677 / 731
第四章 アルティメット編開始
第674話 OLサツキのアルティメット編のマグノリア邸の酒盛り・腹ごしらえの続き
しおりを挟む
サツキがパクリと一口食べると、うん、これはイカのトマトクリームニョッキだ、とサツキはうんうん頷いた。美味しい。だからどんどん食べ進めた。だって、もう丸一日何も食べていなかった。
食べ始めると、止まらなくなった。ああ、お腹が空いていたんだなと、食べてようやく思った。身体の奥底にエネルギーがどんどん蓄えられていく感覚だ。身体が火照り始める。唐辛子でも入ってるのだろうか。
ユラが、サツキのほぼ空になった取皿を見て尋ねる。
「美味しいか?」
「美味しい!」
本当に美味しい。ユラはさすがずっと自炊してきただけあって、料理が本当に上手なのだ。
ユラが嬉しそうに笑った。
「そっか! 隠し味は分からねえか?」
「隠し味?」
何だろう? サツキが首を傾げていると、ユラがにこっと笑って言った。
「ラーメニアの花のエキス」
サツキはそれを聞いて、目を見開いた。今、なんて言った?
「は?」
「だから、ラーメニアの花のエキスだって」
ラーメニア。媚薬で、春祭りで散々な目に遭ったあの薬酒に入っていたものだ。
「いや、なんでそんなの入れるの?」
「さっき買い物に行ったら、料理用に開発したって試作をくれたんだよ」
料理に媚薬を仕込むとか、それってもう犯罪じゃなかろうか。
「で? もらったからってなんで入れたの……?」
「だってさ、あったら使いたくなるだろ?」
あっけあらかんとしてユラがそう言うので、サツキはあんぐりと口を開けてユラを見ることしか出来なかった。そんなサツキをにやけながら見ていたユラが、サツキの口の中にニョッキを一つ放り込んだ。
「ほら食え、もっと食え」
「むぐ、あのねユラ」
「この程度じゃちょっといい気分になる位だって言ってたから、まあ大丈夫だろ」
そう言うと、自分もパクパクと食べ進めた。
「ちょっと身体が火照る感じがあるな!」
呑気に感想を述べているが、違う、そうじゃない。
「いやいやいや、ユラ、これから話をしてくれるんでしょ? 火照ってる場合じゃ」
「いーやサツキ。これはとても重要なんだ」
ちょっと何を言っているか分からない。だがユラは真面目な表情でサツキへ説得を始めてしまった。
「食事が終わった後、俺はお前にこれまで話していなかった俺の追加能力のことを話すつもりだ」
サツキは頷いた。そこに関しては問題ない。
「これはその後の準備だ」
「……はい?」
「お前に自信がついたら、話すって言っただろ?」
「え、うん、そうだけど」
言っていることがよく分からない。何がどう繋がっているんだろうか。
「お前はすぐ逃げようとするからな」
「え?」
「これは、お前が自信をなくして逃げようという気持ちになった時に背中を押してくれるものだ」
「うん、全然話が見えない」
「とりあえず食ってから話をするから。な?」
な? じゃない。
「とりあえず大丈夫だから。残りを食おうぜ」
ユラは周りをきょろきょろと見回すと、ユラがサツキに尋ねた。
「そういや、ラムは?」
今更な質問だったが、ユラにとってラムとはその程度の存在なのかもしれなかった。
「疲れたからってベッドで寝てるよ」
すると、ユラが嫌そうな顔をした。
「ベッド!? あいつ……!」
「魔力を大分使っちゃったから。ラムちゃんにも苦労かけちゃった」
えへ、とサツキが笑うと、ユラが考え込んでから、言った。
「……よし、じゃあ食後は書斎のソファーで酒を飲みつつ語るから」
「? うん、分かった」
ずっと気になっていたユラの追加能力が、ようやく分かるのだ。ラーメニアについては驚いたが、今のところ身体に大した異変はないからきっと平気だろうと思い、サツキは頷いたのだった。
食べ始めると、止まらなくなった。ああ、お腹が空いていたんだなと、食べてようやく思った。身体の奥底にエネルギーがどんどん蓄えられていく感覚だ。身体が火照り始める。唐辛子でも入ってるのだろうか。
ユラが、サツキのほぼ空になった取皿を見て尋ねる。
「美味しいか?」
「美味しい!」
本当に美味しい。ユラはさすがずっと自炊してきただけあって、料理が本当に上手なのだ。
ユラが嬉しそうに笑った。
「そっか! 隠し味は分からねえか?」
「隠し味?」
何だろう? サツキが首を傾げていると、ユラがにこっと笑って言った。
「ラーメニアの花のエキス」
サツキはそれを聞いて、目を見開いた。今、なんて言った?
