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第三章 上級編開始
第522話 OLサツキの上級編、フレイのダンジョン地下十二階の着替え完了
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アールの謝罪の後、サツキは安全地帯でウルスラの水着をじっくりと観察した後、自分の中で繰り返し繰り返しイメージし、ユラが用意した目隠しの法衣の向こうで下着一枚になると、自分に大丈夫、絶対大丈夫と唱えながら深呼吸をしていた。
尚、参考資料となるようウルスラはすぐ横に水着姿で待機している。
法衣の向こうから、ユラが言った。
「裸でも俺は見るからな」
「プレッシャー……」
「嫌なら集中だ」
「頑張る!」
メタモラを唱えて、今の下着姿のままだと失敗ということだ。集中だ、集中集中!
そして、唱えた。
「メタモラ! 野原サツキ!」
身体の中から魔力がごそっと減ったのが分かった。すると、ユラが何も言わないまま法衣のうえから顔を覗かせた。本当に真っ先に見た。
「お、出来たじゃねえか」
「え!」
サツキは自分の身体を見下ろすと、おお、確かにイメージした通りのウルスラとお揃いの水着を着ているじゃないの。念の為下も確認する。うん、問題ない。
法衣を降ろしたユラに向かい、サツキは笑顔で顔を上げた。
「出来た!」
「おう! さすがだサツキ!」
二人は両方の手のひらを合わせ、きゃっきゃとはしゃぐ。その様子を怪訝そうな顔で見ていたウルスラが、またぽつりと言った。
「やっぱり、近い……」
「いいじゃねえか。俺達は仲良しだもんな、サツキ」
「仲良し……だね、うん。ふふ」
先程自分からキスをねだった所為か、ウルスラ達の前でももう自ら進んで離れようとは思えなくなってしまった。
「……まあ、サツキがいいならいいけど」
おや、ウルスラが珍しく折れた。ユラが床に置いておいたサツキの赤いローブを取ると、サツキの肩に掛ける。
「アールの野郎には見せたくないから、これは着とけよ」
「いや、これ着たら暑いよ……」
「それに、万が一敵に襲われて火傷でもしちまったら俺が嫌なんだよ」
「ユラは治せるでしょ?」
「一回は痛くなるだろ」
自分はファイヤーゴーストの身体の中に腕を突っ込んで大火傷をした癖に、人にはこういうことを言うのだ。
でも、それは優しさだ。サツキは素直にそれを受け取っておくことにした。
「うん、分かったよ」
「いいか、アールには見せるなよ」
釘を刺された。そしてウルスラをちらりと見ながら続けた。
「多分お前だってそう思ってるだろ?」
そう言うと、ニヤリと笑った。ウルスラの顔がぽぽぽっと赤くなると、耳まで真っ赤になってしまった。そんなアールは、先程ラムを怒らせてしまったので須藤さんと一緒にラムの機嫌を直す為に遊んであげていて、こちらの話は聞いていない。
「ま、まあ、そりゃね」
ウルスラが恥ずかしそうにそう答えた。ああ、これは確定だ。サツキはそう思ってこっそりとユラの顔を盗み見たが、ユラの表情からは後悔や嫌そうなものは微塵たりと感じ取れなかった。もしかして、ユラは二人の恋を応援するつもりなのだろうか。
ユラを見ていたサツキの視線に気付いたユラは、口を尖らせるとサツキのローブの一番上を閉じ始めた。
「ちゃんと閉じろ」
貴方はお母さんですか、と言いたくなるような面倒見のよさに、サツキは思わず笑ってしまったのだった。
尚、参考資料となるようウルスラはすぐ横に水着姿で待機している。
法衣の向こうから、ユラが言った。
「裸でも俺は見るからな」
「プレッシャー……」
「嫌なら集中だ」
「頑張る!」
メタモラを唱えて、今の下着姿のままだと失敗ということだ。集中だ、集中集中!
そして、唱えた。
「メタモラ! 野原サツキ!」
身体の中から魔力がごそっと減ったのが分かった。すると、ユラが何も言わないまま法衣のうえから顔を覗かせた。本当に真っ先に見た。
「お、出来たじゃねえか」
「え!」
サツキは自分の身体を見下ろすと、おお、確かにイメージした通りのウルスラとお揃いの水着を着ているじゃないの。念の為下も確認する。うん、問題ない。
法衣を降ろしたユラに向かい、サツキは笑顔で顔を上げた。
「出来た!」
「おう! さすがだサツキ!」
二人は両方の手のひらを合わせ、きゃっきゃとはしゃぐ。その様子を怪訝そうな顔で見ていたウルスラが、またぽつりと言った。
「やっぱり、近い……」
「いいじゃねえか。俺達は仲良しだもんな、サツキ」
「仲良し……だね、うん。ふふ」
先程自分からキスをねだった所為か、ウルスラ達の前でももう自ら進んで離れようとは思えなくなってしまった。
「……まあ、サツキがいいならいいけど」
おや、ウルスラが珍しく折れた。ユラが床に置いておいたサツキの赤いローブを取ると、サツキの肩に掛ける。
「アールの野郎には見せたくないから、これは着とけよ」
「いや、これ着たら暑いよ……」
「それに、万が一敵に襲われて火傷でもしちまったら俺が嫌なんだよ」
「ユラは治せるでしょ?」
「一回は痛くなるだろ」
自分はファイヤーゴーストの身体の中に腕を突っ込んで大火傷をした癖に、人にはこういうことを言うのだ。
でも、それは優しさだ。サツキは素直にそれを受け取っておくことにした。
「うん、分かったよ」
「いいか、アールには見せるなよ」
釘を刺された。そしてウルスラをちらりと見ながら続けた。
「多分お前だってそう思ってるだろ?」
そう言うと、ニヤリと笑った。ウルスラの顔がぽぽぽっと赤くなると、耳まで真っ赤になってしまった。そんなアールは、先程ラムを怒らせてしまったので須藤さんと一緒にラムの機嫌を直す為に遊んであげていて、こちらの話は聞いていない。
「ま、まあ、そりゃね」
ウルスラが恥ずかしそうにそう答えた。ああ、これは確定だ。サツキはそう思ってこっそりとユラの顔を盗み見たが、ユラの表情からは後悔や嫌そうなものは微塵たりと感じ取れなかった。もしかして、ユラは二人の恋を応援するつもりなのだろうか。
ユラを見ていたサツキの視線に気付いたユラは、口を尖らせるとサツキのローブの一番上を閉じ始めた。
「ちゃんと閉じろ」
貴方はお母さんですか、と言いたくなるような面倒見のよさに、サツキは思わず笑ってしまったのだった。
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