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第二章 中級編開始
第324話 OLサツキの中級編四日目のウルスラの叫び
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サツキがユラの肩を軽く揺さぶっても、ユラの頭ががくがくするだけで起きない。どれだけ夜更ししてたんだろうか。
「ユラ、ほら寝てないで起きてよ」
「……すー」
ちっとも起きやしない。寝入ったばかりだというのにとんでもない眠りの深さだ。そういえば前回のギルドでの集合の時も死んだように寝ていたと言って遅刻してきた。サツキを助けて帰った後も、多分半日位は寝ている。一昨日はやけに早起きをして家に遊びに来ていたし、昨日は夜更しをしたのにサツキの着替えで起きてしまったから、ユラにとっては睡眠が足りていないのかもしれない。
サツキは横にしゃがむと、髪の毛で隠れているユラの顔を覗き込んでみた。少し口が開いている。あ、涎たれそう。まじで寝てるなこれ。でも無防備で可愛いな、そう思ってから、ハッとしてウルスラ達を振り返った。しまった、今どれだけユラを見ていたんだろうか。
ウルスラの目には疑いの色が浮かんでいた。
「サツキ……なあんか、距離近くなってない?」
「え? いやだって起こしてって言ったのウルスラじゃ……」
「それにしてもよ。なあんか見ない間に一緒にいるのに慣れてるっていうか……」
そんなに慣れた風だっただろうか。でもまあ近くに寄られても平気な距離は確かに縮まってしまった気はするかもしれない。だってユラは隙あらばゼロ距離になるから、ちょっと離れる位の近さならまだいいかと。
「鑑定士の所に一緒に行ったりしたし、二人でいるのには慣れたかも」
「始めはあんなにユラのこと避けてたのにねえ」
まだ疑わしそうな目でサツキとユラを交互に見ている。ウルスラはこういう勘は鋭いらしい。アールは何の話かついていけてないのか、ぽやっと笑っていた。肩をもう一度揺さぶると、ユラが薄っすらと目を開けた。あ、涎を吸った。
サツキはウルスラを振り返ると、誤魔化し笑いをしながら言った。
「ユラって魔術のことも詳しいから、実は先生役をアールからユラに変更してもらったりあって、色々話もしたから、あは、あははは」
「え!? 先生変更!?」
「うん。魔術のことをもっと知りたいし」
ウルスラが考え込み始めた。
「まあ確かに魔術についてはアールはからっきしだから、となると適任はユラ……ユラは大丈夫なのかしら? でも女の身体にしか興味がないみたいだし……」
ぶつぶつと言い始めているので、サツキは待った。ユラが目を覚まして、目を擦って欠伸をし始めた。自由だなこの人。
ウルスラが頷いた。何かを納得したらしい。
「ユラなら問題なしね! しっかり魔術を教わるのよ、サツキ!」
「あはは……うん、頑張ります」
すると、欠伸の所為で出た涙を拭ったユラが、一瞬どこにいるのかを見失ったのか、きょろきょろと辺りを見回した後。
「サツキ、おはよう」
そう言うと、サツキを思い切り引き寄せ抱き締めた。
「ちょっちょっとユラ!」
「……眠い」
「サツキ! やっぱりユラは駄目よ! ユラから離れて!」
「……ゴリラ女が何か喚いてる」
「サツキから離れろおおおお!」
ウルスラの悲鳴に近い叫びがギルドの広間に響き渡った。
「ユラ、ほら寝てないで起きてよ」
「……すー」
ちっとも起きやしない。寝入ったばかりだというのにとんでもない眠りの深さだ。そういえば前回のギルドでの集合の時も死んだように寝ていたと言って遅刻してきた。サツキを助けて帰った後も、多分半日位は寝ている。一昨日はやけに早起きをして家に遊びに来ていたし、昨日は夜更しをしたのにサツキの着替えで起きてしまったから、ユラにとっては睡眠が足りていないのかもしれない。
サツキは横にしゃがむと、髪の毛で隠れているユラの顔を覗き込んでみた。少し口が開いている。あ、涎たれそう。まじで寝てるなこれ。でも無防備で可愛いな、そう思ってから、ハッとしてウルスラ達を振り返った。しまった、今どれだけユラを見ていたんだろうか。
ウルスラの目には疑いの色が浮かんでいた。
「サツキ……なあんか、距離近くなってない?」
「え? いやだって起こしてって言ったのウルスラじゃ……」
「それにしてもよ。なあんか見ない間に一緒にいるのに慣れてるっていうか……」
そんなに慣れた風だっただろうか。でもまあ近くに寄られても平気な距離は確かに縮まってしまった気はするかもしれない。だってユラは隙あらばゼロ距離になるから、ちょっと離れる位の近さならまだいいかと。
「鑑定士の所に一緒に行ったりしたし、二人でいるのには慣れたかも」
「始めはあんなにユラのこと避けてたのにねえ」
まだ疑わしそうな目でサツキとユラを交互に見ている。ウルスラはこういう勘は鋭いらしい。アールは何の話かついていけてないのか、ぽやっと笑っていた。肩をもう一度揺さぶると、ユラが薄っすらと目を開けた。あ、涎を吸った。
サツキはウルスラを振り返ると、誤魔化し笑いをしながら言った。
「ユラって魔術のことも詳しいから、実は先生役をアールからユラに変更してもらったりあって、色々話もしたから、あは、あははは」
「え!? 先生変更!?」
「うん。魔術のことをもっと知りたいし」
ウルスラが考え込み始めた。
「まあ確かに魔術についてはアールはからっきしだから、となると適任はユラ……ユラは大丈夫なのかしら? でも女の身体にしか興味がないみたいだし……」
ぶつぶつと言い始めているので、サツキは待った。ユラが目を覚まして、目を擦って欠伸をし始めた。自由だなこの人。
ウルスラが頷いた。何かを納得したらしい。
「ユラなら問題なしね! しっかり魔術を教わるのよ、サツキ!」
「あはは……うん、頑張ります」
すると、欠伸の所為で出た涙を拭ったユラが、一瞬どこにいるのかを見失ったのか、きょろきょろと辺りを見回した後。
「サツキ、おはよう」
そう言うと、サツキを思い切り引き寄せ抱き締めた。
「ちょっちょっとユラ!」
「……眠い」
「サツキ! やっぱりユラは駄目よ! ユラから離れて!」
「……ゴリラ女が何か喚いてる」
「サツキから離れろおおおお!」
ウルスラの悲鳴に近い叫びがギルドの広間に響き渡った。
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