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第二章 中級編開始
第318話 OLサツキの中級編四日目のウルスラの春祭り奮闘記の前に
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ぷんすか怒っているウルスラを椅子にそうっと降ろすと、アールは椅子を押してやった。思わぬアールの紳士っぽりに、ウルスラが微妙な笑みを浮かべた。
「な、なんかアール、そういう気遣いも出来たのね。びっくりしちゃった」
どうやら照れているらしい。アールは自分も席に着くと、何でもないことの様に笑いながら言った。
「いやー母ちゃんがさ、あんたはまず彼女欲しいとか言う前に人としてきちんとしなさいって今回散々説教食らってよー。だから思いやりを持って接しようかと」
「説教食らう程拙いことを何かやらかしたのか?」
ユラはアールの席に座りつつ、アールに尋ねた。四人掛けの丸テーブルなのだが、ウルスラの隣に座ったサツキの方に微妙に椅子を寄せてくる。アールの方に行かなくていいんだろうか? あまり近付けるとアールが勘違いするかもしれないのに。
「いやさ、ダンジョンから戻った次の日から春祭りだっただろ? だから今年は部屋の片付けがちっとも出来なくてよ、まあそこそこ汚い部屋のまま両親を迎え入れちゃったんだよな」
「あーあ」
ユラが呆れた顔をすると、サツキに説明し始めた。
「俺、前にアールんちにちょっと寄ったことがあるんだけど、まあ物だらけでさ。整理整頓のせの字もないもんな」
「そんなに酷いんだ……」
元の世界のサツキの家の様だ。あれはあれだ、時間があまりにもなさ過ぎた所為もあるが。
「俺、苦手なんだよ片付けるの。それで母ちゃんがぐわーっと片付けたからまあ当分は大丈夫だと思うけど、あはは」
アールが悪びれもせず笑うが、要するに溜まったら片付け、溜まったら片付けの自転車操業的な状態になっているということらしい。すると、ユラが馬鹿にした様に言った。
「お前な、確かにそれはお前の母ちゃんの言うことに一理あるぜ。自分の身の回りのことも出来ない男の家になんか女を連れ込めないだろ? その状態でよくどの子にしようかなんて考えられたもんだな」
言いたい放題である。そしてそれに対し、アールは一人前に反論してきた。
「何だよ! ユラんちだって汚かったりするんじゃないのか!? どうせ人のことなんて言えないんだろっ」
「俺んちはすっごく片付いてるぜ。まあ物が少ないっていうのもあるけど。なーサツキ?」
薄っすらと笑いながらこちらに同意を求めるクールビューティーのその発言に、サツキは明らかにそこに故意を感じた。いや、ていうか言っちゃうのそれ?
「え!? 何でサツキに聞くんだよ!」
「ちょっとサツキ! どういうこと!?」
「あ、あのですね、ほらその」
ああ、やっぱりこうなった。ユラに助けを求めて横目で見たが、我関せずで楽しそうに眺めている。やっぱりこいつわざとだ。
「か! 鑑定士を紹介してもらったの! その時に!」
「あ、そうか、鑑定士に会いたいって言ってたもんな」
「びっくりさせないでよー」
サツキがほっと胸を撫で下ろすと、様子を眺めていたユラが少し口を尖らせた後、サツキの目を見てくすっと笑ったのだった。
「な、なんかアール、そういう気遣いも出来たのね。びっくりしちゃった」
どうやら照れているらしい。アールは自分も席に着くと、何でもないことの様に笑いながら言った。
「いやー母ちゃんがさ、あんたはまず彼女欲しいとか言う前に人としてきちんとしなさいって今回散々説教食らってよー。だから思いやりを持って接しようかと」
「説教食らう程拙いことを何かやらかしたのか?」
ユラはアールの席に座りつつ、アールに尋ねた。四人掛けの丸テーブルなのだが、ウルスラの隣に座ったサツキの方に微妙に椅子を寄せてくる。アールの方に行かなくていいんだろうか? あまり近付けるとアールが勘違いするかもしれないのに。
「いやさ、ダンジョンから戻った次の日から春祭りだっただろ? だから今年は部屋の片付けがちっとも出来なくてよ、まあそこそこ汚い部屋のまま両親を迎え入れちゃったんだよな」
「あーあ」
ユラが呆れた顔をすると、サツキに説明し始めた。
「俺、前にアールんちにちょっと寄ったことがあるんだけど、まあ物だらけでさ。整理整頓のせの字もないもんな」
「そんなに酷いんだ……」
元の世界のサツキの家の様だ。あれはあれだ、時間があまりにもなさ過ぎた所為もあるが。
「俺、苦手なんだよ片付けるの。それで母ちゃんがぐわーっと片付けたからまあ当分は大丈夫だと思うけど、あはは」
アールが悪びれもせず笑うが、要するに溜まったら片付け、溜まったら片付けの自転車操業的な状態になっているということらしい。すると、ユラが馬鹿にした様に言った。
「お前な、確かにそれはお前の母ちゃんの言うことに一理あるぜ。自分の身の回りのことも出来ない男の家になんか女を連れ込めないだろ? その状態でよくどの子にしようかなんて考えられたもんだな」
言いたい放題である。そしてそれに対し、アールは一人前に反論してきた。
「何だよ! ユラんちだって汚かったりするんじゃないのか!? どうせ人のことなんて言えないんだろっ」
「俺んちはすっごく片付いてるぜ。まあ物が少ないっていうのもあるけど。なーサツキ?」
薄っすらと笑いながらこちらに同意を求めるクールビューティーのその発言に、サツキは明らかにそこに故意を感じた。いや、ていうか言っちゃうのそれ?
「え!? 何でサツキに聞くんだよ!」
「ちょっとサツキ! どういうこと!?」
「あ、あのですね、ほらその」
ああ、やっぱりこうなった。ユラに助けを求めて横目で見たが、我関せずで楽しそうに眺めている。やっぱりこいつわざとだ。
「か! 鑑定士を紹介してもらったの! その時に!」
「あ、そうか、鑑定士に会いたいって言ってたもんな」
「びっくりさせないでよー」
サツキがほっと胸を撫で下ろすと、様子を眺めていたユラが少し口を尖らせた後、サツキの目を見てくすっと笑ったのだった。
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