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第三章 上級編開始
第401話 魔術師リアムの上級編初日の休暇交渉
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リアムが夜用なるものを着用して白い視界の中部屋に戻ると、祐介がどこかへ電話を掛けているところだった。呼び出し音が暫く鳴った後、出たのは男の声だ。
「あ、潮崎さんお疲れ様です。お休み中にすみません」
電話の相手は潮崎の様だ。何だろう? リアムは疑問に思ったが、会社で業務をこなしている間に、電話中の人に話しかけてはならないということはすでに学んでいる。祐介がリアムが立って待っているのに気付くと、ベッドを指差した。寝ていろということらしい。身体が辛かったので、リアムは祐介の勧めに素直に従うことにした。
「実は、木佐さんに連絡を取りたかったんですけど連絡先を知らなくて。今ご一緒ですか?」
何故祐介が木佐ちゃんと電話で話したいのだろうか。リアムとの勝負は互いに負け、潮崎の一人勝ちだったかと思ったが、まだ密かに勝負を続けるつもりなのだろうか?
「はい、お願いします」
祐介が、ベッドに横になり自分を見つめているリアムを見て、頬を撫でてきた。その手があまりにも温かくて、リアムは暖を取りたくなり、祐介の手を上から押さえ、目を閉じた。
「――あ、木佐さん、お休み中にすみません。実は明日のサツキちゃんの出勤についてご相談がありまして」
電話の向こうから、木佐ちゃんの声が聞こえてきた。どうやらあちらはずっと一緒に過ごしていたらしい。羽田からは何も被害はなかったのだろうか。心配ではあったが、この感じだと接触はなかったのかもしれない。木佐ちゃんの家で過ごしているとの話であったので、家の場所は羽田にはばれていないのかもしれなかった。
「実は、かなり生理痛が酷そうで。――はい、あ、やっぱりそうだったんですか? 今も真っ白になって寝てるんですけど、頑張り屋だから無理して仕事に行っちゃいそうで。――はい、ありがとうございます、そうさせてもらえると助かります」
これは思うに、明日の休みの申請をしているのではなかろうか。そうか、木佐ちゃんがリアムの上役であるということは、休暇の確認は木佐ちゃんに取れということなのだ。リアムは納得した。
「で、これは僕の我儘なんですけど、羽田さんのことがあって、どうしても一人にしておくのが心配で。――あ、すみません」
営業を統括しているのは最年長の潮崎だ。どうも今木佐ちゃんは、潮崎に祐介の休みを確認しているらしい。ん? 祐介も休むのか?
「祐介? 私は一人でも何とかなると思うぞ」
家から出なければいいだけの話だ。すると、祐介がじと、といった目でリアムを見下ろした。
「信用できない」
リアムは、何も言い返せなかった。確かにこちらに来てからのリアムといったら、祐介なしには何も出来ていない状態であったから。
「あ、大丈夫ですか? すみません、電話は繋がる様にしておきますので。――はい、ありがとうございます。今日はうどんの卵とじに」
何の話になっているのだろうか。
「ホッカイロを貼るんですか? お腹に? あ、やっぱり体温て下がってるんですね。道理で触ると冷たいと」
何か助言を受けている様だが、ホッカイロとは何だろうか。
「分かりました。じゃあ僕が温めます」
「は?」
「ありがとうございました。はい、また明後日に。失礼します」
祐介が、電話を切った。
「あ、潮崎さんお疲れ様です。お休み中にすみません」
電話の相手は潮崎の様だ。何だろう? リアムは疑問に思ったが、会社で業務をこなしている間に、電話中の人に話しかけてはならないということはすでに学んでいる。祐介がリアムが立って待っているのに気付くと、ベッドを指差した。寝ていろということらしい。身体が辛かったので、リアムは祐介の勧めに素直に従うことにした。
「実は、木佐さんに連絡を取りたかったんですけど連絡先を知らなくて。今ご一緒ですか?」
何故祐介が木佐ちゃんと電話で話したいのだろうか。リアムとの勝負は互いに負け、潮崎の一人勝ちだったかと思ったが、まだ密かに勝負を続けるつもりなのだろうか?
「はい、お願いします」
祐介が、ベッドに横になり自分を見つめているリアムを見て、頬を撫でてきた。その手があまりにも温かくて、リアムは暖を取りたくなり、祐介の手を上から押さえ、目を閉じた。
「――あ、木佐さん、お休み中にすみません。実は明日のサツキちゃんの出勤についてご相談がありまして」
電話の向こうから、木佐ちゃんの声が聞こえてきた。どうやらあちらはずっと一緒に過ごしていたらしい。羽田からは何も被害はなかったのだろうか。心配ではあったが、この感じだと接触はなかったのかもしれない。木佐ちゃんの家で過ごしているとの話であったので、家の場所は羽田にはばれていないのかもしれなかった。
「実は、かなり生理痛が酷そうで。――はい、あ、やっぱりそうだったんですか? 今も真っ白になって寝てるんですけど、頑張り屋だから無理して仕事に行っちゃいそうで。――はい、ありがとうございます、そうさせてもらえると助かります」
これは思うに、明日の休みの申請をしているのではなかろうか。そうか、木佐ちゃんがリアムの上役であるということは、休暇の確認は木佐ちゃんに取れということなのだ。リアムは納得した。
「で、これは僕の我儘なんですけど、羽田さんのことがあって、どうしても一人にしておくのが心配で。――あ、すみません」
営業を統括しているのは最年長の潮崎だ。どうも今木佐ちゃんは、潮崎に祐介の休みを確認しているらしい。ん? 祐介も休むのか?
「祐介? 私は一人でも何とかなると思うぞ」
家から出なければいいだけの話だ。すると、祐介がじと、といった目でリアムを見下ろした。
「信用できない」
リアムは、何も言い返せなかった。確かにこちらに来てからのリアムといったら、祐介なしには何も出来ていない状態であったから。
「あ、大丈夫ですか? すみません、電話は繋がる様にしておきますので。――はい、ありがとうございます。今日はうどんの卵とじに」
何の話になっているのだろうか。
「ホッカイロを貼るんですか? お腹に? あ、やっぱり体温て下がってるんですね。道理で触ると冷たいと」
何か助言を受けている様だが、ホッカイロとは何だろうか。
「分かりました。じゃあ僕が温めます」
「は?」
「ありがとうございました。はい、また明後日に。失礼します」
祐介が、電話を切った。
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