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第三章 上級編開始
第376話 OLサツキの上級編、ギルドへ
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ようやく満足したらしいユラがすでにぐったりとしているサツキの膝の上からどくと、ささっと鞄を背負いサツキに手を差し伸べた。
「気持ちよかったか?」
「お願い、そういうことを当たり前みたいな顔して聞かないで……」
「感想はあるとないとじゃ違うだろ」
どうやったらこんな図太く生きられるのだろうか。その図太さを少し位分けてもらいたいものだ。
サツキはユラの手を掴んでやっとこさ立ち上がると、自分の鞄を背負った。ユラもサツキも持つこの鞄は非常に優れ物で、ウルスラが持っていた何でもぽいぽい収納出来てしまう魔法の鞄と仕様は同じだ。以前ユラはこの中に簡易ベッドを四人分放り込んできていたというから、一体何がどうなっているのやらだ。
ちなみにサツキの鞄には、必要最低限の物しか入ってはいない。洗濯もすぐ出来るので着替えも一式のみだ。
「洗濯がすぐ乾く魔術師がいると、何日もダンジョン潜る時すっごい楽なんだよ」
玄関のドアに付いているドラちゃんにサツキとラムが手を振ると、ドラちゃんが小さく炎を吐いて応えてくれた。
「帰ってからの衣服の整理も楽だし、洗濯もないし」
「魔術師って洗濯屋さん?」
「それは否めねえ」
否めないのか。まあ、少しでも皆が助かるならそれもまたいいのかもしれない。
「でも前回のルーンのダンジョンでは誰も洗濯物が、って言わなかったよ」
「ありゃあウルスラが嫌がるからだ」
「ウルスラが?」
ユラが頷いた。
「自分の下着とかをリアムに見られるのが嫌だったみたいだぜ」
「思ったより乙女なんだね、ウルスラって」
「なー。ゴリラ女の癖に」
「そのゴリラ女って止めてあげようよ」
「いや、止めねえ」
ユラは頑なだ。サツキが来る前に、何かあったのかもしれない。
そんなユラは、手を繋ごうと思ったのかサツキの手に触れようとしたので、サツキは急いで腕組みをして凌いだ。さすがにイケメンとおっさんが町中で手を繋ぐのはいかがなものかと思ったのだが、よくよく見てみると、時折どう考えても恋人同士だろうと思われる男性同士が手を繋いで歩いている。成程、こっちの世界はかなりオープンらしいので、であればいいのか?
そこでふと考えた。ここのところ、この辺りを歩く時ユラはサツキと接触しながら歩いている。昨日は女と歩いていた男が、今日は男と手を繋いでいたら、それはどう思われるんだろうか。
「ユラ、こっちの世界って重婚とかいいの?」
「いきなり何言ってんだ」
「いや、同性間のカップルは見かけるけど、複数相手は倫理的にどうなのかなと」
あー、とユラが納得した様に頷いた。
「それで手を繋がなかったんだな? 可愛いの」
「可愛くなくていいから、教えてよ」
「じゃあキスして」
「は?」
何故そうなる。
サツキが呆れてユラを見ると、ユラがねだる様に言った。
「だってもうギルドはそこだろ。やっぱりもう少しやり溜めしときゃよかったって思ってたところだったからさ」
「……本当、誰でもいいんだね」
「人聞きの悪いこというなよ、誰でもいい訳あるか」
「嘘ばっかり」
「ほら、俺は待ってるぞ」
ユラがサツキを期待した目で見上げた。うう、可愛い。可愛すぎて、サツキはユラの口に吸い寄せられる様に、キスをした。
「気持ちよかったか?」
「お願い、そういうことを当たり前みたいな顔して聞かないで……」
「感想はあるとないとじゃ違うだろ」
どうやったらこんな図太く生きられるのだろうか。その図太さを少し位分けてもらいたいものだ。
サツキはユラの手を掴んでやっとこさ立ち上がると、自分の鞄を背負った。ユラもサツキも持つこの鞄は非常に優れ物で、ウルスラが持っていた何でもぽいぽい収納出来てしまう魔法の鞄と仕様は同じだ。以前ユラはこの中に簡易ベッドを四人分放り込んできていたというから、一体何がどうなっているのやらだ。
ちなみにサツキの鞄には、必要最低限の物しか入ってはいない。洗濯もすぐ出来るので着替えも一式のみだ。
「洗濯がすぐ乾く魔術師がいると、何日もダンジョン潜る時すっごい楽なんだよ」
玄関のドアに付いているドラちゃんにサツキとラムが手を振ると、ドラちゃんが小さく炎を吐いて応えてくれた。
「帰ってからの衣服の整理も楽だし、洗濯もないし」
「魔術師って洗濯屋さん?」
「それは否めねえ」
否めないのか。まあ、少しでも皆が助かるならそれもまたいいのかもしれない。
「でも前回のルーンのダンジョンでは誰も洗濯物が、って言わなかったよ」
「ありゃあウルスラが嫌がるからだ」
「ウルスラが?」
ユラが頷いた。
「自分の下着とかをリアムに見られるのが嫌だったみたいだぜ」
「思ったより乙女なんだね、ウルスラって」
「なー。ゴリラ女の癖に」
「そのゴリラ女って止めてあげようよ」
「いや、止めねえ」
ユラは頑なだ。サツキが来る前に、何かあったのかもしれない。
そんなユラは、手を繋ごうと思ったのかサツキの手に触れようとしたので、サツキは急いで腕組みをして凌いだ。さすがにイケメンとおっさんが町中で手を繋ぐのはいかがなものかと思ったのだが、よくよく見てみると、時折どう考えても恋人同士だろうと思われる男性同士が手を繋いで歩いている。成程、こっちの世界はかなりオープンらしいので、であればいいのか?
そこでふと考えた。ここのところ、この辺りを歩く時ユラはサツキと接触しながら歩いている。昨日は女と歩いていた男が、今日は男と手を繋いでいたら、それはどう思われるんだろうか。
「ユラ、こっちの世界って重婚とかいいの?」
「いきなり何言ってんだ」
「いや、同性間のカップルは見かけるけど、複数相手は倫理的にどうなのかなと」
あー、とユラが納得した様に頷いた。
「それで手を繋がなかったんだな? 可愛いの」
「可愛くなくていいから、教えてよ」
「じゃあキスして」
「は?」
何故そうなる。
サツキが呆れてユラを見ると、ユラがねだる様に言った。
「だってもうギルドはそこだろ。やっぱりもう少しやり溜めしときゃよかったって思ってたところだったからさ」
「……本当、誰でもいいんだね」
「人聞きの悪いこというなよ、誰でもいい訳あるか」
「嘘ばっかり」
「ほら、俺は待ってるぞ」
ユラがサツキを期待した目で見上げた。うう、可愛い。可愛すぎて、サツキはユラの口に吸い寄せられる様に、キスをした。
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