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第三章 上級編開始
第416話 OLサツキの上級編、フレイのダンジョン二階続き
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フレイのダンジョンに何か異変が起こっているのは、確からしい。とすると、間の階の状態を確認せずにいきなり下の階に転移した場合、最悪そこが溶岩で埋まっていた、ということだって考えられる訳だ。
するとアールがにこにこしながら言った。
「まあまだ来たばっかだし、次の温泉階まではまだそれなりにあるからさ、徒歩で進んで様子見ようよ」
「まあ飯もまだ何も捕まえてないしな」
「だろ? ゴーストが一番浅い所にいたってことは、多分次あたりにファイヤーウルフとかいるんじゃないかな?」
また新しい名前のモンスターが出て来た。ファイヤーウルフということは、狼系のモンスターなのだろう。ご飯の話の流れで出て来たので、多分食べられるタイプのモンスターなのだ。
「じゃあ、私とアールがまた前衛に行くわ」
「後衛に行こうよ、ウルスラ」
アールがウルスラを覗き込んでにこにこするが、ウルスラの表情は硬かった。
「ファイヤーウルフなら私達で切れるでしょ」
「でも食べるなら冷凍した方がいいよ」
「じゃあサツキに冷凍してもらってから私達が切れば持ち運び出来るじゃない」
「まあそうだけど」
やけにアールがしつこい。サツキがはらはらしながらユラを見ると、ユラが頷いた後二人に言った。
「じゃあこの階は俺とサツキが後ろに行く。俺達が前に出た方がいいモンスターが多い様なら前後後退する。次の階で交代でどうだ?」
「ユラの提案で行きましょ」
「前衛って慣れないからさ、結構気を張って疲れるんだよな」
「まあ僧侶は大抵後ろだからなあ」
アールも納得してくれた様だ。話がまとまったので、ウルスラが号令をかけた。
「よし! 行くわよ! まずは昼食の材料を捕まえるわよ!」
「おー!」
アールが元気に手を振り上げた。
そして地下二階を進んで行ったのだが、出てくるのは火を纏った大きな蜘蛛ばかり。
「気持ち悪いいいいいっ!」
ウルスラの泣き声が終始鳴り響く中、手っ取り早く倒す為にサツキはアイスの呪文を連発していた。身体の中の残りの魔力はまだ十分あるのだが、ユラが少し考え込む様な顔をし始めていたので何か問題なのかと不安になってきていた。
「ユラ、さっきから黙ってどうしたの?」
「うーん……なんかさ、さっきから出てきてる蜘蛛、やけに小さいんだよ。数も多いし、これはもしかして」
「もしかして?」
ユラは蜘蛛を前に半狂乱になっている前衛のウルスラに聞こえない様、小声で言った。
「こいつらは生まれたてで、どっかにでっかい親がいるんじゃねえかって」
「え」
いや、この蜘蛛も直径1メートル位あるんですけど。これで小さい? 思わずサツキの顔が歪んだ。
「サツキ、念の為教えておく。氷系の上級魔法は、アンファンフロストだ」
サツキは頷きながら心の中で繰り返した。アンファンフロスト。初めて聞く呪文だった。ユラが厳しい顔をしながら説明を続ける。
「ディープ・インパクトと同じ感じの氷版魔法だな。初めて見ると結構びびると思うから、使う時は俺にしがみついとけよ」
「わ、分かった」
中級ダンジョンで、上級魔法を敢えて教えてくるということは、この先に何かあるとユラが睨んでいるということだ。サツキはごくりと唾を呑み込んだ。
するとアールがにこにこしながら言った。
「まあまだ来たばっかだし、次の温泉階まではまだそれなりにあるからさ、徒歩で進んで様子見ようよ」
「まあ飯もまだ何も捕まえてないしな」
「だろ? ゴーストが一番浅い所にいたってことは、多分次あたりにファイヤーウルフとかいるんじゃないかな?」
また新しい名前のモンスターが出て来た。ファイヤーウルフということは、狼系のモンスターなのだろう。ご飯の話の流れで出て来たので、多分食べられるタイプのモンスターなのだ。
「じゃあ、私とアールがまた前衛に行くわ」
「後衛に行こうよ、ウルスラ」
アールがウルスラを覗き込んでにこにこするが、ウルスラの表情は硬かった。
「ファイヤーウルフなら私達で切れるでしょ」
「でも食べるなら冷凍した方がいいよ」
「じゃあサツキに冷凍してもらってから私達が切れば持ち運び出来るじゃない」
「まあそうだけど」
やけにアールがしつこい。サツキがはらはらしながらユラを見ると、ユラが頷いた後二人に言った。
「じゃあこの階は俺とサツキが後ろに行く。俺達が前に出た方がいいモンスターが多い様なら前後後退する。次の階で交代でどうだ?」
「ユラの提案で行きましょ」
「前衛って慣れないからさ、結構気を張って疲れるんだよな」
「まあ僧侶は大抵後ろだからなあ」
アールも納得してくれた様だ。話がまとまったので、ウルスラが号令をかけた。
「よし! 行くわよ! まずは昼食の材料を捕まえるわよ!」
「おー!」
アールが元気に手を振り上げた。
そして地下二階を進んで行ったのだが、出てくるのは火を纏った大きな蜘蛛ばかり。
「気持ち悪いいいいいっ!」
ウルスラの泣き声が終始鳴り響く中、手っ取り早く倒す為にサツキはアイスの呪文を連発していた。身体の中の残りの魔力はまだ十分あるのだが、ユラが少し考え込む様な顔をし始めていたので何か問題なのかと不安になってきていた。
「ユラ、さっきから黙ってどうしたの?」
「うーん……なんかさ、さっきから出てきてる蜘蛛、やけに小さいんだよ。数も多いし、これはもしかして」
「もしかして?」
ユラは蜘蛛を前に半狂乱になっている前衛のウルスラに聞こえない様、小声で言った。
「こいつらは生まれたてで、どっかにでっかい親がいるんじゃねえかって」
「え」
いや、この蜘蛛も直径1メートル位あるんですけど。これで小さい? 思わずサツキの顔が歪んだ。
「サツキ、念の為教えておく。氷系の上級魔法は、アンファンフロストだ」
サツキは頷きながら心の中で繰り返した。アンファンフロスト。初めて聞く呪文だった。ユラが厳しい顔をしながら説明を続ける。
「ディープ・インパクトと同じ感じの氷版魔法だな。初めて見ると結構びびると思うから、使う時は俺にしがみついとけよ」
「わ、分かった」
中級ダンジョンで、上級魔法を敢えて教えてくるということは、この先に何かあるとユラが睨んでいるということだ。サツキはごくりと唾を呑み込んだ。
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