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第三章 上級編開始
第481話 魔術師リアムの上級編・早川ユメ攻略初日開始
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背後から抱きすくめられながら寝ると、祐介の場合密着度合いが高い為、正直寝にくい。
ということで、祐介が用意した腕枕に頭を乗せると、リアムは今夜は祐介の方を向くことにした。
「明日は早い。早く寝よう、祐介」
「うん。おやすみ」
「おやすみ」
リアムは目を閉じた。腹痛はもうなくなったが、身体にはまだだるさが残っている。それに、どうしても出血と生理用品を着用していることにより感じる不快感は拭い去れぬ。これもいずれは慣れる日が来るのだろうかと思い、いや、案外この身体との付き合いはそう長く続かないのだった、と思い返す。
少し、寂しくなった。
リアムが祐介の肩の方までにじり寄ると、祐介の手が伸びてきて、リアムの髪を梳く様に撫で始める。慈しむ様に。守る様に。
結局、リアムが寝るまでずっと、祐介はリアムの頭を撫で続けてくれていたのだった。
◇
祐介の家の目覚まし時計で目が覚めた。いつ寝返りを打ったのか、目を開けると祐介の部屋が見える。そしていつもの如く、背後から羽交い締めされていた。祐介の片足は、今日もリアムの足の間にしっかりと入り込んでいる。
しかし今朝は更に、祐介の手の位置もおかしい。リアムが毛布を退けて恐る恐る覗き込むと、両胸が両手でしっかりと握られていた。こやつはどこを掴んでいるのか。祐介の眠りは深いので恐らくは眠りながら無意識にではあろうが、これは拙い。というか、手が温かくて変な気分になりそうだ。
起こすべきか。というか、目覚まし時計は鳴り続けている。どうして祐介はすぐに起きないのか。何の為の目覚まし時計か。
リアムは祐介の手首をそうっと握ると、剥がしにかかった。まずは一つずつ慎重に行なう必要があろう。あと少しで片方が剥がれる、とりあえず横にずらそう。鳴り響くアラーム音の中でリアムが掴んでいた手首を横に置いた途端、祐介の手が再び胸の上に戻ってき、明らかに揉んだ。
「こ、こら! 何をしている!」
「……うーん?」
リアムは必死で祐介の腕を持って離そうとするが、一向に剥がれない。拙い、このまま揉まれると変な気分になってしまう。
「祐介! こら!!」
身体を出来るだけ捻じり、耳に近い所で声を上げた。すると、祐介が薄っすらと目を開ける。
「手を離せ!」
「手……?」
不可解そうな表情を浮かべながらも、手はもにょもにょと動いている。わざとではないか? わざとであろう? 分かってやっているのではないか? リアムのこめかみがぴくっといった。
「柔らかい……ふふ」
「ふふ、ではない!」
「……えっ」
祐介が手を動きを止めた。ようやく自分が何に触れているのか、理解したのに違いない。そろーっとリアムの身体から手を引っこ抜くと、そっと半身を起こしてリアムの顔を覗き込んだ。
「あ、あの、おはようサツキちゃん」
「……おはよう祐介」
「怒って……る?」
「わざとでないのは承知しているが、さすがにな……」
「ですよね……思い切り揉んじゃった」
「皆まで言うな祐介」
「すみません」
リアムはこれ以上は怒っても無駄なのは分かっていたので、祐介に指示した。
「とりあえず目覚まし時計を止めてくれ」
「あ、はい」
祐介がリアムの上から手を伸ばすと、目覚まし時計を止めた。
「改めておはよう」
リアムの足の間に足を入れたままの祐介が、照れくさそうにそう言った後、リアムのおでこにキスをした。
ということで、祐介が用意した腕枕に頭を乗せると、リアムは今夜は祐介の方を向くことにした。
「明日は早い。早く寝よう、祐介」
「うん。おやすみ」
「おやすみ」
リアムは目を閉じた。腹痛はもうなくなったが、身体にはまだだるさが残っている。それに、どうしても出血と生理用品を着用していることにより感じる不快感は拭い去れぬ。これもいずれは慣れる日が来るのだろうかと思い、いや、案外この身体との付き合いはそう長く続かないのだった、と思い返す。
少し、寂しくなった。
リアムが祐介の肩の方までにじり寄ると、祐介の手が伸びてきて、リアムの髪を梳く様に撫で始める。慈しむ様に。守る様に。
結局、リアムが寝るまでずっと、祐介はリアムの頭を撫で続けてくれていたのだった。
◇
祐介の家の目覚まし時計で目が覚めた。いつ寝返りを打ったのか、目を開けると祐介の部屋が見える。そしていつもの如く、背後から羽交い締めされていた。祐介の片足は、今日もリアムの足の間にしっかりと入り込んでいる。
しかし今朝は更に、祐介の手の位置もおかしい。リアムが毛布を退けて恐る恐る覗き込むと、両胸が両手でしっかりと握られていた。こやつはどこを掴んでいるのか。祐介の眠りは深いので恐らくは眠りながら無意識にではあろうが、これは拙い。というか、手が温かくて変な気分になりそうだ。
起こすべきか。というか、目覚まし時計は鳴り続けている。どうして祐介はすぐに起きないのか。何の為の目覚まし時計か。
リアムは祐介の手首をそうっと握ると、剥がしにかかった。まずは一つずつ慎重に行なう必要があろう。あと少しで片方が剥がれる、とりあえず横にずらそう。鳴り響くアラーム音の中でリアムが掴んでいた手首を横に置いた途端、祐介の手が再び胸の上に戻ってき、明らかに揉んだ。
「こ、こら! 何をしている!」
「……うーん?」
リアムは必死で祐介の腕を持って離そうとするが、一向に剥がれない。拙い、このまま揉まれると変な気分になってしまう。
「祐介! こら!!」
身体を出来るだけ捻じり、耳に近い所で声を上げた。すると、祐介が薄っすらと目を開ける。
「手を離せ!」
「手……?」
不可解そうな表情を浮かべながらも、手はもにょもにょと動いている。わざとではないか? わざとであろう? 分かってやっているのではないか? リアムのこめかみがぴくっといった。
「柔らかい……ふふ」
「ふふ、ではない!」
「……えっ」
祐介が手を動きを止めた。ようやく自分が何に触れているのか、理解したのに違いない。そろーっとリアムの身体から手を引っこ抜くと、そっと半身を起こしてリアムの顔を覗き込んだ。
「あ、あの、おはようサツキちゃん」
「……おはよう祐介」
「怒って……る?」
「わざとでないのは承知しているが、さすがにな……」
「ですよね……思い切り揉んじゃった」
「皆まで言うな祐介」
「すみません」
リアムはこれ以上は怒っても無駄なのは分かっていたので、祐介に指示した。
「とりあえず目覚まし時計を止めてくれ」
「あ、はい」
祐介がリアムの上から手を伸ばすと、目覚まし時計を止めた。
「改めておはよう」
リアムの足の間に足を入れたままの祐介が、照れくさそうにそう言った後、リアムのおでこにキスをした。
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