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第三章 上級編開始
第593話 魔術師リアムの上級編・早川ユメ攻略四日目の夜の公園に到着
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祐介は暫くもごもごと何かを言おうとしていたが、リアムが軽く睨めつけるとようやく抵抗するのを止めた。
こやつは木佐ちゃんといい早川ユメといい、リアムが距離を縮めたいと思う女性に対して何だか冷たい。先程ショウちゃんには驚く程の優しさを見せていたというのに、一体どういうことなのか。
リアムは一つの可能性に気付き、ハッとして祐介を見上げた。
「祐介、お前はまさか男性を好む質なのか!?」
「はい?」
祐介の眉毛が思い切り歪んだ。
「ごめんサツキちゃん、突拍子もないのはいつものことだけどさ、さすがに脈絡がなさ過ぎて僕にも理解できない」
聞き捨てならないことを言われた気がしたが、今はそれよりも追求だ。魔術師たるもの、何はともあれ探究心が肝心なのだ。
「何故かというとだな、祐介は木佐ちゃん殿にも早川さんにも素っ気ない態度を取るが、潮崎さんといいショウちゃん殿といい対応に優しさが溢れているではないか! ということは、お前は実は男の方を好むのではと」
「うん、とりあえず一回落ち着こうか?」
すると、早川ユメまで祐介の味方をし始めた。
「あんた馬鹿じゃないの? 山岸くんと付き合ってるんでしょ? ていうか女をヤリ捨てしてる時点で十分女好きっていうか」
「早川さん、ほんともうそれなしにして」
祐介の顔には、いつもならある笑顔のえの字も見当たらなかった。こめかみに血管が浮いていてもおかしくない、それ位苛ついた顔だ。
「祐介、そう怒るな」
「もう帰ろうよ」
また始まった。リアムは心の中で溜息を付くと、祐介の頭を撫でてやった。
「機嫌を直せ。早川さんに他意はない」
「本当君女性には甘いよね」
今度は矛先がリアムに向いてしまった。どうした祐介よ、いつもの温厚な祐介はどこにいった。
「僕には手厳しい癖に女性には優しさを振り撒いてさ」
「手厳しい? 私は祐介のことは頼りに思っているし、事実祐介には頼りっ放しで」
「野原さん野原さん」
「ん?」
横から、そもそもの喧嘩の発端である早川ユメがリアムの注意を引きつけた。
「あんた理解してないみたいだから意訳するとね、山岸くんが言いたいのは、自分を一番に甘やかして他の奴は放っておけってことよ。つまり独占欲を主張しまくってる訳」
「ど、独占欲?」
早川ユメは何を言っているのだろうか。早川ユメはしたり顔で続けた。
「ほーらやっぱり分かってない。いい? こういう種類の男はね、自分を蔑ろにされたと思うと意地になって下手するとヤンデレになって監禁とかしかねないから、マジでもう少し構ってあげないと駄目よ」
「ヤンデレとは何だ?」
「早川さん、人を勝手にヤンデレとか監禁とか物騒な人にしないでくれない?」
「ヤンデレとは……」
「だって山岸くんってば思ってたよりもかなり大分すっごく露骨じゃない?」
「隠さなくてもそれでも伝わらないんです」
「あは、それはよく分かった。山岸くんも苦労するわねえ」
「でしょ?」
「なあ、ヤンデレ……」
リアムの質問を他所に、祐介と早川ユメは何やら楽しげに話し始めてしまった。リアムにはもうその内容はついていけず、仕方なく黙っていると。機嫌を直した祐介が、リアムの手をぎゅっと握って合図した。
「ほら、着いたよ」
三人は、以前にリアムが魔法の試し打ちを行なった公園に辿り着いた。
こやつは木佐ちゃんといい早川ユメといい、リアムが距離を縮めたいと思う女性に対して何だか冷たい。先程ショウちゃんには驚く程の優しさを見せていたというのに、一体どういうことなのか。
リアムは一つの可能性に気付き、ハッとして祐介を見上げた。
「祐介、お前はまさか男性を好む質なのか!?」
「はい?」
祐介の眉毛が思い切り歪んだ。
「ごめんサツキちゃん、突拍子もないのはいつものことだけどさ、さすがに脈絡がなさ過ぎて僕にも理解できない」
聞き捨てならないことを言われた気がしたが、今はそれよりも追求だ。魔術師たるもの、何はともあれ探究心が肝心なのだ。
「何故かというとだな、祐介は木佐ちゃん殿にも早川さんにも素っ気ない態度を取るが、潮崎さんといいショウちゃん殿といい対応に優しさが溢れているではないか! ということは、お前は実は男の方を好むのではと」
「うん、とりあえず一回落ち着こうか?」
すると、早川ユメまで祐介の味方をし始めた。
「あんた馬鹿じゃないの? 山岸くんと付き合ってるんでしょ? ていうか女をヤリ捨てしてる時点で十分女好きっていうか」
「早川さん、ほんともうそれなしにして」
祐介の顔には、いつもならある笑顔のえの字も見当たらなかった。こめかみに血管が浮いていてもおかしくない、それ位苛ついた顔だ。
「祐介、そう怒るな」
「もう帰ろうよ」
また始まった。リアムは心の中で溜息を付くと、祐介の頭を撫でてやった。
「機嫌を直せ。早川さんに他意はない」
「本当君女性には甘いよね」
今度は矛先がリアムに向いてしまった。どうした祐介よ、いつもの温厚な祐介はどこにいった。
「僕には手厳しい癖に女性には優しさを振り撒いてさ」
「手厳しい? 私は祐介のことは頼りに思っているし、事実祐介には頼りっ放しで」
「野原さん野原さん」
「ん?」
横から、そもそもの喧嘩の発端である早川ユメがリアムの注意を引きつけた。
「あんた理解してないみたいだから意訳するとね、山岸くんが言いたいのは、自分を一番に甘やかして他の奴は放っておけってことよ。つまり独占欲を主張しまくってる訳」
「ど、独占欲?」
早川ユメは何を言っているのだろうか。早川ユメはしたり顔で続けた。
「ほーらやっぱり分かってない。いい? こういう種類の男はね、自分を蔑ろにされたと思うと意地になって下手するとヤンデレになって監禁とかしかねないから、マジでもう少し構ってあげないと駄目よ」
「ヤンデレとは何だ?」
「早川さん、人を勝手にヤンデレとか監禁とか物騒な人にしないでくれない?」
「ヤンデレとは……」
「だって山岸くんってば思ってたよりもかなり大分すっごく露骨じゃない?」
「隠さなくてもそれでも伝わらないんです」
「あは、それはよく分かった。山岸くんも苦労するわねえ」
「でしょ?」
「なあ、ヤンデレ……」
リアムの質問を他所に、祐介と早川ユメは何やら楽しげに話し始めてしまった。リアムにはもうその内容はついていけず、仕方なく黙っていると。機嫌を直した祐介が、リアムの手をぎゅっと握って合図した。
「ほら、着いたよ」
三人は、以前にリアムが魔法の試し打ちを行なった公園に辿り着いた。
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