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第四章 アルティメット編開始
第718話 OLサツキのアルティメット編・ユラの場合その2
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それでもサツキはなびかない。
段々とユラを見るサツキの視線が熱を帯びてきているのは分かった。自分はサツキに惚れられている、それが分かるのに、だけどあいつは一向にそれをユラに言おうとしない。むしろ離れていこうとすらする。何故だかユラがアールを好きだと勘違いした所為かもしれないが、不可解だった。
でも仕方ないので、ユラは待った。ユラが今サツキに好きだと言ったところで、自分に自信のないサツキは逃げるだけだと思ったからだ。ユラの言葉すら信じられず、時折揺らぎ消えそうになる時のように存在が薄くなり、ふっといなくなってしまうのではないか。
その不安が拭えず、サツキが自分から好きだと言うまではじっと待つことにした。自信がつけば、言ってくれるんじゃないか。ユラが好きだと言っても、やっと信じてくれるんじゃないか、と願いながら。
サツキは弱いくせに強くて、ユラを好きだという気持ちは真っ直ぐでそこには打算もなにもなくて、だから必死で手繰り寄せた。
サツキの存在が薄くなるのは、恐怖でしかなかった。だけどサツキは相変わらずすぐ離れていこうとする。何故だろう? 必死で考えたが分からない。とにかく薄くなるのだけは避けようとあれこれ試してみて、結果物理的にユラがキスをしたりすると存在感が強くなることが分かった。他の人が試したらどうなるんだろう? そう疑問には思ったが、今更他の奴にサツキを触らせるなんて絶対御免だった。
そして生まれた、一つの可能性。もしかして、ユラがサツキの碇なのではないか。サツキは元は別の世界の人間だ。それをユラが必死で繋ぎ止めているが、サツキはふとしたことで元の世界に戻ろうとしてしまう。何故か? 繋ぎ止める力が弱いに違いないからだ。どうして弱い? サツキはユラがサツキを好きだと思っていないからだ。だったら、ユラがサツキを愛していることを分からせればいい。でも、言葉で言っても信じてはもらえない。だったら、態度で示そう。そう思い、ことある毎にキスを繰り返した。
やはり命を繋ぎ止めたのがユラだったから、だからユラとサツキの間には碇という絆が生まれたのだろうか。そうだといいな、と思った。ユラがサツキに痕を残すと、サツキはこの世界に強く存在する。ユラが、ユラだけが出来ることなのではないかと思うと、また堪らなくサツキを愛おしく感じた。
怖がりながら、それでも自分に身を捧げてくれたサツキ。ユラがサツキの名を呼びながらサツキと一つになる度に、どんどんサツキの存在が強固なものになっていくのが分かった。だから、ああそうだやっぱり自分がサツキの碇なのだと確信した。
でもそんなことを言ったら、サツキはまた罪悪感を覚えて離れようとするんじゃないか。だから、サツキが何も言わないからユラも黙っていることにした。
だけど、聞かれたら言ってやる。ユラがサツキを選んだのだと。ユラがサツキのことを必要としているから、だから碇の役目を担ったのだと。
恐らく、ユラが愛している限り、その愛をサツキが信じている限り、ユラは碇として存在し、サツキはこの世界に縛られ続ける。
あまりにも好き過ぎて態度に示し過ぎて、肝心なことを言うのを忘れていたらまた飛んで行ってしまいそうになったユラの愛しい魔術士に、今度は忘れずに伝えよう。
ユラはサツキをこの腕の中にすっぽりと納めながら、言った。
「サツキ、愛してる」
涙でぐしょぐしょのサツキの目に、キスをする。
「で、でも私は男のリアムで……! え?」
まだ疑っている。サツキが拘るのは、リアムが男の身体だからだ。だから、ユラは伝えることにした。
