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第三章 上級編開始
第575話 魔術師リアムの上級編・早川ユメ攻略四日目勝負後のユメの告白その3
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早川ユメは、煙草を鞄から取り出すと、カチッと火を付けてふう、と白い煙を吐いた。
「ちょっと吸わせて。言いたくないことを言うんだから」
何気なさそうに握られた左手が、よく見ると力一杯握られて皮膚が白くなっている。リアムは無言で頷くと、待った。これを言わせているのはリアムだから。
早川ユメは、もう一度深く煙草を吸うと、ショウちゃんが差し出した灰皿に煙草を置いた。
「やるとなったら早かったわよ。あいつ、勝手に人の予定も確認しないで社長を押さえたから飲ませてやれって言ってきてね。まあ仕事は首になったから予定も何もなかったけど」
早川ユメは、煙草の煙をじっと見つめていた。綺麗な横顔だと、リアムは思った。意思の強い女性の横顔だった。
「飲ませるのは職業柄得意だし、甘えたふりをするのも相手を調子よく持ち上げるのもこいつ俺に惚れてるんじゃないかって思わせるのも、職業柄簡単だった訳よ。あとは社長と出来るのかって懸念があったけど、そこは私も酒を飲んで、もうやけくそでしてやったわ」
早川ユメが、強気な視線をリアムに送った。
「終わった後にあいつを呼んで、そこからは交渉よ。撮られるのは嫌だったけど、やってる映像もちゃんと証拠で残して、あいつはそれを盾に私を会社に捩じ込んだわ。あ、さすがにデータはあいつには渡してないわよ? 見られるなんて思ったらぞっとしちゃうし」
ふふ、と笑いながらまた煙草を吸う。その手は、小刻みに震えていた。
「知ってる? 私ね、一応秘書検定の資格持ってるのよ。元々は普通のOLもやってたし、別に全くの無能って訳じゃないのよ? 仕事も出来る社長の自分を大好きな愛人ユメちゃん。それが私の新しい仕事になったの。せいぜい数ヶ月かなと思って、自分を騙して我慢して我慢して、皆にも嫌われるしさ、本当仕事だって割り切ってなけりゃ無理よ。私は本当はちやほやされる方が好きなのに」
上がった口角は、無理をしないとすぐにも下がりそうだった。
「だけど、社長ってばちっとも離婚しないのよ。だってもう一年半よ? まあ最近は仕事メインであまりそっちの方はなくなってきたんだけど、まあ飽きられたのかな? と思ってちょっと嬉しくなってさ、総務の仕事もあんた達がどう思ってるか知らないけどやってるし、給与明細の発行を外注に切り替えたのだって私だからね?」
「意外とちゃんとやってたんだね」
祐介がそう言うと、早川ユメがふん、と笑った。
「あんた達が気軽に持っていってる文房具だって私がきちんと管理して揃えてるって分かってる? 社長の愛人フィルターかかってて仕事してないと思い込んでない?」
すると、祐介は素直だった。
「思ってた。それはごめんね」
「ま、まあ、分かればいいのよ」
早川ユメは、祐介が思ったよりも素直だったことに驚いたのか、気味の悪いものを見るような目つきで祐介を見て言った。
「もういい加減嫌になって、ありがたいことに貯金も出来たし、ここはもう契約を終了にしたいなーなんて思って、この間あいつに言ったのよ。社長が飽きてきちゃってるみたいだから、もう辞めたいって。そうしたら、滅茶苦茶怒っちゃって、見てここ」
早川ユメは立ち上がると、いきなりブラウスをまくった。
「ちょっと吸わせて。言いたくないことを言うんだから」
何気なさそうに握られた左手が、よく見ると力一杯握られて皮膚が白くなっている。リアムは無言で頷くと、待った。これを言わせているのはリアムだから。
早川ユメは、もう一度深く煙草を吸うと、ショウちゃんが差し出した灰皿に煙草を置いた。
「やるとなったら早かったわよ。あいつ、勝手に人の予定も確認しないで社長を押さえたから飲ませてやれって言ってきてね。まあ仕事は首になったから予定も何もなかったけど」
早川ユメは、煙草の煙をじっと見つめていた。綺麗な横顔だと、リアムは思った。意思の強い女性の横顔だった。
「飲ませるのは職業柄得意だし、甘えたふりをするのも相手を調子よく持ち上げるのもこいつ俺に惚れてるんじゃないかって思わせるのも、職業柄簡単だった訳よ。あとは社長と出来るのかって懸念があったけど、そこは私も酒を飲んで、もうやけくそでしてやったわ」
早川ユメが、強気な視線をリアムに送った。
「終わった後にあいつを呼んで、そこからは交渉よ。撮られるのは嫌だったけど、やってる映像もちゃんと証拠で残して、あいつはそれを盾に私を会社に捩じ込んだわ。あ、さすがにデータはあいつには渡してないわよ? 見られるなんて思ったらぞっとしちゃうし」
ふふ、と笑いながらまた煙草を吸う。その手は、小刻みに震えていた。
「知ってる? 私ね、一応秘書検定の資格持ってるのよ。元々は普通のOLもやってたし、別に全くの無能って訳じゃないのよ? 仕事も出来る社長の自分を大好きな愛人ユメちゃん。それが私の新しい仕事になったの。せいぜい数ヶ月かなと思って、自分を騙して我慢して我慢して、皆にも嫌われるしさ、本当仕事だって割り切ってなけりゃ無理よ。私は本当はちやほやされる方が好きなのに」
上がった口角は、無理をしないとすぐにも下がりそうだった。
「だけど、社長ってばちっとも離婚しないのよ。だってもう一年半よ? まあ最近は仕事メインであまりそっちの方はなくなってきたんだけど、まあ飽きられたのかな? と思ってちょっと嬉しくなってさ、総務の仕事もあんた達がどう思ってるか知らないけどやってるし、給与明細の発行を外注に切り替えたのだって私だからね?」
「意外とちゃんとやってたんだね」
祐介がそう言うと、早川ユメがふん、と笑った。
「あんた達が気軽に持っていってる文房具だって私がきちんと管理して揃えてるって分かってる? 社長の愛人フィルターかかってて仕事してないと思い込んでない?」
すると、祐介は素直だった。
「思ってた。それはごめんね」
「ま、まあ、分かればいいのよ」
早川ユメは、祐介が思ったよりも素直だったことに驚いたのか、気味の悪いものを見るような目つきで祐介を見て言った。
「もういい加減嫌になって、ありがたいことに貯金も出来たし、ここはもう契約を終了にしたいなーなんて思って、この間あいつに言ったのよ。社長が飽きてきちゃってるみたいだから、もう辞めたいって。そうしたら、滅茶苦茶怒っちゃって、見てここ」
早川ユメは立ち上がると、いきなりブラウスをまくった。
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