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第三章 上級編開始
第486話 OLサツキの上級編、フレイのダンジョン地下十階の朝風呂のガールズトークの続き
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ウルスラがアールの家に旅の支度を手伝いに行ってから、二人の関係は明らかに変わった。原因は二人がしたというキスの所為なのは間違いないだろうが、ただその場の雰囲気でしてしまったと片付けてしまうには、二人共やけに互いを意識し過ぎている様に思えて仕方なかった。
「アールとキスしたんだよね?」
サツキは、風呂に段々沈み込んでいこうとするウルスラに尋ねた。目をすっと逸らされたが、これはアールが堂々と言っていた話だしウルスラも認めていたから事実だ。
「それだけで終わったの?」
サツキがそう聞くと、お湯に口を浸けていたウルスラがブボッと吹いて顔を出した。
「あっあっ当たり前でしょ! 私、そんなに軽い女じゃないわよっ」
「誰も軽いなんて思わないけど、どうなったのかな、と思って」
あの日、どう考えても朝まで一緒にいた様に見えた。なんせギルドに入る所を、サツキもユラも目撃している。ついでにラムも。
サツキはどんどん聞いていくことにした。お風呂にいる間に話を聞き出さないと、また次の機会までお預けになってしまう。
ウルスラの萌葱色の瞳が、あっちへ行きこっちへ行き、最後に上目遣いになってサツキを見た。目の下の肌も耳もピンク色に染まっているのは、温泉の所為だけではないだろう。ウルスラも可愛いところあるじゃない、そう思った。
「一緒にギルドに来たのを、実は見たんだよね」
「……見られてたか」
「うん。ユラも」
「ていうかあんた達いつからいつまで一緒にいたのよ」
ウルスラの鋭いツッコミが入ったが、サツキは話題を戻すことにした。前までだったら流されて慌てていただろうツッコミも、ユラと四六時中いたお陰で大分鍛えられた。
「今は私の話じゃないでしょ。露天風呂でウルスラの話を聞くって約束したじゃない」
「あ、う、うう、まあそうなんだけど」
「で、朝まで一緒にいたんでしょ? 何があったの?」
「サツキの割にはぐいぐい来るわね」
「先生があれだから鍛えられたの」
「納得」
「で、言ってよ。話が進まないよ」
サツキが一歩分ウルスラに近付くと、ウルスラがとうとう観念したのか、ようやく語り始めた。
「前に話した通りなんだけど、準備が終わったのがもう夜中だったから、アールと二人で軽くあり合わせのご飯を食べつつ、まあ酒盛りをした訳よ」
「うんうん」
「で、疲れもあるし空きっ腹だったのもあって、アールは結構早い段階で眠そうになってて、私もいつもよりもちょっと酔っ払ってて、アールが、春祭りの時にユラが女と歩いてたけど自分は親といたから結局今年も縁がなかったとか嘆き始めたから、来年はいい出会いあるわよって慰めてあげてた訳」
「うんうん、それで?」
これが所謂ガールズトークというやつか。サツキはこれまでこういった会話を端で聞くことはあっても直接されることなどなかったので、今この瞬間を思い切りエンジョイしていた。
「……サツキ、わくわくしてない?」
「ちょっとしてる」
「何よそれ……」
「ほら、続き続き」
ウルスラが仕方ないな、といった風に笑うと、続きを語り始めた。
「アールとキスしたんだよね?」
サツキは、風呂に段々沈み込んでいこうとするウルスラに尋ねた。目をすっと逸らされたが、これはアールが堂々と言っていた話だしウルスラも認めていたから事実だ。
「それだけで終わったの?」
サツキがそう聞くと、お湯に口を浸けていたウルスラがブボッと吹いて顔を出した。
「あっあっ当たり前でしょ! 私、そんなに軽い女じゃないわよっ」
「誰も軽いなんて思わないけど、どうなったのかな、と思って」
あの日、どう考えても朝まで一緒にいた様に見えた。なんせギルドに入る所を、サツキもユラも目撃している。ついでにラムも。
サツキはどんどん聞いていくことにした。お風呂にいる間に話を聞き出さないと、また次の機会までお預けになってしまう。
ウルスラの萌葱色の瞳が、あっちへ行きこっちへ行き、最後に上目遣いになってサツキを見た。目の下の肌も耳もピンク色に染まっているのは、温泉の所為だけではないだろう。ウルスラも可愛いところあるじゃない、そう思った。
「一緒にギルドに来たのを、実は見たんだよね」
「……見られてたか」
「うん。ユラも」
「ていうかあんた達いつからいつまで一緒にいたのよ」
ウルスラの鋭いツッコミが入ったが、サツキは話題を戻すことにした。前までだったら流されて慌てていただろうツッコミも、ユラと四六時中いたお陰で大分鍛えられた。
「今は私の話じゃないでしょ。露天風呂でウルスラの話を聞くって約束したじゃない」
「あ、う、うう、まあそうなんだけど」
「で、朝まで一緒にいたんでしょ? 何があったの?」
「サツキの割にはぐいぐい来るわね」
「先生があれだから鍛えられたの」
「納得」
「で、言ってよ。話が進まないよ」
サツキが一歩分ウルスラに近付くと、ウルスラがとうとう観念したのか、ようやく語り始めた。
「前に話した通りなんだけど、準備が終わったのがもう夜中だったから、アールと二人で軽くあり合わせのご飯を食べつつ、まあ酒盛りをした訳よ」
「うんうん」
「で、疲れもあるし空きっ腹だったのもあって、アールは結構早い段階で眠そうになってて、私もいつもよりもちょっと酔っ払ってて、アールが、春祭りの時にユラが女と歩いてたけど自分は親といたから結局今年も縁がなかったとか嘆き始めたから、来年はいい出会いあるわよって慰めてあげてた訳」
「うんうん、それで?」
これが所謂ガールズトークというやつか。サツキはこれまでこういった会話を端で聞くことはあっても直接されることなどなかったので、今この瞬間を思い切りエンジョイしていた。
「……サツキ、わくわくしてない?」
「ちょっとしてる」
「何よそれ……」
「ほら、続き続き」
ウルスラが仕方ないな、といった風に笑うと、続きを語り始めた。
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