「どっちのサツキもサツキだ、俺には関係ない」
男だろうが女だろうが関係ない。男のサツキだって問題なく抱ける。
そのことを証明してやる。
段々とユラを見るサツキの視線が熱を帯びてきているのは分かった。自分はサツキに惚れられている、それが分かるのに、だけどあいつは一向にそれをユラに言おうとしない。むしろ離れていこうとすらする。何故だかユラがアールを好きだと勘違いした所為かもしれないが、不可解だった。
でも仕方ないので、ユラは待った。ユラが今サツキに好きだと言ったところで、自分に自信のないサツキは逃げるだけだと思ったからだ。ユラの言葉すら信じられず、時折揺らぎ消えそうになる時のように存在が薄くなり、ふっといなくなってしまうのではないか。
その不安が拭えず、サツキが自分から好きだと言うまではじっと待つことにした。自信がつけば、言ってくれるんじゃないか。ユラが好きだと言っても、やっと信じてくれるんじゃないか、と願いながら。
サツキは弱いくせに強くて、ユラを好きだという気持ちは真っ直ぐでそこには打算もなにもなくて、だから必死で手繰り寄せた。
サツキの存在が薄くなるのは、恐怖でしかなかった。だけどサツキは相変わらずすぐ離れていこうとする。何故だろう? 必死で考えたが分からない。とにかく薄くなるのだけは避けようとあれこれ試してみて、結果物理的にユラがキスをしたりすると存在感が強くなることが分かった。他の人が試したらどうなるんだろう? そう疑問には思ったが、今更他の奴にサツキを触らせるなんて絶対御免だった。
そして生まれた、一つの可能性。もしかして、ユラがサツキの碇なのではないか。サツキは元は別の世界の人間だ。それをユラが必死で繋ぎ止めているが、サツキはふとしたことで元の世界に戻ろうとしてしまう。何故か? 繋ぎ止める力が弱いに違いないからだ。どうして弱い? サツキはユラがサツキを好きだと思っていないからだ。だったら、ユラがサツキを愛していることを分からせればいい。でも、言葉で言っても信じてはもらえない。だったら、態度で示そう。そう思い、ことある毎にキスを繰り返した。
やはり命を繋ぎ止めたのがユラだったから、だからユラとサツキの間には碇という絆が生まれたのだろうか。そうだといいな、と思った。ユラがサツキに痕を残すと、サツキはこの世界に強く存在する。ユラが、ユラだけが出来ることなのではないかと思うと、また堪らなくサツキを愛おしく感じた。
怖がりながら、それでも自分に身を捧げてくれたサツキ。ユラがサツキの名を呼びながらサツキと一つになる度に、どんどんサツキの存在が強固なものになっていくのが分かった。だから、ああそうだやっぱり自分がサツキの碇なのだと確信した。
でもそんなことを言ったら、サツキはまた罪悪感を覚えて離れようとするんじゃないか。だから、サツキが何も言わないからユラも黙っていることにした。
だけど、聞かれたら言ってやる。ユラがサツキを選んだのだと。ユラがサツキのことを必要としているから、だから碇の役目を担ったのだと。
恐らく、ユラが愛している限り、その愛をサツキが信じている限り、ユラは碇として存在し、サツキはこの世界に縛られ続ける。
あまりにも好き過ぎて態度に示し過ぎて、肝心なことを言うのを忘れていたらまた飛んで行ってしまいそうになったユラの愛しい魔術士に、今度は忘れずに伝えよう。
ユラはサツキをこの腕の中にすっぽりと納めながら、言った。
「サツキ、愛してる」
涙でぐしょぐしょのサツキの目に、キスをする。
「で、でも私は男のリアムで……! え?」
まだ疑っている。サツキが拘るのは、リアムが男の身体だからだ。だから、ユラは伝えることにした。
「どっちのサツキもサツキだ、俺には関係ない」
男だろうが女だろうが関係ない。男のサツキだって問題なく抱ける。
そのことを証明してやる。
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