰だか分からずにキョトンっとしていたが、訛りのある口調からハッと気がつく。
「もしかして……ミミズの魔物さん……ですか?」
「そうですだ。どうぞミミズとお呼びください」
にこりと笑うミミズは、言われなければ普通のおじさんという風体だった。
「は、はい。ハシャラです。よろしくお願いします」
そんなやり取りをしている間に、メイドたちによって食事が運ばれてきた。
食事をしながら、ハシャラが恐る恐る話しだした。
「あ、あの……今回お呼び立てしたのは、ミミズさんに我が領地の畑の土を耕してもらいたいのです。作物の育ちが悪いと領民が悩んでいるので……」
「あぁ、それで呼ばれたんだすな。あい、分かりました。精一杯務めさせていただきますだ。ただ、そういうことなら、作物を一時的に避けておいていただけますだか?」
「はい、分かりました。早めに領民に伝え、こちらからも手漉きのメイドたちに手伝いに行ってもらえないか打診してみましょう」
ハシャラがちらっとナラの方を見やると、すぐに理解したようでこくっと頷いて食堂から出ていった。
おそらくメイドたちに周知して手伝いに行ってもらうためと、領民への知らせを効率良くやってくれることと思われた。
そんな無言のやり取りを見て、ミミズは嬉しそうに、楽しそうにニコニコと微笑んでいた。
――作物の一時避難が済んだ頃、ミミズとナラたちを伴って再び村へと訪れた。
村を訪れると、最初のときのように少しずつ人が集まってきて、領民の数が少ないこともあってあっという間にほとんどの領民が集まった。
「昨日は気絶してしまってすみませんでした。今日こそ、ミミズの魔物に協力してもらって、土壌を良くしますから」
ハシャラがまずはと昨日のことを謝罪すると、領民たちは滅相もないと恐縮しつつ口を開く。
「い、いえ。お嬢……いえ、領主様は大丈夫ですか?」
「は、はい。大丈夫です」
お嬢様ではなく、領主と呼ばれたことにじーん……と喜んでいると、ミミズが横からひょこっと顔を出した。
「では、早速ですけんど、やらせてもらいます。本来の姿に戻りますんで、姫様は目をつぶっていてください」
ミミズにそう言われて、ハシャラは慌てて目をつむり、さらに手で目元を覆って何も見えないようにした。
それを確認したミミズはぺろりと口元を舐めてから、ズズズ……と元の巨大なミミズの姿に戻った。
そして地中に潜ったかと思うとすぐに畑に現れ、それから畑を出たり潜ったり、まるで泳ぐように次々に畑を耕していった。
恐る恐る領民がミミズの耕した後の畑に近寄り、土を手にするとすっかり柔らかくふかふかになっていて驚いていた。
小さな村ということもあり、全ての畑を耕すのにそこまで時間はかからず、あっという間に全てを終えたミミズがハシャラの前まで戻ってきて、すぐに人間の姿に化けていた。
「終わりましただ。姫様。」
ミミズがそう告げると、ハシャラが恐る恐る手をどけて目を開ける。
そして畑の土がひと目見て先ほどまでと違うことに気付き、それを見て領民が嬉しそうにしていて、早速植え替えを始めているのを見てわっと驚く。
「すごいです……。ミミズさん、ありがとうございます!」
「いんやぁ、これくらいお安い御用ですだ」
ハシャラがお礼を伝えると、ミミズは変わらずニコニコと微笑んでいた。
「あの……! 領主様、ミミズさん、ありがとうございました! この土なら、きっと作物ものびのび育つことができます!」
ハシャラが目を開けたことに気がついた領民の一人が、お礼を伝えにきた。
「良かったです。これからどうか良い作物をたくさん育ててくださいね」
「はい……!」
ハシャラも嬉しくなってニコニコとそう言うと、領民は返事をしたらぺこっと勢い良く頭を下げて農作業をしている領民たちのところへと戻っていった。
他の領民たちも「ありがとうございました」「領主様、バンザイ!」と喜び、頭を下げたり腕を上げて喜んでいる人もいて、ハシャラもつられて嬉しくなって手を振った。
「あの、姫様。喜んでいるところ申し訳ないですだが、土を耕した効果も長くは続かないので作物の植え替えの前に、定期的に耕し直す必要がありますだ」
ミミズが申し訳無さそうにそう言っていて、ハシャラがハッとした。
「そ、そうですよね。どうしましょうか。定期的にお呼びしても良いですか?」
ハシャラにそう言われたミミズは、何かを考え込んでいたかと思うとニコッと微笑んで返事をする。
「……良かったら、オラも姫様の屋敷に置いてくださいませんか? そしたら定期的に畑を耕せますし、屋敷から村に通って領民たちに畑作のアドバイスもできますだ」
そう言われて、ハシャラは最初ぽかんっとしていたけれども、すぐに良い提案をされたのだと気付いて、ミミズの手を握って答える。
「ぜひ……! ぜひお願いします! 助かります!」
ミミズは急に手を握られて驚き、最初は照れくさそうにしていたけれど、すぐにニコッと笑って手を握り返した。
「じゃ、よろしくお願いしますだ」
「こちらこそ!」
こうして、領地にとって頼もしい助っ人がハシャラの仲間に加わった。
空を見上げて、ハシャラはしばし考え込む。
最近の天候や気温は比較的安定していて、作物の育ちに悪影響を与えるような環境であるとは考えにくかった。
とすれば、土壌の問題でしょうか……。
土壌の問題を解決してくれる虫と言えば……ミミズですね。
問題解決の方向性が決まったことで、ハシャラは領民の方を向いて注意喚起をすることにした。
「これから蟲神様の加護の力を使って、虫魔物を呼び出します。危害は与えないので、どうか驚かないでくださいね」
そう告げると、不安そうな顔をする領民が多かった。
無理もない、と……そのままハシャラはミミズの魔物を呼び出すことにした。
「蟲神様の加護を受けし者よりお願い申し上げる。ミミズの魔物よ。どうか私の下まで参られよ」
手を組み合わせて、天に祈るような気持ちでそう呼びかけた。
加護の力の使い方、使役の呪文は学園で学んでいたので、スムーズに呼びかけることができていた。
しばらくその状態が続いたかと思うと、ゴゴゴ……と地響きのような揺れが、森のある方角からハシャラの方に向けて強くなりながら響き渡った。
領民は地響きから逃れるように走り出し、ハシャラから距離をとった。
残されたハシャラが目を開けて周囲を確認すると、目の前に巨大な何かが天にそびえ立つように現れた。
目も手足もなく、深みのあるピンクがかった紐状のミミズだった。
それがハシャラを見下ろすように立つ。
「姫様。お呼び出しありがとうございますだ。ミミズの魔物、ただいま参上いたし「キャーーーーーーーーーーーッ!」
少し訛り口調で話しだしたミミズの魔物を呆然と見つめていたハシャラは、震えていたかと思うと、突然大きな悲鳴を上げて倒れ込んでしまった。
あまりにも巨大な虫型の魔物を間近で見てしまったために、虫が苦手なハシャラは倒れ込んでしまったらしかった。
領民には事前に伝えていたこともあってか、驚いてはいるものの悲鳴を上げたり逃げ惑っているような者はいなかった。
ただ困惑しながら、倒れ込んだハシャラと、呼び出した主が倒れたことに困惑するミミズの魔物を眺めていた。
そんな状況で動いていたのはハシャラを抱きかかえるようにしているナラと、メイドの蟻魔物たちだけだった。
「姫様は虫が苦手でいらっしゃるので、人間の姿に化けて屋敷までお越しください。――領民の皆様。申し訳ありませんが、日を改めてまた参ります。本日はこれで失礼いたします」
メイドにそう告げられたミミズの魔物は「あい、分かっただ」と言って人間の姿に化けた。
麦わら帽子に質素な材質でできたシャツとズボン、足元は長靴と……農民のような格好になったミミズの魔物は、ナラたちに続いて屋敷へと向かった。
残された領民は、えー……と声にならない困惑の表情を浮かべていたが、気絶しているハシャラにはそれを見ることは叶わなかった。
――翌日。
ハシャラはまた自室のベッドで目覚めた。
「……はっ! ミミズ!?」
ぼんやりと目を開けたかと思うと、そう叫びながら勢いよく飛び起きた。
「ミミズ様ですか? 今は客間にお泊りいただいていますよ。お呼びしますか?」
タイミング良く部屋に入ってきたナラがそう言いながら、洗面の準備を始めていた。
戸惑いつつも「大丈夫です……」と力なく伝えて、ナラの整えてくれた洗面をありがたく使わせてもらってハシャラは身支度を整えた。
寝起き姿からいつもどおりの姿になったハシャラは、ナラと共に食堂に向かった。
「おっ、姫様。お目覚めですだか? いんやぁ、昨日は驚かせちまってすんませんだ」
食堂では先に来ていたミミズの魔物が、人間に化けた姿で待っていた。
ハシャラは最初誰だか分からずにキョトンっとしていたが、訛りのある口調からハッと気がつく。
「もしかして……ミミズの魔物さん……ですか?」
「そうですだ。どうぞミミズとお呼びください」
にこりと笑うミミズは、言われなければ普通のおじさんという風体だった。
「は、はい。ハシャラです。よろしくお願いします」
そんなやり取りをしている間に、メイドたちによって食事が運ばれてきた。
食事をしながら、ハシャラが恐る恐る話しだした。
