騎士団長の秘密

交際6ヶ月と1日 俺のですけど

「よう、シーナ。
目はもう大丈夫なのか？」

3ヶ月に一度の団長、副団長による軍部会議がやってきた。

会議が終わったところでシーナが会議室に姿を現す。
それに対しリオーネがまず先に声をかけた。

「あぁ、迷惑をかけてすまなかった。」

「いいって別に、おもしれぇもんも見れたしw」

犬のようにシーナに駆け寄るポーラールを見て、ニヤニヤとそう言う。

「それで?シーナは軍に戻るわけ??」

西軍団長 蛇獣人のネクシスが次に口を開いた。

「いや、戻らない。
東軍の団長は予定通りアルクに引き継ぐ。

今日は迷惑をかけた詫びと最後の挨拶に来たんだ。」

シーナはそういうと手に持っていたバスケットから可愛く個包装された菓子を次々と机に並べていく。

「大したものではないが菓子を作ってきた。」

「おいっシーナ殿!!これはもしや……いつも会議のときに用意されていた菓子か!?
シーナ殿が用意してくれていたんだな!!!」

南軍騎士団長 トラ獣人のダイダは驚愕と喜びで何とも形容しがたい表情を浮かべた。

「あぁ、ダイダ殿はモナカが好きだろう。よかったら貰ってほしい。」

シーナはそういうとモナカが大量に詰められた菓子袋をダイダに渡す。

ダイダは素直にそれを受けとると、まじまじと中身を眺める。

「知っていたのか……!?。
シーナ殿！俺と結婚してくれ!!」


「「「はぁ？」」」

「はぁぁぁああーー!?」

その場にいた全員がダイダの発言に度肝を抜かれた。
一際長く、大きな声で反応したのはポーラールだ。
ポーラールは瞬時にシーナを抱きしめ、ダイダからできるだけ距離を離す。

「俺は、今まで黙っていたが……この菓子が大好物だ。
毎日!!いや、毎食食べたいほど好きだ!!

あまりに好きすぎて国中駆けずり回って探したが、この菓子は軍部会議でしか出てきたことがないっ。

だから……だから、俺は！この菓子を作った人をずっと探していた！
見つけたら離さないと決めていた！
まさか……こんな近くにいるとは。」

ダイダは悔しそうに机を拳で殴るが、菓子が好きすぎて求婚する奴を見るのはみんな初めてらしい。

誰もがポカンと口を開けてダイダを見ている。