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第四章 アルティメット編開始
第610話 OLサツキのアルティメット編・フレイのダンジョンの暗闇から浮かび上がったもの
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煌々と光る氷の塊を、今度は上へ上へと吹き上げるイメージで杖を構える。
「アール、須藤さん! 周りをしっかり見てね!」
「おう! 了解だ!」
サツキの意図が伝わったのだろう、アールはサツキとは反対の方を向いた。サツキが唱えた。
「ウィンディーン!」
すると、光っていた無数の氷の塊が風で空に舞い上がった。出来るだけ上に上にとイメージした、その通りに。
「もう一回! ウィンディーン!」
上に飛んでいった光に向かって唱えた。今度は、八方に飛び散るように。遠くまで照らしてくれる様に。
花火が天で爆ぜる様に、光の花が咲いた。こんな状況だというのに、綺麗だなと思った。思えば随分とタフになったものだな、とサツキは笑った。光が瞳孔に焼き付いてしまい視界が奪われてしまったので、頼りはアールだけだ。
「アール、何か見えた!?」
「待てよ、まだ落ちるなよ、……あった! あったぞサツキ!!」
アールがサツキの肩をぐいっと引っ張り、一つの方向を指差した。サツキはまだ目に残る光の残像に目をパチパチしながら、アールが指し示す方向を見た。遥か向こうに、どこまでの高さがあるのか分からないが壁がそびえ立っていた。その壁の下の方に、大きな真っ黒い穴が開いている。
「あった!!」
「やったぞサツキ! 大手柄だ!」
アールはガバっとサツキを抱き締めるとぴょんぴょん飛び跳ね始めた。サツキはガクガクだ。
「あ、アール、分かったから落ち着いてっ」
「あ、悪い! つい興奮しちまった!」
ライトの魔法で明るく光る氷が、段々と地面へと落ちていく。だが、その明かりは消えないままだ。壁が薄っすらとだが見えたままなので、これなら迷わないだろう。サツキは心からリアムの魔力の強さに感謝をした。
サツキは念の為、全方向を改めてぐるりと見回した。穴がある所以外にも、かなり遠くだが壁があるのが見えた。一体どこへ続いているのか、先は真っ暗になっており見通せない。やはりここは巨大な地下空洞だったのだ。
「穴の場所的にも、あそこがフレイのダンジョンに繋がってると思う」
「だよな!? よかった、じゃああそこに急いでいけばいいな!」
「うん!」
二人は改めて手を繋ぐと、足場の悪い道を進み始めた。
「ねえ須藤さん」
須藤さんが、くるりと振り向いて首を傾げた。こんな時でも安定の可愛さだ。
サツキは、ラムが教えてくれたことを思い出していた。
「ここってもしかして、ダンジョンの裏の通路……かな?」
すると、須藤さんが少し考えた風に止まった後、こくこくと頷いた。やっぱりそうだったのだ。
「ありがとう須藤さん。でも、この広さだと、下手すると他のダンジョンにも繋がってそうだよね……」
「案外そうかもなー。俺達冒険者の間ではさ、ダンジョンのボスってどこから来るんだろうっていうのが永遠の謎だったんだよ」
「え、同じダンジョンからじゃないの?」
「時折全然違う種類の奴がいる時があるんだよ」
そうだったのか。サツキはまだまだ覚えることが沢山ありそうだ。アールは辺りをキョロキョロと見回しながら、続ける。
「だから、もしこうやって地下で繋がってるってなったら、その謎が解明出来るって訳だ!」
「ギルドに売ったらお金になりそうな情報だね」
するとアールはこくこくと頷いた。
「なる。間違いなくなる。こりゃあ情報の売り方をあいつらとよく検討した方がいいぜ!」
にかっとアールが笑って言った。
「アール、須藤さん! 周りをしっかり見てね!」
「おう! 了解だ!」
サツキの意図が伝わったのだろう、アールはサツキとは反対の方を向いた。サツキが唱えた。
「ウィンディーン!」
すると、光っていた無数の氷の塊が風で空に舞い上がった。出来るだけ上に上にとイメージした、その通りに。
「もう一回! ウィンディーン!」
上に飛んでいった光に向かって唱えた。今度は、八方に飛び散るように。遠くまで照らしてくれる様に。
花火が天で爆ぜる様に、光の花が咲いた。こんな状況だというのに、綺麗だなと思った。思えば随分とタフになったものだな、とサツキは笑った。光が瞳孔に焼き付いてしまい視界が奪われてしまったので、頼りはアールだけだ。
「アール、何か見えた!?」
「待てよ、まだ落ちるなよ、……あった! あったぞサツキ!!」
アールがサツキの肩をぐいっと引っ張り、一つの方向を指差した。サツキはまだ目に残る光の残像に目をパチパチしながら、アールが指し示す方向を見た。遥か向こうに、どこまでの高さがあるのか分からないが壁がそびえ立っていた。その壁の下の方に、大きな真っ黒い穴が開いている。
「あった!!」
「やったぞサツキ! 大手柄だ!」
アールはガバっとサツキを抱き締めるとぴょんぴょん飛び跳ね始めた。サツキはガクガクだ。
「あ、アール、分かったから落ち着いてっ」
「あ、悪い! つい興奮しちまった!」
ライトの魔法で明るく光る氷が、段々と地面へと落ちていく。だが、その明かりは消えないままだ。壁が薄っすらとだが見えたままなので、これなら迷わないだろう。サツキは心からリアムの魔力の強さに感謝をした。
サツキは念の為、全方向を改めてぐるりと見回した。穴がある所以外にも、かなり遠くだが壁があるのが見えた。一体どこへ続いているのか、先は真っ暗になっており見通せない。やはりここは巨大な地下空洞だったのだ。
「穴の場所的にも、あそこがフレイのダンジョンに繋がってると思う」
「だよな!? よかった、じゃああそこに急いでいけばいいな!」
「うん!」
二人は改めて手を繋ぐと、足場の悪い道を進み始めた。
「ねえ須藤さん」
須藤さんが、くるりと振り向いて首を傾げた。こんな時でも安定の可愛さだ。
サツキは、ラムが教えてくれたことを思い出していた。
「ここってもしかして、ダンジョンの裏の通路……かな?」
すると、須藤さんが少し考えた風に止まった後、こくこくと頷いた。やっぱりそうだったのだ。
「ありがとう須藤さん。でも、この広さだと、下手すると他のダンジョンにも繋がってそうだよね……」
「案外そうかもなー。俺達冒険者の間ではさ、ダンジョンのボスってどこから来るんだろうっていうのが永遠の謎だったんだよ」
「え、同じダンジョンからじゃないの?」
「時折全然違う種類の奴がいる時があるんだよ」
そうだったのか。サツキはまだまだ覚えることが沢山ありそうだ。アールは辺りをキョロキョロと見回しながら、続ける。
「だから、もしこうやって地下で繋がってるってなったら、その謎が解明出来るって訳だ!」
「ギルドに売ったらお金になりそうな情報だね」
するとアールはこくこくと頷いた。
「なる。間違いなくなる。こりゃあ情報の売り方をあいつらとよく検討した方がいいぜ!」
にかっとアールが笑って言った。
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