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第三章 上級編開始
第482話 OLサツキの上級編、フレイのダンジョン地下十階の朝風呂の決意
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サツキとウルスラが女風呂の入り口をくぐると、気持ちの良さそうな湯気が立ち昇っていた。
服を脱ぎながら、ウルスラが尋ねる。
「サツキ達は昨日お風呂には入ったの?」
どきっとした。入った。入ったが、ユラと混浴に入ってしまった。今考えると、何故当たり前の様に入れたのか自分でも分からない。多分、他の皆がもう寝ていて、お酒も入っていた所為だと思う。恐るべし酒の力だ。
ということで、サツキは無難に答えることにした。
「入ったよ。軽くだけどね。朝ウルスラと入ろうと思ってたから」
「やだサツキったら! 可愛いこと言うわねえ!」
誤魔化せた。嘘は言っていないので、罪悪感もなかった。
二人はまずは身体全体を洗った。備え付けの石鹸があるのが素晴らしい。持って行かれない為だろう、植え込み式のポンプ状になっているが、一体中はどこに繋がっているんだろう。
サツキは疑問をウルスラに投げてみた。
「ねえウルスラ、この石鹸って誰が補充してるんだろう?」
すると、ウルスラがあっさりと教えてくれた。
「この下に、転移魔法陣が描かれてるのよ。で、全国温泉振興組合が転移先で補充してるらしいわよ」
転移魔法で、石鹸を補充。夢がある様なない様な。とりあえず、この世界の魔法はかなり生活に密着しており、サツキが元の世界にいる時に想像していた様なファンタジーな要素だけでない、というのは理解出来た。バトルに使用する魔法以外は、案外皆こういった利用方法をされているのかもしれない。
「魔法陣て、そんなに色々あるの?」
洗い終わったサツキが、お湯に足を浸けながら尋ねると、後から来たウルスラがサツキの胸をじっと見ながら頷いた。
「いっぱいあるわよ。昨夜宿泊した施設にあった様な冷房効果があるものもあるし、転移魔法陣もあるし、中には異世界の入り口を開く魔法陣なんてのもあるなんて噂も聞いたことがあるわよ」
「異世界!? それ本当!?」
サツキがしゃがみかけていた身体をジャバッと伸ばすと、ウルスラの視線は揺れる胸に釘付けになった。そんなに見ないで欲しい。
だが今はそれよりも、今のウルスラの話だ。
「ウルスラ、その話、詳しく教えて!」
「サツキ……貴方、まさかまだ帰ろうと思ってるの……?」
ウルスラが悲しそうな表情になったので、サツキは慌てて首を横にぶんぶん振った。なのに揺れる胸を見るのは止めて欲しい。ウルスラがサツキの恨めしそうな視線に気付いたのか、はっと顔を上げた。どうも胸が気になって仕方ない様だ。
「そうじゃないの、ウルスラ。私、リアムにどうしても直接確認したいことがあって」
すると、ウルスラが驚いた顔をした。
「――リアム?」
サツキは深く頷いてみせた。
「私、出来たらこの世界にずっと留まりたいと思ってるの。元の世界は、ちょっと私には生き辛くて、でもこっちに来て、皆がいるし、魔法も使える様になったら何だか段々自分に自信がついてきて。でもそれでこのまま戻ったら、また自信のない私に戻っちゃうんじゃないかって」
そこまで言って、サツキは自分の言葉に驚いていた。自分に自信がついてきた、今、そう言わなかったか?
「だから、リアムにちゃんと言いたいの。こっちにいていいかって。貴方もそっちで頑張れますかって」
きっぱりと、サツキは言った。
服を脱ぎながら、ウルスラが尋ねる。
「サツキ達は昨日お風呂には入ったの?」
どきっとした。入った。入ったが、ユラと混浴に入ってしまった。今考えると、何故当たり前の様に入れたのか自分でも分からない。多分、他の皆がもう寝ていて、お酒も入っていた所為だと思う。恐るべし酒の力だ。
ということで、サツキは無難に答えることにした。
「入ったよ。軽くだけどね。朝ウルスラと入ろうと思ってたから」
「やだサツキったら! 可愛いこと言うわねえ!」
誤魔化せた。嘘は言っていないので、罪悪感もなかった。
二人はまずは身体全体を洗った。備え付けの石鹸があるのが素晴らしい。持って行かれない為だろう、植え込み式のポンプ状になっているが、一体中はどこに繋がっているんだろう。
サツキは疑問をウルスラに投げてみた。
「ねえウルスラ、この石鹸って誰が補充してるんだろう?」
すると、ウルスラがあっさりと教えてくれた。
「この下に、転移魔法陣が描かれてるのよ。で、全国温泉振興組合が転移先で補充してるらしいわよ」
転移魔法で、石鹸を補充。夢がある様なない様な。とりあえず、この世界の魔法はかなり生活に密着しており、サツキが元の世界にいる時に想像していた様なファンタジーな要素だけでない、というのは理解出来た。バトルに使用する魔法以外は、案外皆こういった利用方法をされているのかもしれない。
「魔法陣て、そんなに色々あるの?」
洗い終わったサツキが、お湯に足を浸けながら尋ねると、後から来たウルスラがサツキの胸をじっと見ながら頷いた。
「いっぱいあるわよ。昨夜宿泊した施設にあった様な冷房効果があるものもあるし、転移魔法陣もあるし、中には異世界の入り口を開く魔法陣なんてのもあるなんて噂も聞いたことがあるわよ」
「異世界!? それ本当!?」
サツキがしゃがみかけていた身体をジャバッと伸ばすと、ウルスラの視線は揺れる胸に釘付けになった。そんなに見ないで欲しい。
だが今はそれよりも、今のウルスラの話だ。
「ウルスラ、その話、詳しく教えて!」
「サツキ……貴方、まさかまだ帰ろうと思ってるの……?」
ウルスラが悲しそうな表情になったので、サツキは慌てて首を横にぶんぶん振った。なのに揺れる胸を見るのは止めて欲しい。ウルスラがサツキの恨めしそうな視線に気付いたのか、はっと顔を上げた。どうも胸が気になって仕方ない様だ。
「そうじゃないの、ウルスラ。私、リアムにどうしても直接確認したいことがあって」
すると、ウルスラが驚いた顔をした。
「――リアム?」
サツキは深く頷いてみせた。
「私、出来たらこの世界にずっと留まりたいと思ってるの。元の世界は、ちょっと私には生き辛くて、でもこっちに来て、皆がいるし、魔法も使える様になったら何だか段々自分に自信がついてきて。でもそれでこのまま戻ったら、また自信のない私に戻っちゃうんじゃないかって」
そこまで言って、サツキは自分の言葉に驚いていた。自分に自信がついてきた、今、そう言わなかったか?
「だから、リアムにちゃんと言いたいの。こっちにいていいかって。貴方もそっちで頑張れますかって」
きっぱりと、サツキは言った。
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