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第三章 上級編開始
第440話 OLサツキの上級編、フレイのダンジョンの地下十一階の食料調達の続き
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ユラの考えていることは本当に謎だ。
以前は、男を好きになりかけているがまだ覚悟が出来ていない、と言っていた。それはアールのことかと尋ねたら思い切りはぐらかされたが、アールとはいつも楽しそうに過ごしているし、先生役だってアールから奪ったりしたし、サツキとアールを不用意に近付けたくないのは何となく分かった。
だからやっぱりアールのことが好きなんだろうとは思うが、だけどだったら何故、こうも幾度もサツキにキスを迫るのか。サツキをこの世界に繋ぎ止める為という理由だった筈だが、それにしちゃあ多過ぎやしないか。サツキは最近はそこまで元の世界のことなど思い出していないというのに。
壁に追い詰められ逃げられない状態のサツキに散々キスをし、更に今度は耳に口を這わせている。それがどんどん首に降りてくる。息遣いが荒くて変な気分になるから、是非とも止めて欲しかった。サツキは身を捩って逃げようとするが、ユラが身体を押し付けてきていて逃げられない。
と、ユラの手が胸に伸びてきたので、サツキはそれをペチンと叩いた。ユラが不満げに顔を上げる。
「ケチ」
「ケチとかそういう問題じゃないでしょ」
「いいじゃねえか、減るもんじゃねえし」
「駄目。何かが絶対減る」
「じゃあ谷間に指を」
「駄目だって言ってるでしょ」
キスと身体に触れることはまた別の話だ。それにモンスターが彷徨いているダンジョンでこの人は一体何をどこまでしようとしているんだか。
「キスは、私をこの世界に繋ぎ止める為に有効だからしてるんでしょ?」
「まあ、そうだな」
「じゃあ胸は別に関係ないでしょ」
「あるかもしれねえし」
ユラが不貞腐れる。これはただ単に触りたいだけにしか思えなかった。
「ユラ、そろそろモンスターを探そうよ」
「サツキはあれだな、理由がないと駄目なのか」
「なに」
すると、ユラがにやりと笑った。
「じゃあ、理由さえあればいいってことか」
「よくないでしょ」
サツキが呆れ顔で言うと、ユラが軽くキスをした後、言った。
「腹減ったな」
「だから獲物を取ろうって言ってるでしょ」
「さくっと捕まえて、帰りにまた続きしようぜ」
「しないってば。もう今日は十分でしょ」
「いーや、まだ足りない」
絶対嘘だ。サツキが疑わしそうにユラを見上げると、ユラがサツキの手を握った。
「ま、とりあえず捕まえよう」
ようやくやる気になったらしい。二人は階段から離れ、奥へと進んで行った。
そういえば、とサツキが聞く。
「ユラ、最近目をあんまり擦ってないよね。目、良くなった?」
「あー。まあ、そうだな。お前も安定してるし、あんまりぶれないし」
「ぶれない?」
「何でもない」
「それに今、安定してるって言ったよね?」
先程まだ足りないと言っていた口で、安定していると言い切った。すると、ユラが目をふい、と逸した。
「これはあれだ、比喩だ」
「なんの比喩よ」
「細かいことは気にすんな。ほら行くぞ」
「ちょっとユラ」
「谷間に指つっこむぞ」
「……」
また隠し事だ。どうもユラは何かを隠している。サツキに自信が付いたら言うとは言っていたが、それだってどう判断するんだか分かったもんじゃない。
サツキは小さく溜息をついた。
以前は、男を好きになりかけているがまだ覚悟が出来ていない、と言っていた。それはアールのことかと尋ねたら思い切りはぐらかされたが、アールとはいつも楽しそうに過ごしているし、先生役だってアールから奪ったりしたし、サツキとアールを不用意に近付けたくないのは何となく分かった。
だからやっぱりアールのことが好きなんだろうとは思うが、だけどだったら何故、こうも幾度もサツキにキスを迫るのか。サツキをこの世界に繋ぎ止める為という理由だった筈だが、それにしちゃあ多過ぎやしないか。サツキは最近はそこまで元の世界のことなど思い出していないというのに。
壁に追い詰められ逃げられない状態のサツキに散々キスをし、更に今度は耳に口を這わせている。それがどんどん首に降りてくる。息遣いが荒くて変な気分になるから、是非とも止めて欲しかった。サツキは身を捩って逃げようとするが、ユラが身体を押し付けてきていて逃げられない。
と、ユラの手が胸に伸びてきたので、サツキはそれをペチンと叩いた。ユラが不満げに顔を上げる。
「ケチ」
「ケチとかそういう問題じゃないでしょ」
「いいじゃねえか、減るもんじゃねえし」
「駄目。何かが絶対減る」
「じゃあ谷間に指を」
「駄目だって言ってるでしょ」
キスと身体に触れることはまた別の話だ。それにモンスターが彷徨いているダンジョンでこの人は一体何をどこまでしようとしているんだか。
「キスは、私をこの世界に繋ぎ止める為に有効だからしてるんでしょ?」
「まあ、そうだな」
「じゃあ胸は別に関係ないでしょ」
「あるかもしれねえし」
ユラが不貞腐れる。これはただ単に触りたいだけにしか思えなかった。
「ユラ、そろそろモンスターを探そうよ」
「サツキはあれだな、理由がないと駄目なのか」
「なに」
すると、ユラがにやりと笑った。
「じゃあ、理由さえあればいいってことか」
「よくないでしょ」
サツキが呆れ顔で言うと、ユラが軽くキスをした後、言った。
「腹減ったな」
「だから獲物を取ろうって言ってるでしょ」
「さくっと捕まえて、帰りにまた続きしようぜ」
「しないってば。もう今日は十分でしょ」
「いーや、まだ足りない」
絶対嘘だ。サツキが疑わしそうにユラを見上げると、ユラがサツキの手を握った。
「ま、とりあえず捕まえよう」
ようやくやる気になったらしい。二人は階段から離れ、奥へと進んで行った。
そういえば、とサツキが聞く。
「ユラ、最近目をあんまり擦ってないよね。目、良くなった?」
「あー。まあ、そうだな。お前も安定してるし、あんまりぶれないし」
「ぶれない?」
「何でもない」
「それに今、安定してるって言ったよね?」
先程まだ足りないと言っていた口で、安定していると言い切った。すると、ユラが目をふい、と逸した。
「これはあれだ、比喩だ」
「なんの比喩よ」
「細かいことは気にすんな。ほら行くぞ」
「ちょっとユラ」
「谷間に指つっこむぞ」
「……」
また隠し事だ。どうもユラは何かを隠している。サツキに自信が付いたら言うとは言っていたが、それだってどう判断するんだか分かったもんじゃない。
サツキは小さく溜息をついた。
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