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第三章 上級編開始
第414話 OLサツキの上級編、フレイのダンジョン二階
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確か、フレイのダンジョンは地下四十階だと言っていた。
サツキがユラを少し見下ろしつつ、尋ねる。
「ユラ、確かユラは比較的浅い所までしか潜らなかったって言ってたよね?」
ユラは真っ直ぐにサツキの目を見て頷いた。リアムだと上から見下ろす形になるので、この金色のまつ毛が目にかかり水色の瞳が透けて見えて、綺麗で仕方ない。
「地図を広げてみる」
ユラはそう言うと、鞄の中をガサゴソと漁り、クルクルと丸められ紐で括られていた地図を取り出した。それを広げ、「フレイのダンジョン」と言うと、ダンジョン全体の地図が紙の上に映し出された。今移されているのは、断面図の様だ。全体のおおよそ半分程度が明るく表示され、下半分はグレーになっている。
ユラがその境目の部分を指で広げた。本当にスマホだ。まあサツキはガラケーしか使っていなかったので、実際に触ったことなと数える程度しかないので操作方法は正直あやふやだったが。
「えーと、二十一階の転移魔法陣までだな」
「前に来た時は、なんで途中で帰っちゃったの?」
「二十階の温泉階が最高だって噂を聞きつけて、それと小遣い稼ぎに来たんだよ」
「温泉目的」
「その通りだ」
ユラがきっぱりと肯定した。この世界の人間も、日本人同様温泉が大好きらしい。まあ気持ちいいし、サツキだって大好きではある。
ユラが地図を広げ、二十階を大きくして見せてくれた。サツキが地図を覗き込むと、ルーンのダンジョンの温泉よりも温泉の数が多い。
「見てくれよこれ。もう色んな風呂があってさ、最高だったぜ」
「そもそも温泉って誰が設置してるの」
サツキは素朴な疑問を口にした。
「ギルドが全国温泉振興組合に依頼してるんだよ。温泉は冒険者の安らぎだからな。勿論定期的な見回りも欠かせない。その際の組合員の護衛っていう任務も時折あるんだぜ」
「全国温泉振興組合……」
ルーンのダンジョンでも、きっちりと女湯と男湯、ついでに借り切り風呂も設置されており、古びた様子もなかった。やはり誰かが定期的にメンテナンスをしていたのか。
「だから初級ダンジョンは比較的きちんと整備されてるんだけどさ、レベルが高いダンジョンだとなかなか厳しくてな。その中、このフレイのダンジョンの温泉は全国温泉振興組合の巨匠と呼ばれる人が特に熱心に開拓した温泉ってことで知られているんだ」
ユラが雄弁に語った。巨匠という存在がいるらしい。もうちょっとよく意味が分からなくなった。
「そ、そうなんだ」
「サツキも行けば分かるって! 混浴もあるからさ、一緒に入ろうぜ」
「いやそれはちょっと」
「見られたくなきゃブラインドの魔法掛けりゃいいだろ? な? 本当に最高なんだよ、あの打たせ湯」
「肩こりに効きそう」
「効く効く」
ユラが地図をしまうと、ウルスラ達を振り返る。
「てことで、二十一階までは問題なく飛べる。どうする? 温泉は十階ずつに設置されてるから、とりあえず十階まで飛ぶか?」
すると、ウルスラが眉間に皺を寄せた。
「うーん、下の様子がどうなっているのかが分からない状態で飛ぶのってちょっと怖いわね」
「それはあるな」
ユラも賛同した。
サツキがユラを少し見下ろしつつ、尋ねる。
「ユラ、確かユラは比較的浅い所までしか潜らなかったって言ってたよね?」
ユラは真っ直ぐにサツキの目を見て頷いた。リアムだと上から見下ろす形になるので、この金色のまつ毛が目にかかり水色の瞳が透けて見えて、綺麗で仕方ない。
「地図を広げてみる」
ユラはそう言うと、鞄の中をガサゴソと漁り、クルクルと丸められ紐で括られていた地図を取り出した。それを広げ、「フレイのダンジョン」と言うと、ダンジョン全体の地図が紙の上に映し出された。今移されているのは、断面図の様だ。全体のおおよそ半分程度が明るく表示され、下半分はグレーになっている。
ユラがその境目の部分を指で広げた。本当にスマホだ。まあサツキはガラケーしか使っていなかったので、実際に触ったことなと数える程度しかないので操作方法は正直あやふやだったが。
「えーと、二十一階の転移魔法陣までだな」
「前に来た時は、なんで途中で帰っちゃったの?」
「二十階の温泉階が最高だって噂を聞きつけて、それと小遣い稼ぎに来たんだよ」
「温泉目的」
「その通りだ」
ユラがきっぱりと肯定した。この世界の人間も、日本人同様温泉が大好きらしい。まあ気持ちいいし、サツキだって大好きではある。
ユラが地図を広げ、二十階を大きくして見せてくれた。サツキが地図を覗き込むと、ルーンのダンジョンの温泉よりも温泉の数が多い。
「見てくれよこれ。もう色んな風呂があってさ、最高だったぜ」
「そもそも温泉って誰が設置してるの」
サツキは素朴な疑問を口にした。
「ギルドが全国温泉振興組合に依頼してるんだよ。温泉は冒険者の安らぎだからな。勿論定期的な見回りも欠かせない。その際の組合員の護衛っていう任務も時折あるんだぜ」
「全国温泉振興組合……」
ルーンのダンジョンでも、きっちりと女湯と男湯、ついでに借り切り風呂も設置されており、古びた様子もなかった。やはり誰かが定期的にメンテナンスをしていたのか。
「だから初級ダンジョンは比較的きちんと整備されてるんだけどさ、レベルが高いダンジョンだとなかなか厳しくてな。その中、このフレイのダンジョンの温泉は全国温泉振興組合の巨匠と呼ばれる人が特に熱心に開拓した温泉ってことで知られているんだ」
ユラが雄弁に語った。巨匠という存在がいるらしい。もうちょっとよく意味が分からなくなった。
「そ、そうなんだ」
「サツキも行けば分かるって! 混浴もあるからさ、一緒に入ろうぜ」
「いやそれはちょっと」
「見られたくなきゃブラインドの魔法掛けりゃいいだろ? な? 本当に最高なんだよ、あの打たせ湯」
「肩こりに効きそう」
「効く効く」
ユラが地図をしまうと、ウルスラ達を振り返る。
「てことで、二十一階までは問題なく飛べる。どうする? 温泉は十階ずつに設置されてるから、とりあえず十階まで飛ぶか?」
すると、ウルスラが眉間に皺を寄せた。
「うーん、下の様子がどうなっているのかが分からない状態で飛ぶのってちょっと怖いわね」
「それはあるな」
ユラも賛同した。
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