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第三章 上級編開始
第420話 OLサツキの上級編、フレイのダンジョン・ラムが語る
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ユラって、優しい笑い方をするとこんなに可愛いんだ。
それが、ユラに変身したラムを見た時に最初に思ったことだった。そして実に嬉しそうにサツキにべったりとくっついている。
「サツキ、ようやくお話出来る。ラム嬉しいよ」
「ラムちゃん……」
サツキはあまりのその可愛さに、きゅっと抱き締め返した。すると、ユラが二人を引き剥がしにかかる。
「俺の姿で堂々と抱きついてんじゃねえよ!」
「ユラ落ち着いて、これはラムちゃんだよ」
だがユラは何かが許せないのだろう、苛々を隠しもせず眉間に筋を立てて怒っている。
「何でお前はラムだと俺の姿でも平気で抱きつくんだよ!」
「だってこれラムちゃんでしょ」
「俺の気持ちも考えろよ、だったら俺の時だってそうしてくれよな」
「いやだってそれはユラでしょ」
「これだって俺だろ!」
ユラの怒りポイントが分からない。何故怒られているのか、さっぱり分からなかった。
「ラム、今すぐ離れないとイルミナを解除するぞ! 俺がやると中途半端になってちゃんと戻れないかもしれないぞ!」
今度はラムを脅し始めた。一体どうしたんだろう。だが、それでラムは怖くなったのか、サツキを名残惜しそうに離した。
「ユラ、けち」
「独り占めは禁止だろうが」
「よく言う、ユラだってここのところ」
「あーうるせえうるせえ、要件をさっさと言えよ!」
ユラが苛々マックスで半ば怒鳴りつつ言った。
「他の人の姿にすればよかったかな?」
サツキが、後ろでサツキ達を「何してるんだろう」的な目で見ている二人をみると、ユラがぶすっとした。
「どっちも嫌だ。だったら俺の姿の方がまだマシだ」
「もう、何なのそれ」
「いいからラム、さっさと言いたいことを言え」
ユラがラムを急かした。ラムはキラキラとユラな瞳を輝かせると、先程のジェスチャーの内容を語り出した。
「ラムは、黄色と青色のスライムから出来てるでしょ? 黄色の時は雷の魔法が使えて、青色の時はお水の魔法を使えた。でも、一緒になってからどう出したらいいのか分からなくなっちゃった。それで魔法が使えないの」
成程、違う属性が混ざり合っちゃったから、訳が分からなくなっちゃったということか。
「どうしたら使える様になるのかな? ラムちゃん分かる?」
「うーん、何をするか想像出来れば、多分何とかなると思うんだけど」
雷と水からくるイメージ。
「嵐くらいしか思いつかないなあ」
「嵐? サツキ、嵐って何?」
そうか、ラムはずっとダンジョンにいたから、外の天候など知らないに違いない。だったら、実際に目にしたらイメージも湧くのではないだろうか。
サツキはユラに尋ねた。
「ユラ、嵐みたいな魔法ってあるの?」
「あるぜ。フルミネシュトルム。雷の中級魔法で、初級のフルミネの上位魔法だ」
すると、通路の奥、天井に赤い炎と赤い目が光った。
「丁度いいからあれに使ってみろ」
「分かった」
サツキはスッと杖を構えた。二階にも沢山いたあの蜘蛛だった。数えてみると、三匹が固まっていた。気持ち悪い。
「フルミネシュトルム!」
サツキが呪文を唱えると、杖から物凄い勢いの黒煙が吹き出したかと思うと、前面一杯に雷雲が生まれた。ピカ! ピカ! とあちこちに雷を散らしては光っている。すると、ゴロゴロゴロ、と力を蓄えた雷雲の一角が膨れ上がると、猛烈な勢いで光の滝で蜘蛛達を襲った。
それが、ユラに変身したラムを見た時に最初に思ったことだった。そして実に嬉しそうにサツキにべったりとくっついている。
「サツキ、ようやくお話出来る。ラム嬉しいよ」
「ラムちゃん……」
サツキはあまりのその可愛さに、きゅっと抱き締め返した。すると、ユラが二人を引き剥がしにかかる。
「俺の姿で堂々と抱きついてんじゃねえよ!」
「ユラ落ち着いて、これはラムちゃんだよ」
だがユラは何かが許せないのだろう、苛々を隠しもせず眉間に筋を立てて怒っている。
「何でお前はラムだと俺の姿でも平気で抱きつくんだよ!」
「だってこれラムちゃんでしょ」
「俺の気持ちも考えろよ、だったら俺の時だってそうしてくれよな」
「いやだってそれはユラでしょ」
「これだって俺だろ!」
ユラの怒りポイントが分からない。何故怒られているのか、さっぱり分からなかった。
「ラム、今すぐ離れないとイルミナを解除するぞ! 俺がやると中途半端になってちゃんと戻れないかもしれないぞ!」
今度はラムを脅し始めた。一体どうしたんだろう。だが、それでラムは怖くなったのか、サツキを名残惜しそうに離した。
「ユラ、けち」
「独り占めは禁止だろうが」
「よく言う、ユラだってここのところ」
「あーうるせえうるせえ、要件をさっさと言えよ!」
ユラが苛々マックスで半ば怒鳴りつつ言った。
「他の人の姿にすればよかったかな?」
サツキが、後ろでサツキ達を「何してるんだろう」的な目で見ている二人をみると、ユラがぶすっとした。
「どっちも嫌だ。だったら俺の姿の方がまだマシだ」
「もう、何なのそれ」
「いいからラム、さっさと言いたいことを言え」
ユラがラムを急かした。ラムはキラキラとユラな瞳を輝かせると、先程のジェスチャーの内容を語り出した。
「ラムは、黄色と青色のスライムから出来てるでしょ? 黄色の時は雷の魔法が使えて、青色の時はお水の魔法を使えた。でも、一緒になってからどう出したらいいのか分からなくなっちゃった。それで魔法が使えないの」
成程、違う属性が混ざり合っちゃったから、訳が分からなくなっちゃったということか。
「どうしたら使える様になるのかな? ラムちゃん分かる?」
「うーん、何をするか想像出来れば、多分何とかなると思うんだけど」
雷と水からくるイメージ。
「嵐くらいしか思いつかないなあ」
「嵐? サツキ、嵐って何?」
そうか、ラムはずっとダンジョンにいたから、外の天候など知らないに違いない。だったら、実際に目にしたらイメージも湧くのではないだろうか。
サツキはユラに尋ねた。
「ユラ、嵐みたいな魔法ってあるの?」
「あるぜ。フルミネシュトルム。雷の中級魔法で、初級のフルミネの上位魔法だ」
すると、通路の奥、天井に赤い炎と赤い目が光った。
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