「は?」
「だから、ラーメニアの花のエキスだって」
ラーメニア。媚薬で、春祭りで散々な目に遭ったあの薬酒に入っていたものだ。
「いや、なんでそんなの入れるの?」
「さっき買い物に行ったら、料理用に開発したって試作をくれたんだよ」
料理に媚薬を仕込むとか、それってもう犯罪じゃなかろうか。
「で? もらったからってなんで入れたの……?」
「だってさ、あったら使いたくなるだろ?」
あっけあらかんとしてユラがそう言うので、サツキはあんぐりと口を開けてユラを見ることしか出来なかった。そんなサツキをにやけながら見ていたユラが、サツキの口の中にニョッキを一つ放り込んだ。
「ほら食え、もっと食え」
「むぐ、あのねユラ」
「この程度じゃちょっといい気分になる位だって言ってたから、まあ大丈夫だろ」
そう言うと、自分もパクパクと食べ進めた。
「ちょっと身体が火照る感じがあるな!」
呑気に感想を述べているが、違う、そうじゃない。
「いやいやいや、ユラ、これから話をしてくれるんでしょ? 火照ってる場合じゃ」
「いーやサツキ。これはとても重要なんだ」
ちょっと何を言っているか分からない。だがユラは真面目な表情でサツキへ説得を始めてしまった。
「食事が終わった後、俺はお前にこれまで話していなかった俺の追加能力のことを話すつもりだ」
サツキは頷いた。そこに関しては問題ない。
「これはその後の準備だ」
「……はい?」
「お前に自信がついたら、話すって言っただろ?」
「え、うん、そうだけど」
言っていることがよく分からない。何がどう繋がっているんだろうか。
「お前はすぐ逃げようとするからな」
「え?」
「これは、お前が自信をなくして逃げようという気持ちになった時に背中を押してくれるものだ」
「うん、全然話が見えない」
「とりあえず食ってから話をするから。な?」
な? じゃない。
「とりあえず大丈夫だから。残りを食おうぜ」
ユラは周りをきょろきょろと見回すと、ユラがサツキに尋ねた。
「そういや、ラムは?」
今更な質問だったが、ユラにとってラムとはその程度の存在なのかもしれなかった。
「疲れたからってベッドで寝てるよ」
すると、ユラが嫌そうな顔をした。
「ベッド!? あいつ……!」
「魔力を大分使っちゃったから。ラムちゃんにも苦労かけちゃった」
えへ、とサツキが笑うと、ユラが考え込んでから、言った。
「……よし、じゃあ食後は書斎のソファーで酒を飲みつつ語るから」
「? うん、分かった」
ずっと気になっていたユラの追加能力が、ようやく分かるのだ。ラーメニアについては驚いたが、今のところ身体に大した異変はないからきっと平気だろうと思い、サツキは頷いたのだった。
0
お気に入りに追加
25
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
性欲排泄欲処理系メイド 〜三大欲求、全部満たします〜
mm
ファンタジー
私はメイドのさおり。今日からある男性のメイドをすることになったんだけど…業務内容は「全般のお世話」。トイレもお風呂も、性欲も!?
※スカトロ表現多数あり
※作者が描きたいことを書いてるだけなので同じような内容が続くことがあります
[恥辱]りみの強制おむつ生活
rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。
保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる