上 下
55 / 70

第55話 神殿のアップグレード

しおりを挟む
外には犬猫獣人は勿論、栗鼠(リス)獣人、狐(キツネ)獣人、鼬(イタチ)獣人色とりどりのもふもふ・・こほん。いや獣人さん達が押しかけてきていた。兎(うさぎ)獣人の区長も来ていた。皆うら若い女の子を連れている。巫女にするつもりなのだろう。

リスのしっぽいいなーもふりてーとか俺が現実逃避気味に眺めて獣人たちを見回していると、アキンドが先頭に居て話しかけてきた。

「だんさん、おはようさんどす。商い先でエリス様のお話しとったら、皆来たい言いはりますんで連れてきましたわ。」
「おいアキンド、なんだこの数?小動物系の獣人全部連れて来たのか?」
「さいです、エリス神殿街と街道でつながった近隣の獣人はん全部でおま。」
「取りあえず代表で、そうだなそこの、栗鼠獣人に話をさせよう。」

「ははーっ、御使い様、聖女様、私めは栗鼠獣人の族長ゼロリス、この娘は孫のクラリスと申します。エリス様の巫女を務めさせて頂きたく連れてまいりました。他の獣人たちも同じでございますれば、何卒エリス神殿街の傘下に入れて頂きたく伏してお願い申し上げまする。」
「御使い様、私はクラリスと申しますリス。エリス様の巫女にならせてくださいリス。」

ぺこりとお辞儀をするお目めがくりっと大きな可愛らしい小柄な獣人の女の子だ。リス獣人なのでしっぽがとても大きい。触りたい、とてつもなく触りたい。

俺の隣にいたアリスがすっと一歩前に出て、慈愛のこもった声音で言う。

「みなさん、こちらに居られる御方こそ創造主エリス様より力を授かり地上に降臨なされたソウシ様なのです。慈悲深き御方ゆえ皆さんの望みをかなえて下さることでしょう。何も心配は要りませんよ。」

アリスを抱き寄せて俺は告げる。

「俺の望みはただ一つ、エリス様の御名を忘れないで欲しいと言う事だけだ。エリス様を悲しませないでくれ。現役の巫女がエリス様に仕えていて御名を忘れる事は無いと思うので、各種族から1名巫女を出してもらっている。」

「「「ははーっ、あり難き幸せにございまする。」」」

どうしようかな。今の神殿じゃ入りきらんなこの数。MPは・・・100万こえてる!創れるぞ。ガーネットを使いに出して神殿から一時人を全部出させエリス神殿に向かった。獣人たちもぞろぞろと付いてくる。

「ドールクリエイト!ドールハウス!大神殿!」MP1000000。

ドドドドドーーン!

旧神殿がなくなり新しいエリス神殿にアップグレードした。真っ赤で荘厳な大鳥居をくぐり、暫く進むと左手にお池と庭園、右手に神楽殿 中央を進むと中殿。奥に正殿がある立派な大神社だ。獣人たちは口をあんぐりしている、いつもの事だ気にしない気にしない。

「エルリーナをこのエリス大神殿の巫女長とする。」
「畏まりました、御使い様。」
「ダクネとマリリンは副巫女長とする。」
「畏まりーっ、御使い様っ。」
「畏まりましてございます、御使い様。」
「昨日のバニラをはじめ大勢の新人の獣人巫女を抱えて大変だろうが、3人で巫女教育頑張って進めてくれ。」
「「「はい。」」」

「それから族長や村長とか呼び方がまちまちだが、エリス神殿街は街なので全て区長と言う呼称に統一する。」
「「「ははーっ。承知いたしました。御使い様。」」」

「折角だから真新しい神殿でエリス様にお祈りして行こうか。」
「はい、ソウシ様。」

アリスが嬉しそうに腕をからめてきた。ふにふにしてて柔らかい。かわいい。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

孕ませねばならん ~イケメン執事の監禁セックス~

あさとよる
恋愛
傷モノになれば、この婚約は無くなるはずだ。 最愛のお嬢様が嫁ぐのを阻止? 過保護イケメン執事の執着H♡

マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました

東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。 攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる! そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

淫らなお姫様とイケメン騎士達のエロスな夜伽物語

瀬能なつ
恋愛
17才になった皇女サーシャは、国のしきたりに従い、6人の騎士たちを従えて、遥か彼方の霊峰へと旅立ちます。 長い道中、姫を警護する騎士たちの体力を回復する方法は、ズバリ、キスとH! 途中、魔物に襲われたり、姫の寵愛を競い合う騎士たちの様々な恋の駆け引きもあったりと、お姫様の旅はなかなか困難なのです?!

性欲排泄欲処理系メイド 〜三大欲求、全部満たします〜

mm
ファンタジー
私はメイドのさおり。今日からある男性のメイドをすることになったんだけど…業務内容は「全般のお世話」。トイレもお風呂も、性欲も!? ※スカトロ表現多数あり ※作者が描きたいことを書いてるだけなので同じような内容が続くことがあります

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

処理中です...