「あ、あの……今回お呼び立てしたのは、ミミズさんに我が領地の畑の土を耕してもらいたいのです。作物の育ちが悪いと領民が悩んでいるので……」
「あぁ、それで呼ばれたんだすな。あい、分かりました。精一杯務めさせていただきますだ。ただ、そういうことなら、作物を一時的に避けておいていただけますだか?」
「はい、分かりました。早めに領民に伝え、こちらからも手漉きのメイドたちに手伝いに行ってもらえないか打診してみましょう」
ハシャラがちらっとナラの方を見やると、すぐに理解したようでこくっと頷いて食堂から出ていった。
おそらくメイドたちに周知して手伝いに行ってもらうためと、領民への知らせを効率良くやってくれることと思われた。
そんな無言のやり取りを見て、ミミズは嬉しそうに、楽しそうにニコニコと微笑んでいた。
――作物の一時避難が済んだ頃、ミミズとナラたちを伴って再び村へと訪れた。
村を訪れると、最初のときのように少しずつ人が集まってきて、領民の数が少ないこともあってあっという間にほとんどの領民が集まった。
「昨日は気絶してしまってすみませんでした。今日こそ、ミミズの魔物に協力してもらって、土壌を良くしますから」
ハシャラがまずはと昨日のことを謝罪すると、領民たちは滅相もないと恐縮しつつ口を開く。
「い、いえ。お嬢……いえ、領主様は大丈夫ですか?」
「は、はい。大丈夫です」
お嬢様ではなく、領主と呼ばれたことにじーん……と喜んでいると、ミミズが横からひょこっと顔を出した。
「では、早速ですけんど、やらせてもらいます。本来の姿に戻りますんで、姫様は目をつぶっていてください」
ミミズにそう言われて、ハシャラは慌てて目をつむり、さらに手で目元を覆って何も見えないようにした。
それを確認したミミズはぺろりと口元を舐めてから、ズズズ……と元の巨大なミミズの姿に戻った。
そして地中に潜ったかと思うとすぐに畑に現れ、それから畑を出たり潜ったり、まるで泳ぐように次々に畑を耕していった。
恐る恐る領民がミミズの耕した後の畑に近寄り、土を手にするとすっかり柔らかくふかふかになっていて驚いていた。
小さな村ということもあり、全ての畑を耕すのにそこまで時間はかからず、あっという間に全てを終えたミミズがハシャラの前まで戻ってきて、すぐに人間の姿に化けていた。
「終わりましただ。姫様。」
ミミズがそう告げると、ハシャラが恐る恐る手をどけて目を開ける。
そして畑の土がひと目見て先ほどまでと違うことに気付き、それを見て領民が嬉しそうにしていて、早速植え替えを始めているのを見てわっと驚く。
「すごいです……。ミミズさん、ありがとうございます!」
「いんやぁ、これくらいお安い御用ですだ」
ハシャラがお礼を伝えると、ミミズは変わらずニコニコと微笑んでいた。
「あの……! 領主様、ミミズさん、ありがとうございました! この土なら、きっと作物ものびのび育つことができます!」
ハシャラが目を開けたことに気がついた領民の一人が、お礼を伝えにきた。
「良かったです。これからどうか良い作物をたくさん育ててくださいね」
「はい……!」
ハシャラも嬉しくなってニコニコとそう言うと、領民は返事をしたらぺこっと勢い良く頭を下げて農作業をしている領民たちのところへと戻っていった。
他の領民たちも「ありがとうございました」「領主様、バンザイ!」と喜び、頭を下げたり腕を上げて喜んでいる人もいて、ハシャラもつられて嬉しくなって手を振った。
「あの、姫様。喜んでいるところ申し訳ないですだが、土を耕した効果も長くは続かないので作物の植え替えの前に、定期的に耕し直す必要がありますだ」
ミミズが申し訳無さそうにそう言っていて、ハシャラがハッとした。
「そ、そうですよね。どうしましょうか。定期的にお呼びしても良いですか?」
ハシャラにそう言われたミミズは、何かを考え込んでいたかと思うとニコッと微笑んで返事をする。
「……良かったら、オラも姫様の屋敷に置いてくださいませんか? そしたら定期的に畑を耕せますし、屋敷から村に通って領民たちに畑作のアドバイスもできますだ」
そう言われて、ハシャラは最初ぽかんっとしていたけれども、すぐに良い提案をされたのだと気付いて、ミミズの手を握って答える。
「ぜひ……! ぜひお願いします! 助かります!」
ミミズは急に手を握られて驚き、最初は照れくさそうにしていたけれど、すぐにニコッと笑って手を握り返した。
「じゃ、よろしくお願いしますだ」
「こちらこそ!」
こうして、領地にとって頼もしい助っ人がハシャラの仲間に加わった。
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