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第三章 上級編開始
第587話 魔術師リアムの上級編・早川ユメ攻略四日目の帰宅へ向けて
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長かった早川ユメの告白が終わった時、見計らったかの様に客が入ってきた。
ショウちゃんは、そちらの客への対応に行ってしまった。早川ユメはというと、何だか微妙な表情を浮かべている。どうしたのだろうか。
「すっきりしない顔をしているが、どうしたのだ」
すると、早川ユメは偉そうに腕組みをしてリアムを見た。
「あんたねえ、私のこの中途半端感が分かんないの?」
分からない。分からないので、リアムは後ろに控えている祐介を振り返った。祐介はリアムと視線が合うとにっこりと笑って教えてくれた。
「告白されたのにすっごい中途半端になってるって意味じゃない?」
「ああ、それか」
「それかって……横に本人がいる前でこういうことを言うのもどうかと思うけどね!」
「お前はそればかりだな」
先程も、祐介のことをぺらぺらとリアムに喋っていたことをリアムは思い出した。
「うるわいわね、元々黙っていられない性格なのよ! だから溜めきれなくなるとここに吐きに来てたっていうのに、私の悪事の洗いざらいを知ってるショウちゃんがまさか私のことを好きだなんて思わないじゃない。こういうのを青天の霹靂って言うのね」
何だか分かった様なことを言っているが、多分これは早川ユメが鈍感だっただけな気がする。
「惚れた弱みじゃない? だから悪いことしてても許せるんだよ。まあ僕は他の男としてる女は絶対嫌だけど」
祐介がしれっと言うと、早川ユメは即座に反応した。
「合コンで女を見繕ってヤリ捨てしてた男が何言ってんのよ」
「見繕うって失礼な……僕からしたいなんて言ったことは一度もないし」
「うっわーじゃあ全部女の所為? あんた本当最低ね」
「だからもうしてないってば。サツキちゃんの前でこの話をするの、もう止めてくれない?」
祐介の顔が、どんどん不機嫌なものになっていく。どうも早川ユメと祐介の相性は最悪の様だ。仕方がない。正直過去の祐介の女遍歴などどうでもよかったが、ここは助け舟を出してやることにした。
「悔い改めたのなら私は特に気にしないぞ。誰しも過去の失敗はあるものだ」
「心が広いこと」
「……いちいち言い方に棘があるんだよな……」
「うるさいわねえ」
「ねえサツキちゃん、話も聞いたしもう帰ろうよ」
「うわ、逃げたこいつ」
「早川さん、一人で帰れるでしょ? 元気そうだもんね」
祐介はとにかく今すぐこの場から立ち去りたい様子だが、いくら橋本が羽田を足止めしておいてくれているからといって、酔っ払って吐いたばかりの美しい女性を一人放って帰るのも気が引ける。
「祐介どうした。祐介はもっと懐の広い男であろう? 何故早川さんには優しく出来ぬのだ」
リアムがそう尋ねると、祐介と早川ユメが一斉に喋りだした。
「僕だって人は選ぶよ! 僕に敵意むき出しな人になんで優しくしないといけないのさ」
「野原さん、あんたこいつの優しさは自分にだけだって気付いてないの? 本当男を見る目がないわねえ」
二人共好き勝手を言うと、祐介は後ろからリアムを羽交い締めにし、早川ユメはリアムに顔を近付けた。これでは逃げられん。さては両者共、相当酔っているに違いない。
「分かった分かった、とりあえず騒ぐとショウちゃん殿の迷惑になるから、いったん店を出よう。話はそれからだ。な?」
何故口下手なリアムが調整役などしないといけないのか。睨み合う祐介と早川ユメを見て、大きな溜息をついたリアムだった。
ショウちゃんは、そちらの客への対応に行ってしまった。早川ユメはというと、何だか微妙な表情を浮かべている。どうしたのだろうか。
「すっきりしない顔をしているが、どうしたのだ」
すると、早川ユメは偉そうに腕組みをしてリアムを見た。
「あんたねえ、私のこの中途半端感が分かんないの?」
分からない。分からないので、リアムは後ろに控えている祐介を振り返った。祐介はリアムと視線が合うとにっこりと笑って教えてくれた。
「告白されたのにすっごい中途半端になってるって意味じゃない?」
「ああ、それか」
「それかって……横に本人がいる前でこういうことを言うのもどうかと思うけどね!」
「お前はそればかりだな」
先程も、祐介のことをぺらぺらとリアムに喋っていたことをリアムは思い出した。
「うるわいわね、元々黙っていられない性格なのよ! だから溜めきれなくなるとここに吐きに来てたっていうのに、私の悪事の洗いざらいを知ってるショウちゃんがまさか私のことを好きだなんて思わないじゃない。こういうのを青天の霹靂って言うのね」
何だか分かった様なことを言っているが、多分これは早川ユメが鈍感だっただけな気がする。
「惚れた弱みじゃない? だから悪いことしてても許せるんだよ。まあ僕は他の男としてる女は絶対嫌だけど」
祐介がしれっと言うと、早川ユメは即座に反応した。
「合コンで女を見繕ってヤリ捨てしてた男が何言ってんのよ」
「見繕うって失礼な……僕からしたいなんて言ったことは一度もないし」
「うっわーじゃあ全部女の所為? あんた本当最低ね」
「だからもうしてないってば。サツキちゃんの前でこの話をするの、もう止めてくれない?」
祐介の顔が、どんどん不機嫌なものになっていく。どうも早川ユメと祐介の相性は最悪の様だ。仕方がない。正直過去の祐介の女遍歴などどうでもよかったが、ここは助け舟を出してやることにした。
「悔い改めたのなら私は特に気にしないぞ。誰しも過去の失敗はあるものだ」
「心が広いこと」
「……いちいち言い方に棘があるんだよな……」
「うるさいわねえ」
「ねえサツキちゃん、話も聞いたしもう帰ろうよ」
「うわ、逃げたこいつ」
「早川さん、一人で帰れるでしょ? 元気そうだもんね」
祐介はとにかく今すぐこの場から立ち去りたい様子だが、いくら橋本が羽田を足止めしておいてくれているからといって、酔っ払って吐いたばかりの美しい女性を一人放って帰るのも気が引ける。
「祐介どうした。祐介はもっと懐の広い男であろう? 何故早川さんには優しく出来ぬのだ」
リアムがそう尋ねると、祐介と早川ユメが一斉に喋りだした。
「僕だって人は選ぶよ! 僕に敵意むき出しな人になんで優しくしないといけないのさ」
「野原さん、あんたこいつの優しさは自分にだけだって気付いてないの? 本当男を見る目がないわねえ」
二人共好き勝手を言うと、祐介は後ろからリアムを羽交い締めにし、早川ユメはリアムに顔を近付けた。これでは逃げられん。さては両者共、相当酔っているに違いない。
「分かった分かった、とりあえず騒ぐとショウちゃん殿の迷惑になるから、いったん店を出よう。話はそれからだ。な?」
何故口下手なリアムが調整役などしないといけないのか。睨み合う祐介と早川ユメを見て、大きな溜息をついたリアムだった。
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